表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄は最後に笑った  作者: 蝶佐崎
第二章
110/117

神無:暇


 謎の女性が消えたあとで、神無は唯と緑香の稽古を眺めていた。

 緑香もそれなりに心得はあったのか、素手になると俄然強くなる。対して唯はかなりの強者だ。

 また、組み合いで緑香が飛ばされた。が、受け身をとって直ぐに立ち上がる。

(暇だなあ)

 あくびをかみ殺し、神無は「故郷」を見回す。

 主の言っていた人物はまだ現れない。

 と、緑香が神無の方に飛んできた。それを慣れた様子で受け止め、唯に投げ返す。

(ひぃま)そうだね」

「暇なんです。彼はいつ現れるのか、分からないんですか?」

 淡い浴衣の彼だ。

「さー、わぁかんないね」

 主の言う「呆けた爺」は世界各国を旅しているため、なかなか見つからないらしい。

 唯が二人に歩み寄ってきた。緑香はと視線を巡らせると、地面に埋没している。

「……彼女は放置してもいいんですか?」

「陰陽師の練習も兼ねている。緑香殿が自分で回復しなければ意味がない」

 そう言った唯は溜め息をつきつつ、神無のとなりに座る。

 唯は、神無が異界に与すると気付いていない。

(今なら)

 今なら、主の望み通り、彼を殺せるのではないか?

「神無君、だっけ?」

 名無しの彼が、腕を掴んだ。

「思うだけならまだいい。でも、それを実行しようと腹を決めた時、君は故郷(ここ)から放り出されるよ」

 見透かされての警告に、殺意は急速に萎んでいく。

「? 俺に何か遺恨でもあるのか?」

「……あまり気にしないで下さい」

 今回は彼に救われた、と思っていいのだろう。

 緑香が起き上がり、唯を呼んだ。唯が立ち上がり、彼女に飛びかかる。

「…………胃痛は感じませんが、かなり退屈ですね」

「なーにか言った?」

 何も、と(うそぶ)いた神無はまた寝転び、眠りについた。



お久しぶりですー・・・

風邪でゲポゲポしてたらいつの間にか一ヶ月ぐらい経ってました・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ