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各国の同盟事情3

 四つ目の国はレインフォレスト。

 森に囲まれた王国は木造建築の多い都市だった。

 城も所々木で作られているというか……これはむしろ琉球王国を模した姿の木製城だな。


 城の姿に圧倒されながら俺達はレインフォレストに入場し、会食の場へと連れて行かれる。

 レインフォレストは森に囲まれてはいるモノの、領地内に港を持っているため魚介類が豊富らしい。

 会食に出された海葡萄を興味深そうに見ているラオルゥ。アブラボウズだろうか、ユクリは蒸し焼きにされた全身丸ごと出されている魚に引くついた顔をしている。

 俺の前にはイセエビみたいなロブスターを蒸し焼きにしたものがある。

 食べたいのだけど、変身は解けないので泣く泣くユクリに喰わせておいた。

 あ、マイツミーア、それアブラボウズ……明日は、絶叫だな。


「我が国に伝わる宮廷料理だ。お口に合えばいいのだが」


「彼女達も喜んでいるらしい。豪勢すぎて圧倒されているよ」


「デザートには唐芙蓉を用意した。発酵させた豆腐を我が国特有の酒、泡盛などを使ったデザートだ。是非ご賞味あれ」


「あ、ああ」


 唐芙蓉か。好み分かれるんだよなアレ。四角い形の豆腐の発酵食品を爪楊枝で少しずつ食べて行くデザートだ。癖が強く臭いも強いので苦手な人にはかなり不評の食品になる。もちろん好きな人は好きなのだが。ちなみに大きさは角砂糖の小さい奴くらいの大きさだ。

 何故知ってるかといえば秘密結社に身を寄せた際に沖縄の怪人から土産に貰ったからだ。俺は苦手な部類の人間だったのでユクリとラオルゥに全部あげよう。多分臭いでマイツミーアには敬遠されるだろうし。


 そのまましばらく穏やかな会食を行う。

 沖縄系料理なのか、サラダにはドラゴンフルーツっぽいのが入っているし、ゴーヤチャンプルーやらニンジンシリシリなどが食事に出ていたが、野菜系は女性陣には好評だった。ゴーヤの苦さにはユクリが涙目になっていたが。


 あと、マイツミーアの気分が悪くなった。おそらく猫には毒になる食材が入っていたのだろう。回復魔法と解毒を行ってやるとしばらくしてトイレに向って行った。

 帰って来たマイツミーアはアブラボウズばかりを食べていた。魚料理以外は目もくれなくなってしまったのは余程野菜で体調を崩すのが嫌だったのだろう。


「さて、そろそろ、交渉と参りましょうか」


 全員が食べるのを止め、食事がメイド達により下げられた後で、俺達はようやく本題に入る。

 一応土産と俺が後で食べるために食事を包んで貰うことにした。

 流石にロブスターは外せんよ。


「ではこちらを。ネンフィアスとの交渉で全て通ったモノだ。下の方は他国特有の物と、他国では受け入れられなかったモノだな」


「ふむ。余程酷いものが来るかと覚悟しておりましたが普通の和平交渉のようですな」


 お、なんか結構好意的?


「我が国は昔勇者召喚により栄えた経緯がありますでな。日本人の常識などには理解ある方なのですよ」


 ああ、それでこの地が琉球王国化してるのか。

 沖縄の人だったのかなその勇者さん。


「へぇ、日本人の勇者がいたのか」


「うむ。我が国の英雄は二人の勇者。マタギの英雄と漁師の英雄という二つ名がついているのだが、残念ながら名前は失伝してしまっておるのですよ」


 残念そうに言うレインフォレスト国王。

 この城の手前に立っていた銅像がそいつらの人物像だろう。

 門前にシーサー、門奥に英雄像。なかなか面白い国だ。


「なんでまたレインフォレストなんて名の国に? 英雄がいたなら琉球とかの国になっててもおかしくなかった気がするんだが」


「元々昔からこの名前なのだよ。英雄の居た時期は名を変えるような動きはあったようだが、結局元の名前のままだ。ところで魔王よ。そこな女性たちはアブラボウズを大量に食していたようだが、その、アレの特性はご存じで?」


「ああ。明日の絶叫は気にしなくていい。知らなければ大問題になるだろうが、俺は理由を知ってるから安心してくれ」


「了解した。では、末永き和平を」


「うむ。我が魔国もレインフォレストとの永きに渡る和平を望む」


 最後に王同士硬く握手をして分かれる。

 レインフォレスト王はかなり話の合うおっさんだったな。

 毎回こういう国であれば良かったんだけどなぁ。まぁカーランみたいな国もあるんだし、覚悟はしてかないとな。


 次はメーレンだから弱腰外交にさせ過ぎないようにしないとな。

 レインフォレストを後にした俺達は一路メーレンへと馬車を向ける。

 途中、街の一つで宿を取り、休息を経てからメーレンへ。


 その宿屋で、三者三様の悲鳴が上がり、しばらくトイレに籠る女性陣が居たのだが、俺は最後まで奴等に理由を言う気は無い。

 ちなみに、アブラボウズは人体に吸収されない油を大量に保有しているため、食して大体次の日位に尻から油が体外放出されるそうだ。

 危険は無いのだが、身体に伝わる気持ち悪さは体験したモノにしか分からないらしい。

 しばらくはゆったりできそうなので、この機会にディアやギュンターと定期報告でもしておこう。

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