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羽しまって!魔王様!  作者: 松本ゆきみ


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1/18

魔王、コンビニに行きたがる


「出陣したいのだが」

「却下。羽しまって」


昼下がりのワンルーム。

窓辺で外を見ながら、魔王が当然みたいに言った。


角はフードで隠してる“つもり”。

羽はしまってる“つもり”。


なお、どっちも全然隠れてない。


「都の視察である。征服は……今日はせぬ」

「“今日は”が怖いんだってば!」


昨日は洗濯機を“封印装置”扱いして儀式を始めた前科がある。信用ゼロだ。


「我は学んだ。歯磨きも覚えたぞ」

「うん」

「“はぶらし”は口内の魔を祓う小剣」

「解釈が物騒」


胸を張る魔王。無駄にかっこいいのが腹立つ。


「ゆえに外も怖くはない」

「怖いのは外じゃなくて、あなたが外で目立つこと」


私は指さす。


「角」

「帽子で押さえれば」

「押さえるな」


「……ならば交換条件だ。“こんびに”なる宝物庫に行きたい」

「コンビニは宝物庫じゃない」


でも、少しだけ考える。

近所だし、昼だし、人も少ない。


……いけるか?


「条件付き。フード深め、角隠す、羽出さない、征服しない」

「④は余計である」

「余計じゃない。あなた魔王」


渋々うなずく魔王。


玄関で靴を履かせ、インターホンにビビって羽が半分出て、私は絶叫した。


「出た!!羽!!しまって!!」

「礼儀である」

「礼儀で広げるな!!」


なんとか畳ませ、エレベーターへ。


「この箱は罠か?」

「ただのエレベーター」

「雷を飼い慣らしておるのか……」

「電気ね」


いちいち感動しないで。羽出るから。


やっと一階。


自動ドアを前に、魔王が固まる。


「……扉が、勝手に開いた」

「自動ドア」

「自動が多すぎぬか、この都」


ウィーン。


扉が開く。


魔王の目が、きらきらした。


「……あれが、“宝物庫”か」


私はため息をつく。


「だからただのコンビニだってば」


――嫌な予感しかしない。



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