第二十四話 防衛
遂に、目標としていた1000pvを突破いたしました!精進あるのみ!
「ギシャァァァァ!」
「キュルァァァァ!」
「うわすげぇな怪獣大決戦じゃん。」
眼の前で繰り広げられているのは二匹の魔獣の、否、今言うなれば闇の魔獣と光の聖獣。漆黒と純白の決闘である。
見た感じだと強さは互角。だが、ホーリィは我らを護って戦っているからか本気を出し切れていないようだ。事実、『解析鑑定』してわかったのだが、行く前にホーリィは戦士達に、聖属性魔法の一つである、『聖なる加護』をかけている。対象のダメージを軽減、特に闇属性に効果が高い、というもののようだ。求められているものをよくわかってらっしゃる。
攻撃が当たって街が壊滅しないように、魔法使いが魔法で相殺し、魔法が使えない者は盾や鎧で防いでいるのだが、加護があれどもやはり足りない。死者こそ出ていないが、再起不能になってしまった者は多い。どうしたものか…。
「ご主人よ!」
「おわっ!イレルフか!今までどこで何してたんだ?というかよくわかったな。」
突然声をかけてきたのは、最近出番が全然無かった、第一の相棒イレルフ(優男)だ。緊急事態だとわかった直後、『準備をしてきます。』と言って出ていったきりあっていなかったのだ。
「我は従魔ですので、ご主人の居場所は常に把握しておりますよ。」
「GPSみたいだな…。で、準備とやらは終わったのかね?」
「ハッ!完了しております!今にもお目にかけましょう!」
そう言うやいなや、イレルフは塀を飛び出し…
「色素魔法!『能力付与』」
イレルフの手から、七色、いや、それ以上の色の塊が発生し、冒険者達に、兵士達に、僕やホーリィにも迫っていく。
「この魔法はお主らに『身体強化』の効果を追加で与え、しばらくの間能力も上げる!あの神獣の足手まといにならぬよう!街を守りきるが良い!」
うおぉ!スゲェ何だこれは!今まで感じたことのないような力を感じる!これが『能力付与』か!イレルフの準備というのは、このためのものだったというのか。
(はい、その通りです。街の外に出て魔獣に『色素吸収』を使用し、スキルやステータスを吸収したのです。今のこれは、吸収したスキル『念話』を使用しています。片方が持っていれば意思疎通は可能なようです。)
なるほどな。よしイレルフ、皆がやられないようにサポートを頼む。お前の『部分鋼武器化』も併用すればおそらく大丈夫だろう。ホーリィ…新しい仲間のあの白くてデカいやつにも、背中は任せろとかなんとあ伝えてやってくれ。
(了解です。では、行って参ります!)
お、念話が切れたのか。いやぁまさか念話までしてくるとはね、頼もしいことよ。
飛び出して行ったイレルフは、人間達にはヤバそうな攻撃を「鋼」になることで防ぎ、定期的に味方にバフをかけ、敵に『色素吸収』を行なっている。それだけで味方の士気も武力も上がり、敵の猛攻は収まってきている。
「行ける!行けるぞ!」
「被害を出さずにアレーファを守り抜けるんだ!」
「よっしゃあ次でトドメだぁ!やったれぇ!」
うん、ソレはそうなんだけどね、それフラg…
「ギシャア……グギュガアァァァッ!」
「グキュッ!?」
悪魔の光が断末魔の叫びを上げたかと思った、次の瞬間ッ!ノンキしていた冒険者達が震え上がるほどの瘴気ッ!ドス黒い暗黒の霧がソイツから溢れ出したッ!
その勢いはホーリィを一瞬とは言えども硬直させるほどのモノで、更に覚醒した奴にはそれで十分だった。
「ゴルギャアァァァッ!」
「キュウッ!キュアァァァッ!」
悪魔の光、否。大悪魔の闇とでも言うべき強化されたその攻撃、闇のレーザーはホーリィの巨大を貫いていた。
「ホーリィッ!」
このままではホーリィが!アレーファの街が危ない!
…とでも思ったかぁ!眷属が致命傷を食らった時の策我にアリィ!
未だ使ったことのない『描画顕現』の権能が火を噴くぜ!
「『リペア』!」
突如現れる虹の塊。それは傷付いた希望の光を包み込むと…元通りの無傷の姿に変えたのだ!
説明しよう!『リペア』とは、『描画顕現』の権能の一つである!その効果は、損傷した創造した物を回復させるというものだ!あの巨体を元通りにしたからもうMPがスッカラカンだけどね!
だがいくら復活したとは言えども、互角から格差が生まれた状態になっていては、このままでは勝てない。
「ホーリィ!」
「クキャアァァァッ!」
僕の意図を完璧に読み取ったホーリィは、『超過駆動』を発動させ、身体能力を倍に引き上げる。これで狂騒状態とも言えよう彼の魔獣にも勝る状態になっただろう!
「今度こそ決めてやれ!ホーリィ!」
「クキャッ!!」
ホーリィの純白の背中に空色のネオンのような魔法陣が何個も現れる。それらが光り輝き、放たれるのは無数の様々な形状の光の武器達、『神之武器庫』。その全てが例外なく悪魔の光の身体に突き立てられる。
「グゴギュバァァギャアァァァッ!」
いくら覚醒したと雖も満身創痍なことには変わりなく、超過した神の陽光の必殺技には耐えられない。
伝説の厄災は此処に崩れ去ったのだ。
「やった…のか?」
「やったぞ!アレーファを守りきったんだ!」
「良かった!生き残れた!本当に助かったんだあ!」
皆が互いの健闘を称え合い、無事を確かめ合う。
闇の晴れた空には、金色の光を放つ月と星々が眩く在った。
戦闘とか書いたこと無いんですよね、というか、小説自体書くの描画転生が初めてでした。この書き方で良かったのだろうカ…?