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英雄は最後に笑った  作者: 蝶佐崎
第一章
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玲奈の昔話



 たしか、あたしが住んでた国はニホンて言うてな。

 あたしが四歳ぐらいの時や。家の庭で妹と遊んでいたら、母があたしらを呼びに来て、そのとき妹が(まり)を林に飛ばしてしもた。あたしは妹を母に預けて、林に毬を探しに行ったんやな。

 それで、林を抜けて川原に出ていて、川の底に毬みたいな金色の玉が沈んでた。あたしがそれをとろうと手を伸ばしたら、川から手が出てきてあたしの手首を掴んで、あたしは川に引き込まれた。


 気が付いたら、一面空が(あか)い場所におってん。いや、空だけやない。雲も、川も、草原も、花も、全部紅かった。その中に一人、男があたしの側に座っていて。髪が白くて、目が(みどり)でな。それで、左頬あたりに青あざができてて。あたしがその人に話しかけようと立ち上がったら、その男も立ち上がって、歩き始めたんや。

 あたしは男を追いかけて、追いかけて、気が付いたら男は消えてて。林を抜けたと思たら、戦場におった。

 目の前に血まみれのおっさんが倒れとった。刀持ってな。で、悲鳴やら怒号やらが一杯飛び交っとった。


 そこで初めて会ったんが、親父殿やった。親父殿はあたしを見て、おいでと言って。あとで聞いたら、親父殿が養子にしてくれてたみたいでな。

 ああ、あと妹の名前は緑香。それしか覚えてないわ。


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