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王への請願
命は溶けゆく雪か
消えゆく瞬間すら美しくはない
そのむなしさを知るものがいないのは罪
まして強いられたものならば
欲深ではあるまいが
貴方を躾ける人はもういないと
風が告げたと欺いた巨匠たちでも
祈ることだけは奪われず
なぜ生きるのかと聞かないで
なんのために死ぬのかを知りたい
夢は荒野に散ったか
されども循環する願いがあると
ただ破れた者の叫びだけが悲しい
それを聞く者はすでにない
慈悲があるなら答えて
我が君がそれに顔を伏せたわけを
闇の中でもはっきりと見える魂が
求める星明かりであれば
なぜ生きるのかと聞かないで
なんのために死ぬのかを知りたい




