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別話・食事
子供は、戦場の血だまりに座る。
「この辺りが良いかな」
一人呟いた子供は、周りを取り巻く彼らを見て、笑った。
それは、霊。
妻や彼女、子供を残して戦に来たのか、帰りたいと泣き叫ぶ男。
遠くを思い、国王を尊ぶ歌を唄う男。
殺し足りない、と辺りをさ迷う男。
皆、死んでいる。
子供が座った辺りは、戦の中でも激戦区として大勢人間が死んだ場所だった。
子供には彼らが視えていた。彼らが苦しむ姿を視ていた。その上で、彼らに問う。
「私の栄養にならんか?」
辺りを、黒い球が包む。
それは、一方的な殺戮。
もし、霊を生き物として数えるならば。
一応必要なので乗せましたが、すっっごく短いです。
そういえば、この頃の小話、長さが不定期です。すみませんが、多分直せません。優しい目で見てやってください。