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羽しまって!魔王様!  作者: 松本ゆきみ


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深夜の宝物庫、再戦

「主よ。今が良い」

「何が」

「夜は人目が少ない。出陣に向く」

「出陣って言うな。寝るの」


でも結局、外へ。


「5分だけだからね」

「承知。宝物庫で供物を少し」

「供物って言うな!」


夜のコンビニ。


自動ドアが開く。


「……勝手に開いた」

「もう慣れて」


店内は静か。


湯気の立つおでん。


魔王が固まる。


「……祭壇がある」

「おでん」


「温かき供物が並んでおる」

「供物じゃない!」


レジ。


ちゃぷん、と汁の音。


「儀式が始まった」

「普通の販売!」


チン。


「ぬっ!?」


羽バサッ。


「羽しまって!!」

「夜は音が鋭い」

「言い訳禁止!」


店を出る。


「はい帰る!」

「待て。“あいす”も買いたい」

「夜にアイス!?」

「陰陽が整う」

「厨二やめろ!」


帰宅。


おでんを一口。


魔王が静かに止まる。


「……染みておる」

「でしょ」


小さく言う。


「我の世界には、こういう温さは少なかった」

「……」

「だから主の都を、壊したくない」


少しだけ優しい沈黙。


「羽はしまう」

「今すぐしまって」


出てない。


珍しく完璧。


「えらいじゃん」


アイス袋。


パリッ。


「ぬっ」


バサァッ!!


「羽しまって!!魔王様!!!」

「……音が鋭い」

「また音のせいにした!!」

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