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僕たちと君たちの差  作者: 鳥海山時雨
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第三:態度と距離

 さて、前回に述べたように言語というものは一種の手段でしかありません。ほかにも目に見える方法で相手に情報を伝えることができます。


 その中で一番わかりやすく相手に伝えられるのは『態度』です。これは特に日本では言語の中にみられることが多いと思いますが、それはお互いが情報を発する手段であることの裏付けとなっているからなのです。


 態度、というと一般的に相手と会話している状態のときに発生します。それは相手の動きや物腰、言葉遣い、会話をするときの距離、更に直感と言われる言語化が不可能な様々な人間的要素を総合的に判断したものをひとまとめに表現したのもだからです。


 一つ、例を挙げましょう。見知らぬ相手に話しかけられた際――道案内や列に並んでいるか、など――言葉遣いは丁寧でも言い方が強かったり距離が異様に近かったりすると高圧的な態度であると判断しますよね。そこまでとは言わなくとも感じの良いものではありません。


 現在進行形の問題のみに拘らず、人間社会的に重要視されるのが様々な点から現れる相手との距離です。これによって態度を判断しているのです。


 では、距離感というのはどういうことなのでしょうか。


 答えは簡単、これはタテの距離です。即ち我々の社会である縦社会における距離を守らなければその当人を『反社会的勢力』とみなすのです。


 しかし、ここで現代の情報技術の発展による問題が発生します。SNS上でのやり取りやコメントをぱっと見ただけではその人物が縦社会のどの辺に位置するのか分からないのです。


 この場合話しかける側の人間は二パターンに分かれます。全員に対して自分を(へりくだ)らせるか、全員に対して相手を下とみるかの二つです。


 そしてこの二つの組み合わせによって相手のアバターの中身を探り探り話をしているのです。


 まず、お互いが前者同士の場合。これは大部分の人が使用しているものの為に大きな問題が起きることはまずありません。


 次に、お互いが後者の場合。これはよく起こる『キッズどうしの喧嘩』と言われる稚拙な論争を繰り広げる結果となっています。


 最後に、前者と後者の場合。この場合が一番厄介で後者の人間は優越に浸り、自分が相手よりも上の立場にあると錯覚することになります。そうした人間が他のところに同様な態度を示すことによって周りから顰蹙(ひんしゅく)を買う結果になっているのです。


 目に見えないからこそ丁寧に接しなければならない。人間は自分自身に価値を見出せない生き物なのです。あくまで価値があるのはこの狭い社会のなかでの立場、地位といったもののみなのです。しかし、これを理解できていない人がこの世界に多くいるのです。


 では、なにが彼らの立場を作り上げているのでしょうか。

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