表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢様の中身は多分違う  作者: 此代野小和莉
第1章 お嬢様と執事
16/22

第15話 どうして


「!シティー!それは本当か!?」

「っえっえぇ、多分、だけど…」


思った以上にアルが食い付き、少しのけ反りながら頷く。


「本当ですか!?ガーデナー嬢!

…して、それはどんなーー」

『ちょっと!

アタシ抜きで楽しそうなお話しないで!』


そんなセリフと共にまた風属性の魔法がバンバン飛んでくる…が、それは全て下位(ローレベル)のものだ。


「シティー!

どんなのかは後で教えてくれればいい!

今私は何をすればいい!?」


飛んできた魔法を自分の魔法で相殺しながらあるがこちらに話しかける。


「!えっと!アルはそのまま攻撃を続けて!

なるべく()()()()()()()で!」

「分かった!

放出(リリース)(レベル・)(ロー)ーー充填(フィリング)火属性(ファイア)ーーー《火弾(ファイアボール)》《火矢(ファイアアロー)》!」


そう言うとアルがまた攻撃魔法を発動するーーって二重展開!?


「すっごい…」

「そうです!殿下は凄いんです!…じゃなくて、僕は何か出来ることはありますか?」


うーんそうね…アルはどんな条件か分からないのだからサフィルには話してサポートしてもらった方がいいかもしれない。


「…サフィル様には発動条件を教えておくので、アルのサポートをお願いします。」

「分かった。」

「あくまでも私の予想ですけど…多分、あの魔法は三属性以上の攻撃がないと発動出来ないんだと思います。それか三人からの攻撃。」

「!なるほど…

だったら、僕は地属性も持っているからそっちをメインに戦うことにする。

ただ、花園(ガーデナー)公爵家の貴女には敵わないから、攻撃は任せても?」

「えぇ!分かったわ!」


そう言われ、また攻撃を再開する。

アルの打つ攻撃の邪魔にならないよう、(ボール)(アロー)の間を上手く抜けられるように撃つ…難しいっ!


なかなか思ったところに飛んでいかず苦労しながら魔法を撃つ。


とりあえず、三人からの攻撃なのか、三属性なのかをはっきりさせたい。


よし。


「アルの魔法に合わせて、《土球(ソイルボール)》を撃つわ!

サフィル様はそれと同時に《地壁(アースウォール)》をボスの足元に出してください!

空を飛ばれたら上から叩き落とすように《地壁(アースウォール)》を出すので、そこを狙って!!」


「!分かりました、()()扱いでいいですか?」

「えぇ!」


良かった、サフィルが察してくれて。

ならば…!


アルが両手に貼っている魔法陣から打ち出される魔法を見て…今っ!!


放出(リリース)(レベル・)(ロー)ーー充填(フィリング)地属性(アース)ーーー《土球(ソイルボール)》!」


『ぶっ!』


「ボスは空中…なら、

放出(リリース)(レベル・)(ロー)ーー充填(フィリング)地属性(アース)ーーー《地壁(アースウォール)》」


ドガァァァッッッ!!!!


私の魔法がボスの丁度顔面に当たり怯んだ所にサフィルが《地壁(アースウォール)》の陣をを空中に作り出す。

結構難しい筈なのに簡単にやっているところを見て、思わずさすがは攻略対象者!と考えてしまう。


『うぅっ!

どうして!サフィル???

なんでこんな酷いことするの???』


壁に押し潰されて苦しそうにするボスがサフィルに問いただす。

アルがボスの発言にわなわなと身体を震わせる。


…あの中位(ミドルレベル)魔法は撃ってこない。


「酷いこと…?

お前の方がずっと!ずっと、ずっと!酷い事をしたじゃないか!!!!!」

『アナタに聞いてないわ!!

それに、アタシは酷いコトなんてしてないでしょ???

なのにこんな仕打ち…酷いわ!!!』

「貴様の身勝手でどれだけサフィルが傷付いたと思う!?

なに被害者ぶっているんだ!?」

「あ、アル…」

「いいよ、シティー、私が話す。」

「で、も…」

「殿下!いいです!これは僕の問題ですから…」


まるで自分だけが痛めつけられたかのように振る舞うボスにアルが怒りをぶつける。


それもそうだろう。


大事な従者を傷付けられたのだから。

それに多分、知らずにいてしまった自分のこともアルは責めてしまっているんだろう。彼は優しいから。


ちょっと空回りしたり、間違えてしまうこともあるけれど、誰よりも周りの人を考えて気遣える人なのだ。



『…ふーん。

いいわね。アナタ達は。

アタシはサフィルと一緒のものを見たいって願っただけなのに。

アナタ達はもっと色んなことが出来るんでしょ???


ずるいわ、ずるいわ。』


諦めた、のかしら?


そう思うほど淡々とボスが話し出す。


『…どうせ、アタシの願いが叶わないんなら…』

「…?」


「…?シティー、念の為下がって。」

「えっ、えぇ」


アルにそう言われ、一歩後ろに下がるーーーーッ!


その瞬間、ボスが壁を押し退け私に向かって飛び出してくる。まだそんな力があったなんて…!


上半身へ、鉤爪に掴まれたような衝撃…

それと同時にさっき感じたような気持ちの悪い浮遊感が身を襲う。


放出(リリース)(レベル・)(ミドル)ーー充填(フィリング)風属性(ウィンド)ーーー《標識転移(マークトランファ)》』



「!?シティー!!!!」

「ガーデナー嬢!?」



遠くで焦った様なアルとサフィルの声が聞こえる。



まずい、どうしよう、アル達とはぐれてこのまま死んでしまうかもーーーーー


その時。

首にかけたネックレスが視界に映る。

透明なビー玉のようなものが一つだけ付いたデザインの、シンプルなネックレスだ。


ーーーー『お嬢様、もし、本当に緊急事態が起こったら、()()を握って私を呼んでください』



…流石に今は緊急事態といえるよね。



そう思い、ネックレスを握って()の名前を呼ぼうとして………




()()()()()()




あ、れ、あれ、あれ、



彼について、何も思い出せない。



どんな顔をしていた?

どんな声だった?さっき思い出したセリフはどんな声でいわれた?

髪は?長かった?何色だった?

目は?口は?


名前は?


分からない。分からない!?


「どぉして…?」




貴方は一体誰なの?




























転移魔法陣が発動し浮遊感の後、開けた視界に大きな真っ黒の三つ編みが踊る。



「おや、(オーガ)でも(サーペント)でも無く可愛い小鳥さんでしたか。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ