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お嬢様の中身は多分違う  作者: 此代野小和莉
第1章 お嬢様と執事
19/22

第18話 契約

お久しぶりです。



サフィル様とボスの話が一段落したところなので、そろそろこの森を出たい。


なんだかんだ言って今はパーティの途中でありVIPの来賓と、何より主役が居ないという一大事なのだ。

このまま戻らないとご当主様がマジで焦りだしそう。


だが、一介の執事ごときがそのVIP達に許可なく話しかけるのは無礼過ぎるのでここはお嬢様の威を借りさせてもらう事にする。


「…お嬢様お嬢様、そろそろ会場に戻らないとご当主様が心配で倒れてしまいます。

殿下達に帰る提案をして頂けないでしょうか?」

「!そうね、分かったわ…と言いたいところなんだけど、サフィル様とボスの契約をしてからじゃないと。次いつ会えるのか分からないし…」


それもそうだ。


「それでしたら、今すぐやってしまいましょう。

契約の結び方は私が分かりますのでまず、呪いを解いてください。解けても縁は残りますので遠慮なくやって大丈夫ですよ。」

「あら、そうなの?じゃあお願いするわ。

というか、私じゃなくて二人に言いなさいよ」

「私では身分差があり過ぎますのでお嬢様から言ってください。」

「あぁなるほど…分かったわ。」


そう言いお嬢様がサフィル様の方へ近づいて、彼とボスに話しかける。


「話が一段落した様なので、さっそく契約を結びませんか?」

「僕は構わないが…契約はどうやるんです?あんな提案しておいて申し訳無いですが、いまいち使い魔契約のやり方を知らないんです。」

『えっ!じゃあどうするつもりだったのよ???』


サフィル様の返しにボスが反応する。

確かに、次いつ会えるのか分からないのに契約を結ばずに帰るとなると、ヤツにとっては都合が悪いのか。

それに対しサフィル様が、


「1回限りの薄い縁での簡易契約ならやった事があるが本契約となるとまだやった事がなくて…

だから、弱い契約を結んでから後でしっかり本契約を結んでもらうつもりだったんだ。」


と彼の考えを教えてくれた。

確かにそれなら家に帰ってからでも契約できる。

だが手順が多くて面倒なので今やってしまっても問題ないだろう。

そう思い、お嬢様に目配せすると、こちらの意図が伝わってくれたのか提案をしてくれた。


「そうだったんですか。

でも、そこに居る私の専属執事がやり方を知っているとの事なので、今結んでしまいましょ!」


「そ、そうなんですか…じゃあ、お願いする。」

『お願いするわ!』






○◆○







「では、とりあえずヴォリア公爵令息の呪いを解いてしまいましょう。

多分、かけた本人なら解き方も分かるはずなので。」


殿下とサフィル様の許可を得て、彼とボスの契約をする事になった。

今まで何度か使い魔契約の契約を結ぶ役をしたことがあるのでやり方は大丈夫だ。


なのでまずは呪いを解かせるためにボスを自由にしなければいけない。

正直、さっきまで敵意マシマシのヤツを野放しにしたくないので、お嬢様に念の為許可をとる。


「これからこのボスの動きを解放しますが、もしお嬢様達に危害を加える素振りがあれば即座に殺処分するつもりですが、いいですね?」

「いいですねって…まぁ、分かったわ。多分大丈夫だし、それは仕方ないから…」

『ちょっと、なんか失礼なこと言ってなぁい???』


許可が出たのでボスの動きを解放した。


「はい、これで動けるのでさっさと呪いを解いてください。」

『なんかアナタに命令されるの、すごくイヤだわ。

…えぇと、呪いを解けばいいのよね…

放出(リリース)(レベル・)(ミドル)ーー充填(フィリング)主魔獣特権(ボス・プリビレージ)ーーー《解呪・盲目呪ディスペル・キャンシー》』


呪文を唱えた瞬間、サフィル様の身体から黒い霧のようなものが放出される。

おそらく、あれが呪いなのだろう。

呪文から察するに、ボス固有の魔法により呪いをかけていたのか。確かに、風属性だけでは到底使えなそうな呪いだし、この領域に合っている特性をしている。


「…解けた、のか……?」

『えぇ、しっかり解いたわよ???

今まで、ごめんなさい。これで大丈夫よね。』

「あぁ…ありがとう…!」


二人で感動の瞬間をやっているが早く帰りたいのでさっさと次のステップに進む。


「では、契約に入りますね。まず、ヴォリア公爵令息は」

「長いので、今は名前で呼んでくれ」

「承知しました…サフィル様はどのような契約条件をご希望ですか?

たとえば、使い魔契約の中に先程仰った人に危害を加えないという条件で、ペナルティに契約の破棄などもできますよ。」

「なるほど…なら、僕からの条件は

・人に危害を加えない

・こちらからの呼び出しには緊急時以外なるべく応える

の二点くらいだな。ペナルティは契約の破棄でお願いしたい。」

「承知致しました。ではこの内容で…」

『待って!アタシからも一つだけ条件を付けさせて!』


ちっ、バレた。このままサフィル様からの条件のみで契約しようと思ったのに。

魔獣からの条件は大抵ろくなもんじゃないのだ。

でも聞かないと契約に不備が起こるので仕方ない。


「えぇ、分かりました。ではどのような条件に致しますか?」

『…たまにで良いから、アタシと二人でデートする事。』

「デート、ですか。」

『そうよ。サフィルがさっき言ってくれた、色んな所を一緒に見るっていうの。

もちろん、サフィルが嘘をついたとは思ってないわ???

でも、しっかりと証を残したいの。私のために、一緒にお出かけして欲しいわ。』

「なるほど、ではそれも追加しておきますね。ペナルティは契約の破棄で宜しいでしょうか?」

『えぇ、構わないわ』


思ったよりまともな条件だと思った。

なのでそのまま契約の条件を見直し、二人にも確認してもらう。


「では、これよりサフィル・ヴォリアと映らずの森(アンリフォレスト)主魔獣(ボスモンスター)の使い魔契約を開始致します。」


まずは宣言。

使い魔契約は文書ではなく、陣で結ぶので明確に対象を定める必要があるのだ。


そのまま三つ陣を描き、うち二つはサフィル様とボスそれぞれの前に移動させる。


残った一つの陣をこちらで操作し、契約の条件やペナルティを書き加える。


「その陣に魔力を流してください。

契約内容が間違っていなければ抵抗なく流れるはずです。」

「分かった。」

『分かったわ。』


返事の後、二人が陣に魔力を流し入れ始める。魔力は人によって違うので宣言した名とのすり合わせや契約者の登録として機能するのだ。


使い魔契約の登録をもとからあった陣に書き加え、魔力を流し終わって色が二人の魔力の色に変わった陣をまた手元に戻し、三つの陣を弄ってひとつの陣に統合…よし。

魔法陣か完成した瞬間、ひとつになった陣が強く光を放つ。

放たれた光はそのままサフィル様とボスに吸い込まれていった。


呆気にとられたかのような二人に、最後の宣言をする。


「…ではこれにて、サフィル・ヴォリアと映らずの森(アンリフォレスト)主魔獣(ボスモンスター)の使い魔契約を完了と致します。」

5月の更新は今回と、20日〜くらいに一回する予定です。

気分がノってればもう一回くらい更新するかも知れなくもないです。

それでは。

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