EP.2~いってき?~
とりあえず身の回りを確認してみることにした。
そもそも私は誰なのか、それ以上に性別すら分かってない。
私は私。そんな単純な事なのに私は私を知らない。
ーーー 一体何故?
尽きぬ不安に包まれながら作業を進める。
腰に巻きついているのは、小さな袋状のよく分からない物体。
中には"円いもの"が入ってた。
「ふーん。円いもの…おかね?かなぁ?」
服装は軽装らしい。したがヒラヒラしていて肌寒い。
顔は………わからない。
「「私が誰なのか、何者なのか。顔も名前もわからない。行くあて先もない。何もない。あるのは使えるかすら分からないお金だけ。こわい。つらい。気持ち悪い。でも!!」」
・・・無意識に叫んでいた
◎◎◎◎◎◎◎
無意識とは、本当は意識下の元で行われているのだろう。
そもそも意識も本当に意識しているか、そう言われると不明瞭である。
実際のところ私たちの意識とは、脳の信号の1つに過ぎない。
本当によくわからない。自信が意識として認識しているそれが、意識であろう。
つまるところ、どうでもいい。
◎◎◎◎◎◎◎
ーーー気がつくと、街中にいた。
周囲が騒がしい。
私が何かしたのかな?先程までただの草原だったはず…
一体いつ出発し、いつ到着したのだろう?
疑問が疑問を呼ぶ。むしろ私の周りには疑問しかない。
"怖い"
ただただ思うだけだった。
周囲には硬そうなもので出来た家、何かを出している人、何かを手に入れる人、話している人、楽しそうな人、なにかに乗ってる人…その他諸々。
私の知ってるそれに近いけど、果たしてその観念は正しいのか?この世界の尺度に合わせた言葉がみつからない
この世界の事を知らない、知っているのかもしれないけど、今の私には何もわからない
……………ここで異変に気づく
誰も私を見ていない
あれこれ考えつつ、色々見て周ったはいいけど
おかしなことに声をかけても反応が無く、道をふさいでみても人々は私をすり抜けて去っていった
確かに私はよく眠り、よく夢をみる。
しかし、夢と現を間違えるほど寝ぼけてはいない…と思う。
なんでだろう?とりあえず寝てから考えようか。
「あ~っ!!!もうっ!!わっかんない~!!!!!」
そこらで寝てもたいした問題は無いだろう、どうせ透明人間みたいなもんだ。
人知れず踏みものにしている、されている。
そんな可能性を思うと私の足取りは重い。
"どこか静かな場所を探そう"
私の安寧を守る為の旅が始まる!!!
ーーー静かな場所で寝たい。今はただ、それだけだった。