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英雄は最後に笑った  作者: 蝶佐崎
第二章
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五十嵐:事後処理

 五十嵐は目を開けて、宿の天井を見た。

「今回は起きんの早かったな」

 ギンが笑いながら椅子を持ってくる。

「あいつが観光に興奮していた」

「興奮なぁ……」

 彼はくっと笑う。

「想像できねー」

「無表情で目が輝いている、とでも言えばいいか?」

「あ、分かった」

 そんなことを話していたら、トーラが顔を出した。

「トーラ、もう終わったのかよ?」

「おう。医者が来てくれた」

「医者?」

 五十嵐が首を傾げたところで、ギンは渋い表情を浮かべる。

「強盗騒ぎ。ほら、人喰いバカーってやついただろ? 宿の亭主があいつに足刺されてて、その治療がいるから医者呼んでたんだ。それと、バカー本人の治療。ちょっと行ったところで気絶してるところ発見してよ、じゃー治療して警羅に団体で突き出そうぜと。お前が気絶させた奴らも縛ってるしな」

 五十嵐はそれを頭で理解して、

「内容は分かったが……バカーなんて名前だったか?」

「名乗ってた覚えはあんだけどな……忘れた。悪いな誰か」

 まあどうでもいい。

 五十嵐は観光で買ったらしい干物を取り出したトーラに聞く。

「他に怪我人は? 俺も強盗も結構暴れたと思うが」

「ユーイチの中のあいつと戦ったのはギン一人だ。しかもギンは軽傷で済んでら。強盗の被害は……」

 トーラの顔が曇る。

「銃で頭を撃たれた人間一人、死傷」


 ああ。

 人間はこんなに簡単に死ぬ。


「と、ギン。アテがあるって言ってた葬儀屋に連絡はついたのかよ?」

 トーラは事も無げに、至って冷静に話している。対するギンも、当たり前に頷いた。

 それに、五十嵐は違和感を覚えつつも話を聞くことが先決だと思って黙る。

「おうよ。アテってのはあれだ、商連」

「「商連?」」

 思わず二人で聞き返してしまう。

「酒屋のおっさんに、一番近くの葬儀屋を探してもらったんだよ」

「……探せたんだな?」

「そういうこった。金はユーイチの金から出したぜ。到着は明日になるんだと」

「それでいい」

 五十嵐も頷き、僅かに騒がしくなった下の音を聞く。人喰い強盗の「勘弁してつかぁさいー!」という悲鳴が聞こえる。葬儀屋より先に警察が到着したらしい。

「強盗は警察に受け渡す。宿の亭主は医者に診せる。死んじまった奴は仕方ねーが、せめてあの世まで葬儀屋に送ってもらう。これで、一件落着」

 パチンと、ギンは指を鳴らして笑った。



閑話休題。

やっと本筋に戻れました!


いつも読んで下さっている方、ありがとうございます(土下座)

もうちょっと続きそうです。どうぞお付き合い願います。

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