袖ケ浦 アッグガイが痴漢を犯したら
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もし、袖ケ浦家にアッグガイが生まれたら。我が家に待望の長男、アッグガイは生まれたとしよう。お産の際こそ母親は、アッグガイの巨体、とりわけあの馬鹿でかい頭部のトンガリや、片腕それぞれ二本ずつ、計四本のミミズ状の電磁鞭型の打突兵器、ヒート・ロッドの部分を、産道から膣孔の狭まりを通過させるのに難渋しはしたものの、決して安産だとは言えなかったものの、なんとか無事、出産を果たしたのである。 そして、時はあっという間に過ぎ去り、袖ケ浦アッグガイも高校3年生になった頃の出来事であった。卒業、袖ケ浦アッグガイも、翌年の進学を控えて、本来なら親子ともどもぴりぴりと神経質になる時期な筈なのであった。 と、父親であるわたしのもとに、予期せぬ連絡が入るのである。それも警察の少年犯罪課とかいう部署からだという。警官であるという彼が言うには、何でも、アッグガイが学校からの帰り道の電車の車内で、他校の女子高生に対して痴漢行為を働いた為に、通報された上、駆けつけた警官の手によって現行犯逮捕、勾留されたらしいのだ。わたしとしては、突然の出来事にとてつもなくおどろきつつも、着の身着の儘で、警察の留置場へと向かうしかなかったのである。わたしは、愛すべき我が子、アッグガイの顔を見るなり周囲飲眼も顧みずに、 「おい、お前!こんなところで何を油を売っているというのだ?勉強はどえした勉強は!?お前は受験を控えた高校生だ。肝心なのはそれだ!こんなおところにいていい筈はないのだぞ!あ!?」と、怒鳴りつけたのでである。と、アッグガイはといえば、思春期の男の子らしくシラバッくレを決め込んで反発しようとするのであった。「へん!知らないね。俺が何をしたかって?とんと思い当たる節が御座居ませんねえ。なんの事を仰っているので!?」「何?この期に及んでしらを切る気か?アッグガイ。そんな不誠実な息子に育てた覚えなどないのだぞ!おい!正直に言いなさい!お前は自分で何をやったか、憶えているか!?憶えてないとなど言わせはしないのだぞ!さぁ、自分の口で言ってみなさい!」胸倉に掴みかかりながら唾をとばした。さらに説教を続ける。ぶらぶらと落ち着き無く揺れている彼のヒート・ロッドをがし、と掴み上げ、捻り上げるながら、声を荒らげた。「さぁ!言ってみろ!アッグガイ!どっちの手で触ったんだ?え?言うつもりがないのなら、このヒート・ロッドら焼き切ってやろうか、え?二度とは使えんようにな!」わたしの剣幕があまりに非常なものだから、警官が慌てて駆け寄って来て、わたしと息子を引き剝がすような形で制止した。しかし、アッグガイの口は達者だ。「手っつーのかよ。これはよ!どっちかというと鞭じゃねぇか!手じゃねえよ!この親父は、俺をこんな風に生みやがって!何のつもりなんだよ!」などと、不敬にも、一人前にも(一モビルスーツ前にも?)たてつくので、わたしは烈しく叱咤せざるを得ない。「てめえなんざ、俺の息子でも何でもねえや!うち、出てくか!?ああ?」もはや、サクラマ・チョータローのお父さんばりの時代錯誤の暴言である。と、アッグガイも本格的に自棄を起こし、キレる。 「こんなんじゃ御尻を触った気にもならなかったぜ!何しろただの鞭なんどからよ。違うか!?」彼が怒鳴り散らしたと同時、であった。 閃光、であった。一瞬、視界のすべてが真っ白く輝いたのである。手の先から、腕、背骨を伝って頭の天辺にまで高圧電流が駆け上がったのだ。 ビクン、と鳴りながら、背骨が弓のように反り返った。 わたしの意識はすぅ、と遠のいていった。 視界がブラック・アウトした。
アッグガイの電撃の鞭によって電気ショックを喰らわされたようだ。その後のことはまったく記憶にない。 なんなんだ一体?何なのだこの御話は?これは、結末か?結末なのか?なんなんだろう?不完全燃焼というのか。なんなんだ?これでいいのか? 取り敢えず、アッグガイとはこれ程までに強力なキャラという事。
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