表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

プロローグ

初めまして

本編は二話目からなので、今回は世界観の説明となります。

小説の投稿は初めてなので拙い所も多くあるでしょうが、どうか、お付き合いくださると嬉しいです。





 繰り返しの毎日。

働いて食べて寝て、働いて食べて寝て。

安いアパートは寂しく私を待ち続けている。


ある日、とあるゲームをしてみた。


貯めるだけで使わなかった貯金をはたいて、今の若い人たちの間で流行の"乙女ゲーム"とやらを買った。


「"聖女と恋のユグドラシル"……」


ふざけた名前だと思ったが、いざプレイしてみるとなかなかに面白く、思わず課金までしてしまった。


内容は、どこかで見たような剣と魔法の異世界が舞台の学園ラブロマンスものだった。しかし、攻略対象者が豊富だったり、戦闘パートが初心者の私でもできるくらいの難易度でサクサク楽しめた。


「いいなぁ……」


人生で一度も良い人に出会えずに、この歳まで独り身の私とモテモテなゲームの主人公はあまりにもかけ離れていた。

まだ死ぬつもりは無いけれど、もしも来世というものがあるのなら

「この子みたいになりたいなぁ」





なんて、思っていたのがいけなかったのだろうか。



◆○◆



景色がブレる。

私は誰だろうか?

ここは何処だろうか?


「……はっ!……はっ、はっ、は」


「お嬢様!?体調は大丈夫ですか!?」


誰だろう、見たことがある気がする。

そんな訳ない。

自問自答をしているうちに体調を気遣ってくれたメイドが慌ただしく部屋を出ていく。


「シティー!大丈夫か!?」

「お父様?」


咄嗟に出た言葉に自分で驚く。

私の父はこんな人では無い。私がお父様と呼んだ人物とは明らかに別人だ。


混乱する私をよそに部屋にバタバタと人が入ってきて甲斐甲斐しく私の世話をする。

 ぐるりと部屋を見渡して、間違いなくアパートでは無いと思いながら、大きな鏡の中に写った自分の姿を認識した直後、頭をがんと殴られたような衝撃があった。


「悪役令嬢、シティア・ガーデナー……!?」


目の前で起きた事象を理解しきれず脳がショートしたのだろうか?

私はそのまま気絶してしまった。



◆○◆



「…あさ、」


二度目の起床は次の日の早朝だったらしい。

昨日はいたメイドも部屋にはいない。

丁度いい、と思い今の状況を確認する。


私は日本人のOLだった。

会社から帰って来る途中で突然衝撃が体を貫き、目が覚めたらここにいた。恐らく、車にでも轢かれたのだろう。

つまり死んだのだろうか?……親不孝者だな、私は。


……話が逸れた。

そして、先程からずっと、鏡の中からこちらを見つめている女性は前世でプレイしていたゲーム"聖女と恋のユグドラシル"に登場する悪役令嬢、シティア・ガーデナーの姿をしている。


彼女は悪役令嬢の名の通り、性格が悪い・愛想が悪い・傲慢etc…の最悪ガールだ。

そして、どのエンドでも断罪されて国外追放や死刑、闇堕ち等の様々な最期を迎える。



そして私はそんな彼女になってしまった。


……えっ、どうしよう……??


死んだとわかった直後にまた死ぬと知るのは相当きつい。

残りの余生くらいは穏やかに生きようかな……あれ?私今いくつだ?


15歳…!


ゲームの舞台は日本でいう高校だ、そして断罪は3年生の冬だったはず。という事は


「私、このまま生きられるかも…!」


残りの二年間と少し、目立たず、慎ましく、品行方正に生きて態度を改め主人公に近づかなければ、高校卒業後の人生があるかもしれない。


「よォし!死なないために、頑張るぞー!!!オー「ガチャッ。 お嬢様!?」ー!」


……気まずい



◆○◆



今世紀最大の決意の日から三日経った。

どうやら私は高熱を出し、学校を休んでいたらしい。

起きたと思ったら突然娘がぶっ倒れてお父様は大変テンパったらしい。

決意の日の午後にはもうすっかり元気になっていたが、大事をとって数日休ませてもらった。


その間にわかったこともある。


ゲームでは、シティアはメイン攻略対象である王太子の婚約者の公爵令嬢としか情報がなかった。

この世界でシティアは公爵令嬢として貴族の学校である"王立カルテリア学園"に通っている。

そこで男爵令嬢の主人公は高等部に途中から入学するが、シティアはいわゆる中学生の頃から通っていた。


シティアの記憶は昨日くらいまでは意識すると思い出せる感じだったが、今では違和感なく馴染んでいる。

シティアに馴染んでいるのだろうか。


幸い、シティアはある程度知識やマナーを憶えていたので違和感なく三日間を過ごせた……と思う。


そして今日はついに学校へ登校する日だ。


「シティア、気をつけて行ってくるんだよ」

「はい、行って参ります」


お父様はかなり心配性のようでことある事に私を気にかけてくれた。シティアは愛されているんだろう。だから我儘になったとも言えるけれど。















とにかく、こうして私は新たなる第一歩を踏み出したのだ。

重ね重ねすみません。

次の話からが本編になります。

ストーリー内で今回の話から時間が飛びますが、ご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ