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魔王国会議1

 全国王会議から戻って来た俺は、今度は魔王領にて魔族会議を始めていた。

 ギュンターの隣に座り、逆隣りにユクリが座ってくる。若萌はギュンターの逆隣りに座っている。

 ユクリからは時計回りにディア、ラオルゥ、ルトラ、矢鵺歌、稀良螺、マイツミーア、ハゲテーラ、ペリカ、コルデラ、中央軍総司令官のスクアーレとなぜかムイムイがその隣に。


 なぜ自分が集められているのか良く分かっていないのは稀良螺とムイムイ。双方こんな重役会議に呼ばれる筈の無い人物なので戸惑いがハンパない。

 まぁ、捕虜と一般軍人だしなぁ。でもここにいるってことは何かしら必要なんだろう。若萌とギュンターが必要だと思ったから呼んだんだろうし。


 サイモン辺り来るかと思ったけど向こうも忙しいらしい。

 ルトラが戻って来てるからレベル上げ自体は一応小康状態になったかな。

 よし、じゃあ会議を始めるか。


「あの、私魔王軍じゃないんだけど? というか、捕虜なんだけど?」


「まぁ、そうなんだがな。稀良螺は稀良螺でこの会議に必要なんだ」


 俺の言葉にそう? と言いながらも露骨な警戒を見せる稀良螺。いや、取って食ったりする訳じゃないぞ。俺はそんな人道にもとるような悪はしないんだってば。

 誰も信用してくれないけどな。なんでだ? 日ごろの行いは決して悪くないはずだが……


「あ、あのにんげ……魔王陛下、私のような兵士こそ、会議には不要な気が……」


「ムイックルイーナ。発言の許可を出した覚えはないぞ?」


「あ、し、失礼しましたスクアーレ総指令官っ」


「ムイムイさんは私がお願いしたい事があるから来て貰ったのよ。一応すでにスクアーレさんには話してあるけど。あまり緊張せずにただぼぉっと話を聞いてくれてればいいわ。何なら寝ててくれてもいいのよ。話は最後の方だから」


「め、滅相もありません! 宰相殿っ」


 え? 若萌って宰相だったの!?

 まさかの新事実に俺が密かに驚いている内に、会議はギュンターにより開始されていた。


「まずは簡単に各員を紹介しよう。見知らぬものもいるだろうからな。まずは我、一応現在も表向き魔王として活動している。ギュンターだ。右から順に真魔王ジャスティスセイバー。我の事はギュンターと呼んでもよいが、セイバーを呼ぶ際は魔王陛下と呼んでほしい」


 いや、待ってギュンター。俺はセイバーでいいよ。魔王とかいいから。そういうのギュンターにまかせるから。


『認めちまえよ正義とか言っちゃってるなんちゃって魔王様』


 ぶっ殺すぞナビゲーター。


「隣は我が娘にしてセイバーの正妻ユクリティアッド」


 待って、ユクリはいつの間に妻の座確定しちゃったの!?

 若萌、どうなって……あ、あの野郎視線外しやがった。


「魔神のディアリッチオ様。ラオルゥ様、ルトラ様」


「むぅ、ギュンターよセイバーの正妻は我ではなかったのか」


 むぅっと唇を尖らすラオルゥさん。どうせ遊び感覚だろうお前は。お前が正妻とか絶対もてあそばれるだけだからな。ほら、ギュンターが苦笑いしてるだろ。変な事言ってんじゃねーよ。


「人族の勇者、矢鵺歌殿。それと別の国の勇者だが捕虜として魔族領にいる稀良螺殿」


 その言い方はどうなのギュンター。でもまぁ、スクアーレとムイムイには状況がなんとなく伝わったかな?


「魔王近衛騎士のマイツミーア、ハゲテーラ、ペリカ、コルデラ、ムイムイ」


 え? コルデラとムイムイっていつの間に近衛騎士になったの? というかハゲテーラさんもその扱いなのか。いや、若萌さん、その見事に女性ばっかりね。とかいう視線は止めてくださる?

 わざとじゃないんだよ?


「中央軍総司令官スクアーレ。彼から今回決まった会議内容が全軍に伝わることになる。それと最後に、宰相として補佐をして貰っている人族の勇者、若萌殿だ」


 これが今回の魔王会議の参加者である。


「まず、最初の議題だが、セイバー、国を回って来て気付いた事の報告を頼む。若萌殿は我等で行った魔王城での作業について。スクアーレからは軍の現状について。近況報告を頼もうか。まずはスクアーレ」


「はっ。中央指令軍の軍備ですが、ようやく統一式武装を全軍に行き渡らせることができました。次は最優先とされている南軍から統一武装に変えて行くつもりです。ただ、やはり職人の不足により補充速度に難が……」


「魔族の鍛冶師は優秀だが独自性を追求する癖があるからな……量産には向かんのだ。人族の鍛冶師を見習ってほしいモノだがな」


「でも、人族からすれば強力な武装を端金で売ってるって驚きがあるよね、ねぇ稀良螺さん」


「え? あ、はい。この前も矢鵺歌さんと武器屋見て来ましたけど、人族領の武装よりかなり高性能な武具がアイアンソード買えるくらいの値段で売ってるのには驚きました。思わず買っちゃいました」


 買ったのかよ。まぁいいけど。

 あ、わざわざ見せてくれるの? 余程お気に入りの武具なんだな。って、なんだその剣。透き通った刀身が七色に輝いてません? 持ち手の部分はダイアモンドかな? 中央に七色に輝く宝石を取り付けた蝙蝠羽型拳ガードがあって、柄には丸型の宝石。黄緑に輝く宝石のようだ。


「プリズムブリンガーだそうですよ。えへへ。こういうの欲しかったんですよねー」


「私も同じ人が作った弓が綺麗だったから思わず買ったの。鏃までプリズミックよ」


 観賞用にしかならなさそうだな。使うの勿体無い気がする。

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