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もう一度失う  作者: 雨上がり
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二十七星目の助力の朝

「夢瞬、ここは私たちに任せて。」

剎華の言葉と同時に、九人の姿が剎華の側に現れた。

「…!北斗のみんな!」

「北斗九星の力は、君たちの天将や月将には敵わないけど、足止めくらいならできると思う。」

「でも…」

二十六聖人は、天の理のために現れた存在。

北斗九星もやりづらいだろうと、夢瞬は思った。

そして、夢瞬の考えに気付いた天枢は笑った。

「安倍さま、ご心配なく。主のために力を尽くすと誓いましたから。」


「剎華、君も式神を召喚してみなさい。」

「はい。」

母にそう言われた剎華は、迷わず召喚陣を地面に描いた。

「私に似合う式神ってどんな感じでしょうか?」

剎華は陣に問いかける。

「あの人を守れる力が欲しい。」

剎華の頭のなかに、その少女の姿が現れたと同時に、陣が発動された。

そこで現れたのが、北斗九星。


「初めまして。北斗の一つ目の星、天枢と申します。」

「初め…まして。」

「土御門剎華さまでよろしいでしょうか?」

「はい。」

「あなたの召喚に応じて来ました。今後はあなたの式神となり、あなたの命令に従って行動します。」

「どうして…ですか?」

「何がですか?」

「どうして北斗ですか?北斗七星は、王家に対抗する陣だったような気がしますが?」

「平将門さんの話ですかね。」

「はい。」

「もし、あなたが守ろうとしている彼女が、正義の敵だとしたら、あなたはどうしますか?」

「その人を助けます。」

「あなたの知っている通り、北斗は方向、道標です。」

「はい。」

「季節の流れと一緒に変わる方向のように、善悪だって決まっているものではありません。」

「…!」

「俺たちに相応しい主は、世界の流れなどに恐れず、守りたい存在のために戦える方であるべきです。」

天枢は微笑んだ。

「あなたを、正義にします。」


「夢瞬さまを守りたいという思いこそが、俺たちが主を選んだ理由です。あなたたちのために戦いますよ。」

「天枢…!ありがとう!」

夢瞬は覚悟を決めて、光兎の手を取る。

「行こう。本殿へ。」

「うん!」


神社の本殿に向かった夢瞬と光兎の背中を見て、剎華は北斗の九人を命令し、二十六人の敵を分散させた。

個体の攻撃力が少し低い文曲の天権を除いて、他の北斗はそれぞれ三人の聖人を相手にしている、かなりの苦戦だった。

戦闘力強めな天枢と、武曲の開陽ならともかく、他の北斗たちは劣勢に落ちていた。

廉貞の玉衡も、無表情に見えるが、実力差を実感している。

彼女は剣を振り、敵からの攻撃を凌げている。

そんな三人を相手にしている玉衡が怪我しそうになった寸前に、一閃の緑色な光が通った。

「…!」

「玉衡姉さん、大丈夫?」

「木星!」


一方、祿存の天璣は、勇気を象徴する星ではあったが、勇気にも力が必要。険しい場面をいくつ乗り越えたが、厳しい現状は変わらないまま。

その時、窮状を救ってあげたのは、戦闘力を誇る赤い光だった。

「…!ごめん。ひとつ貸しができたな。」

「いいんだ、同じ土御門の者だしな。」

「そうだね。サポートお願い。火星。」

「了解。」


「おはよう!」

「金星さん…本当にいつもキラキラしていますね。」

「揺光ちゃんがおしゃれに興味ないだけだよ。」

金星は微笑みながら、隣の聖人の腕を折った。

「そうでしょうか…?」

揺光は不満そうな顔をしながら、一歩下げて攻撃をかわし、そして高く跳んで、相手を蹴った。

「そんなの、いらないと思いますけど?」

「わからないんだね。」


「手伝わなくていい。」

武曲の開陽は、敵の腰を重く一撃をしたあと、隣の少年を睨む。

「そうはいかない。主の命令だから。」

「ふーん。」

「開陽さん、相変わらずツンデレだね。」

「腹黒の君に言われたくない。」

開陽は、自分の頭を撫でている手を強く叩き、そして少年は逆に笑って手を引いた。

「戦闘中なのに、不謹慎だ。」

「だって、開陽姉ちゃん、僕の名前を呼んでくれないもん。」

「…」

「開陽姉ちゃん…」

「天王星!」

「はい!じゃあ、頑張るぞ。」

少年は笑って、かわいい笑顔で敵を殺しに踏み出した。


「主様。」

「天枢!それと、地球?」

「はい。この度は我々の主、すなわちあなたの母の命令の元で、助力させていただきます。」

剎華は天枢の後ろにいる、二人に倒されたがまた立ち上がろうとしている聖人たちに気付いた。

「あら、少し後片付けが必要みたいですね。」

「地球、わざわざすみません。天王星、海王星、冥王まで来てくれまして。」

開陽の隣にいる天王星と、天璇と一緒の海王星、そして天権tl一緒の冥王星を見て、剎華は再び目の前の地球と目を合わす。

「お気になさらず。全員来たとはいえ、まだ少し力が足りないかもしれません。」

「そうですか…!」

「はい。水星と土星も、輔星の二人のところに行きましたが、聖人相手だと少し…」

「ですが、月将たちが神社に入りました。天将たちも行方不明ですし。」

剎華は、この援軍のない戦場を改めて見つめた。

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