二十七星目の消失の夜
玉衡の剣が一人の体を貫いたと同時に、木星の刀ももう一人の背中に十字の傷を刻んだ。
しかし、彼女たちの後ろにいる三人目の敵は、すでに霊力を発射した。
「…!」
「ごめん!六姉さん!」
軽くて薄い剣で、三人目の聖人を仕留めたのが、翡翠な色を持つ鳥のように、鮮やかで敏捷な六つ目の昴、アルキオネ。
「気にしないで。他の人をサポートしてね。」
火星が、一人の聖人を天璣のところに投げ、そして天璣が刀で一気に切る。
そのとき、天璣に囁く声が急に現れた。
「この人は危ない、けど、右腕が狙えるところ。」
天璣は迷わずにその右腕に刀を刺し、大きいダメージを与えた。
「危なかった…でも、腰も狙えるかも。」
声を聞こえた火星も、迷わず聖人の腰を蹴った。
「五姉さん!」
火星と天璣は同時に、目の前に現れ少女、五つ目の昴、メローペを呼んだ。
「そうだけど…?」
「もう、知っているなら自分でやりなさい。」
「私がやったらミスするかも…」
「あと二人です。」
「そうだね。揺光、その腕の傷は大丈夫?」
「少し違和感があります。そっちは?」
「太ももが一本食らっただけで、大丈夫さ」
金星は笑ったが、顔の余裕さがなくなった。
「強がりはよくない。」
急に現れた女性はふっと笑い、残った二人の聖人を一気に倒した。
「…!」「すごい…!」
「恐縮です。むしろ、待たせてごめんね。」
その、母性な輝きを身に纏う女性こそが、昴星たちの母。
「…!開陽!天王星!」
「四姉さん!?」
開陽と天王星は同時に、後ろにいる四つ目の昴、マイアの方を見る。
「もう!助けに来たのに、先に解決しちゃってどうする!」
マイアは不満な顔をしながら、二人の頭を優しく撫でていた。
「お疲れ様。」
一方、天枢と地球はすでに三人の敵を倒した。
そのせいか、助けに行った三つ目の昴、アステローペも不満そうに見えた。
「三姉さん、怒らないで…!」
「天枢!北斗の一番目とはいえ、そこまで頑張らなくてもいいんじゃない?」
「はい…」
「それと地球も!優勢だからって全力なの?私の立場も考えてよ!」
「ごめん…」
アステローペは二人を一発ずつ殴ったあとに、剎華の目の前に来た。
「土御門剎華さま、プレアデスも助けに参りました。」
「ありがとうございます…!しかしなぜ?」
「詳しいことは知らされていません。主から依頼を受けたのは、私たちの父ですから。」
天璇と海王星は、周密な計画で、三人の聖人を一網打尽。
しかし、四人目の聖人がこっちに飛んできた。
「…!天璇!」
「わかってる。」
二人はすぐ回避し、そしてその聖人の向かうところには、一人がそこの立っていた。
まるで暗闇のようなその女の子は、正面から聖人を
受けたにも関わらず、怪我ひとつできなかった上、聖人の方が力を失ってしまった。
「七ちゃん!」
「お二人とも、無事でしたか。」
「ごめん!」
遠くから駆けつけてきたのが、さっき聖人を吹っ飛ばした二つ目の昴、タイゲタ。
「二姉さん!」
「ごめんごめん、スイーツ奢るから許して。」
「ここに来てくれたということは、そちらの天権さんと冥王星さん、もう無事でしたか?」
「そう、無事完了。」
「輔星の二人。」
「水星?」
水星は、木上に立っているあの二人を指差す。
「…!あの二人は!」
「土星と話したんですけど、あの二人に任せましょうか。」
水星が話した瞬間に、木上に立っているその男性と女性は速やかに地面につき、三人の敵を追い詰めた。
「父上、そちらの四人の説明は任せてください。土御門さまへの説明はお願いします。」
「わかった。そっちは頼む。」
父を見送ったあと、その女性は四人の目の前に来た。
「皆さん無事でしたか?これで、二十六聖人すべて片付けましたね。」
「土御門さま、戦闘に勝手に手を出して、申し訳ありません。」
「いいえ、むしろ助かりました。」
「土御門さまご安心を。我々はただ、主の命に従って動いているだけです。」
「その主の名前を伺っても?」
「はい。我々プレアデスの主は、藤原さんです。」
「藤原家の人…!」
「土御門さまは光兎さまのお友達ですよね?我々は彼のいとこの式神です。」
「…!光兎のいとこさん!でしたら、お礼を代わりに伝えてください。」
「そうします。ただ、我々はまだ帰れません。」
「…どうして?」
「主の命令です。安倍家のお嬢さんの答えを見届けると。」
「そう…でしたら、一緒に神社に入りましょう。」
「父上!」
三つ目の昴の呼び掛けに、全員の意識が惹かれた。
「どうした?」
「姉上がいません!」
「召喚されたのか…!」
剎華は、彼らの不安な顔を眺めながら、少し不安になった。




