二章プロローグ
「ほほぅ、この地に人間が?」
「ハッ。まだ詳しい確認は取れておりませんが、幾つかの街で報告が、人間と戦闘し敗北したモノが居ると」
とある部屋に、二人の男がいた。
その部屋は暗がりで、室内の様子は分からない。
そんな部屋のドア前で、彼女は一人、ドアに耳を押し付け聞き耳を立てていた。
「ふむ。エルフの森が突破されたのは報告されていたが、未だ砦を建築している段階ではなかったか?
奴等が不用意に我が領土を脅かすとも思えん。まだ準備も整っていない今、我が軍に攻められるのは向こうもあまり良い顔はしないのではないか?」
「私もそう思います閣下。ただ、噂では女一人、あるいは魔族の女と一緒に居た二人組という噂も、二人組の方には片方、見なれぬ風貌の赤い身体をしていたとか」
「見なれぬ風貌? ゴホッ、ま、まぁいい。それより各所の防備は?」
「今のところはまだどこも危険な地域はございません。ただ人間もさるもの、一筋縄ではいかぬようで」
「だろうな。しかし……ウグッ、ゴホッ!?」
「陛下ッ、安静に、安静になさってください、このままでは」
「ぐっ、すまんな。我がこのような状態で……」
少女はそっとドアから耳を放す。
クスリと笑みを浮かべて鼻歌交じりに歩き出した。
「魔界へよっうこっそ、にんげんさん。ふふ、あはははっ」
笑みを浮かべて少女は走りだす。
愉快、本当に愉快だ。
これから、人間と言う名の生物を初めて見る事が出来るのだから。
「朕が躾けてやろうぞ。くく、楽しみだ楽しみだ。待っていろ人間。この魔王の娘たる朕がっ、否、この次期魔王がお前を躾に行くぞぉぉぉっあはははははははっ」




