魂が映る板、動画通話
ピコン。
スマホに「友だち」。
「やばい……」
「友。良いことではないか」
「良くない!“顔”が出る!!」
着信。
今度はビデオ。
「うわ、動画通話……!」
「板の中から出てくるのか」
「出てこない!!映るだけ!!」
魔王が真顔。
「魂が写る術か」
「違う!!」
即、クローゼットを開ける。
「隠れて!」
「また衣装棚か」
「棚って言うな早く!!」
羽がガサッ。
「音立てない!」
「静かに畳んでおる」
「静かじゃない!」
通話オン。
「もしもし〜!」
「やっと出た!何してたの?」
「片付け!」
「後ろなんか黒い影動いた」
「カーテン!風!」
「室内で風?」
詰む。
クローゼットから小声。
「……は、はくしゅ」
(殺気)
「今の誰?」
「テレビ!!」
「部屋見せてよ〜」
「無理!!!」
「なんでw」
「散らかってて!」
中からまた小声。
「主よ、出て挨拶を」
「絶対ダメ!!」
「“主よ”って聞こえたけど」
「舞台のセリフ練習!!」
「急に?」
「急に!!」
数秒の沈黙。
「まあいいや。また今度遊ぼ」
通話終了。
主人公、崩れ落ちる。
「……寿命縮んだ……」
クローゼットが開く。
「主の交渉術、見事であった」
「交渉じゃない命がけ!」
魔王が楽しそうに言う。
「板の中の者と話すのは面白いな。次は我も」
「絶対ダメ!!」
ピコン。
「ぬっ」
羽バサッ。
「羽しまって!!!魔王様!!!」
「……努力しておる」
「努力の方向そこじゃない!!」




