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温泉は結界(ただし最高)
「人多い。絶対羽出さない」
「承知。羽は湯に浸す」
「浸すな」
旅館。
「神殿だ」
「言うな」
露天。
「湯が外にある」
「最高でしょ」
貸切風呂。
湯気が満ちる。
「……良い」
「でしょ」
「戦が溶ける」
「言い方!」
しばらく静か。
「主はここで、呼吸が楽になるな」
「……うん」
「我が原因だな」
「……まあ、そう」
「すまぬ」
「謝るの珍しい」
湯気の向こうで魔王が少し笑う。
「主が笑うなら、我はここにいる」
「ずるい言い方」
廊下から子どもの声。
「ぬっ」
バサッ。
「羽!!」
「湯気がある」
「シルエット出てる!!しまって!!」
湯の中で押し込む。
「収納!!」
「湯で押すな……」
静寂。
「……でもさ」
「うむ」
「こういう日があるなら、同居も悪くない」
「主が笑うなら、それで良い」
ブォォォ(ドライヤー)
「ぬっ」
バサッ。
「羽しまって!!魔王様!!」
「風が敵だ……!」
「敵じゃない!!」




