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お嬢様の中身は多分違う  作者: 此代野小和莉
第1章 お嬢様と執事
12/22

第11話 転移


『そういえばご当主様、

どうして午後はお嬢様と別行動にしたんですか?』


サフィル様の誕生日パーティに参加することが決まったあと、当日の流れについて話していた時に、気になったことを聞いた。普段ならお嬢様とずっと一緒に居るだろうに、どういう心境の変化だと思ったのだ。


『ん〜?

いや、シティーは今俺達二人から疑われている状況だろう?

もしかしたら、息が詰まると感じているかもと思ってな。

そうでなくともせっかくのパーティで親とずっと一緒というのも可哀想だ。

だから少しくらい別行動でリラックスさせてあげてもいいかなってな』

『なるほど…貴方、お嬢様の事を離れて見守るとか出来たんですね』

『どういう意味だ、それ?』

『いえ、別に』


てっきり、アフタヌーンドレスが尊すぎて近づけないからとか言うんじゃないかと期待していたが、そんなことは無かった。


『まぁいいや。

…それで、他になにか質問はあるか?』

『いえ、特に。

…では、私そろそろ帰りますね』


打ち合わせも済み、キリもいいので帰ろうかと思いご当主様に向き直る。


『あっ、ちょっと待った!

これとは話が変わるが、最近、ガーデナー家に関する噂が立っていてな。』

『…噂?』


なんだろうか、まだ聞いたことがない。


『なんでも、《花園憑きの異物(ガーデンレリクス)》という物が、ガーデナー家で悪さしてるって言う噂だ。』

『…』


なんとまぁ、意地が悪い噂だ。


『んで、その噂の出処を探っておいて欲しい。

給仕達の噂で広まったらしいが、言い出しっぺを見つけておきたい。

頼めるか?』

『…えぇ、分かりました。

見つけ次第、お知らせします。

それでは。』

『あぁ、ありがとう』


さて、厄介な仕事がまた一つ増えたようだ。





◆○◆





午後。お嬢様と別れたあと更衣室で服を着替え、またパーティ会場へと戻ってきた。


「ふぎぎぎぎぎ!」


隣で栄えある五公が一柱、ガーデナー家当主有るまじき顔をしているこのお方の視線の先は現在、彼の娘の婚約者であるアルフレッド王太子殿下へと注がれている。


「…ご当主様…この間あんなにカッコよく私に

『少しくらい別行動でリラックスさせてあげてもいいかなってな』って言ってた癖に、どうしたんですかこのザマは?」

「ふぎぎぎ…いや!だって!殿下居ると思わないじゃん!!!「そりゃ居ますよ主役の未来の主ですから」クソォ知ってる!!」


うわぁ…

この間は感心したのにこれはちょっと…


「おい!その顔ヤメロ!

てかさっきこのザマって言った?」

「言いました」

「ダメじゃん、俺、一応今のお前の主人よ?」

「いやぁ、はは」


うざい。

ウザさMAXだ。

そろそろもう嫌なのでぶつくさ言っているご当主様の視界に殿下が映らなくなるよう、強制的に別の場所に移動させる。

お嬢様達は今ホールに居るから、さっさと庭に出てって何かショーでも観て時間を潰そう。

そう考え、ご当主様を引き摺りながら会場内を移動する。


「痛い痛い、分かったから、離してくれ!」


途中でご当主様がそう訴えたのでパッと手を離す。


「はぁ〜、酷い目に合った!」

「ご当主様見てください、庭の東側でオーケストラが来ているらしいですよ!」

「話聞けよ」






◆○◆







結局、オーケストラを観に行く事にしたので見ながら摘めるお菓子と飲み物を探しに行く。


ご当主様と共にお菓子やドリンクなどが置いてあるコーナーへ向かいお菓子を見ていると、見知った顔が慌てて水を手に取り、走っていくのが見えた。まずい、避けたつもりが同じ方向に来ていたか?


「ご当主様、あれ…」

「ん?

…アレ、エリサか?

随分慌てて居るようだがなにかーーッ!!」



急激な魔力の高まり、魔法?発生地点は、一体誰が、



少し焦りながらご当主様の方に振り返る。


「ご当主様!大丈夫ですか!?」

「あぁ、俺を対象とした魔法ではなかったみたいだな。

…というかこの魔法、多分効果が転移だ。それも一方的に呼び寄せるタイプの。

隠蔽もかなりの練度でされているし、一体誰が…」


言われてみれば、周囲で気付いた人はあまりいないようだ。

ご当主様が感知出来たのはおそらく、この魔法が地面を通して発動したからだろう。流石は地属性を専門にするガーデナー家当主と言った所か。


「えぇ。多分、魔法自体は発動しているでしょう。

念の為確認しておいた方がよろしいかと。」


とりあえず魔法が発動したと思われる地点を探って移動する。

そこにはお嬢様に付けたメイドであるエリサがいた。

…まさか、


「あ、あれ、お嬢様?

おかしいな、さっきまでここにいたのに…って、わぁ!給仕長!?どうしたんですか?」

「…エリサ、お嬢様達は?」

「それが居なくなっちゃったんですよ、さっきまでこここにいたのに。」


エリサに確認していると、少し離れて痕跡を見ていたご当主様が近寄り話し出す。


「…魔法の発動地点はここで間違いない。

少し調べて見たが、多分さっきも言ったように効果は転移で間違いない。」


それはつまり、


「やられた。

見た感じだと三人、この魔法の発動に巻き込まれている。エリサ、シティーと一緒に誰がいた?」

「えっと、殿下とサフィル様と私です。サフィル様の体調が優れないようだったので私がお水を取りに行ってたんです…申し訳ございません…」

「…そうか。大丈夫だ。」










どうやらお嬢様達がどこかに消えてしまったようだ。

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