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もう一度失う  作者: 雨上がり
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二十八宿目の尋問の朝

二十六聖人を剎華に任せて、光兎と夢瞬は晴明神社に入った。

「ここに入れたら安心だね。」

「光兎!油断はダメ!」

「そうじゃない…」

光兎は微笑んで、夢瞬の頭を軽く叩いた。

「神社では戦えない。」

「…!そうなのか。」


「剎華は大丈夫かな…?」

「心配?」

「北斗七星の実力よくわからないし、剎華の安全も心配だよ。」

「知名度が高い星だと、大抵力持ちだと思うよ。」

「そう?」

「だって、神々は人々の想像で生きているんだから。」

「…!光兎。」

「ああ、どうやら、また敵だね。」

光兎と夢瞬は立ち止まって、目の前にいる人たちを睨む。


「初めまして、藤原光兎と安倍夢瞬。」

その中、一人の少女が口を出した。

「私たちは二十八宿、そして私は角宿一スピカ、よろしく。」

「よろしく…」

「さて、本題に入ろう。二人とも、諦めてもらえないかしら?」

「待って!光兎は関係ない。これは私の決断だ!」

「じゃあ安倍さん、これ以上計画を進まないでくれる?」

「どうして?」

「…君だけならともかく、十二天将のことを考えてあげたの?」

「…どうしてここで天将の名前が出るの!」

スピカに対抗している夢瞬は、明らかに動揺していた。


「私たち二十八宿は、四人の導きで、七人ずつの組ができた。

「その四人が、十二天将の四神なんだ。」

四神、それは四季と四方の世話をしている青龍、玄武、朱雀、そして白虎のこと。

「安倍永望の仕業は知っているよ?彼女のおかげで、四神たち忙しくて忙しくて。

「そして安倍永望が死んだ。彼らもやっと解放された。

「と思ったら、今度は君だ。」

スピカは冷たく語る。

「安倍家とか知らないし、安倍永望の冤罪とかもわからないけど、彼らには関係ないじゃん?」


夢瞬はうつむいて、何も言い返せなかった。

スピカが言っていることが正しいと、夢瞬自身もよくわかっている。

だからこそ、十二天将に解散命令を。

しかし、たくさん迷惑をかけたのに、反省しているって一言で片付けようとするなんて、夢瞬自身ですら納得できない。

「ごめん。」

光兎は急に声を出した。

「これは安倍家と安倍夢瞬、安倍永望様、そして十二天将たちと、あなたたちの問題だとわかっています。僕には、口を出す余地などありません。

「しかし、黙ってさっきの話を聞くなんて、悪いけどできません。

「さっきの言葉、撤回してくれませんか?」


永望を失った夢瞬は、いつもと違うように見えた。

それは、いつも夢瞬の側にいる光兎からは、明らかな事実だった。

しかし、共鳴はできなかった。

「僕には、親の温もりとかはなかったので、正直、家族があってもいなくても構わないと思いました。

「だから、母親を失ったことで、そんなに変われるなんて、僕には理解できませんでした。

「しかし、例え共鳴できなくても、それは寂しくて苦しいことくらいはわかります。

「安倍様が死んでよかったのように言わないてもらえませんか?」


「光兎…!」

夢瞬は微笑んで、光兎の側に戻った。

「君の言う通り、私たち安倍家は十二天将たちにたくさんの迷惑をかけました。

「二十八宿の君たちがそう考えても仕方ない。

「しかし、この答えは、十二天将がいてもいなくても、やり遂げる答え。

「この返事で、納得できるか?」


「悪いけど、俺たちは納得できない。」

スピカは驚きながら振り向いたが、後ろにいる二十六人も戸惑っていた。

彼らの声じゃない。

「その声は…!」

「夢瞬さん、それじゃまるで、俺たちがいなくてもいいみたいじゃない。薄情だな。」

「…!」

夢瞬の後ろに現れたのが、同時に十二天将と二十八宿に所属している四神だった。


「どうして…!」

「あなたの命令通り、ちゃんと考えたんだよ。」

玄武は明るく笑った。

「あなたについていくかどうか、あなたを助けるかどうか、全部自分で決めていいんだよね?」

「うん…」

「そして、これが我々の答え。」

青龍も冷たく語っていた。

「それはつまり…!」

「二十八宿。俺たち四神は安倍夢瞬さまの式神になると決めたんだ。心配させたみたいだな。」

「待ってください!青龍さま!」

「スピカ、君にも大事な人がいるはずだろう?だったら、わかってくれるはず。」

「わかるはずが…!」

スピカは青龍を見つめる。

「私、絶対に譲りません!」

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