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もう一度失う  作者: 雨上がり
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十六人目の旧知の夜

「まったく、放って置けない人たち。」

眩しい日差しの中から降りてきたその影。

相変わらず無表情で無情だったが、夢瞬はなぜかすごく安心した。

「六合...!」


かつて、ひとりの女性がいた。

東の荒野で、とある姿を探していた。

「...やっと見つけた。」

「君は、晴明の...?」

「その通り。私は彼の後継者。」

彼の後ろには小さなオアシス、この荒野の中での唯一の救い。

「手伝ってくれるかい?十二天将の六合。」

「断ってもいいか?」

「いいよ。」

「...晴明が僕を誘ったときも、そのように答えた。」

世間に未練がないから、他人にも未練がなかった。

だから、引き留めない。

「酷すぎる。」

「何が?」

「いつも...僕たちに悲しみだけ残して...」

「今回は、君たちに悲しませないわ。」

その女性は、真剣な目でそう言った。

「一生付き合うよ。」


「夢瞬さん、大丈夫か?」

「なんとか...」

六合は窮奇の攻撃をしのぎながら、夢瞬の隣につく。

「十三人目の月将である蛇夫か?」

「はい。」

「ちょっと待ってろ。」

六合は手を伸ばし、指先を蛇夫のおでこに触れた。

蛇夫は一瞬で力を取り戻した。

「体を調和した。あの力、もう一回くらい出せると思うが。」

「...!任せろ!」

六合にそう返答し、蛇夫は無理に立ち上げた。

「時間を流す...!」


夜が来た。

十二月将の番だ。

「蛇夫、ここで夢瞬さんの藤原家の坊っちゃんを守って。」

「はい...!」

「夢瞬さん、十二月将に手伝いに行ってくる。」

「六合...!」

「...?」

「おかえり。」

六合は振り向かず、唇を噛み締めた。

この言葉とこの声、どれだけ久しぶりなのだろう。

「ただいま。」


「天罡。神後が窮奇の行動を制限していたのに、よくもあいつを見逃して、夢瞬さんを危ない目に遭わせるんだね?」

「六合...!あんたらは四人かかりで対応してるんだよ!こっちは三人だけ!」

「十二月将のみなさんはいつも、夜なら負けないと言ってるはずだが?」

「...!」

「もういい、こいつを片付けるのが最優先だ。神後、傳送、牽制頼む。」

「わかった!」「うん。」

「天罡、僕が窮奇の目線を誘導する、その隙を狙ってとどめを。」

「おう!」

四人が息を揃った瞬間、四つの姿はそれぞれの位置についた。

神後は傳送に手伝ってもらい、再び霊力を使い、窮奇の翼を縛った。

六合は窮奇の注意を引きながら、真っ正面からの攻撃を凌いでいた。

そして天罡は隣に身を隠し、窮奇が苛立った瞬間に、その両目を潰した。

「ああああ!!!!」

窮奇の悲鳴はあまりにもひどく、周りの月将も思わず震えた。


「他の部隊の援護を頼む。僕は一旦夢瞬さんのどころに戻る。」

「おう!」「うん。」

「待って六合!」

六合は振り向いて、宝瓶宮の神後の方を見る。

「なんだ?」

「あんた...夢瞬さまを見捨てたじゃないのか?」

「夢瞬さんは僕にとって一番大切な人のひとりで、彼女を置いてけぼりするつもりはなかった。」

個性や役割、顔もバラバラだが、十二天将は十二人一心、常に同じ気持ちを持っていた。

つまりこれは同時に、十二天将全員の意思である。

「だったら...!」

「夢瞬さんには、一人でこの事件を向き合わなければならない理由があるんだ。今はまだ、君たちや彼女に言えないが。」

「初めて会ったとき、彼女は寂しそうに見えた。」

「...それ以上言わないで。」

今度は神後が驚いた。

十二天将と十二月将は、世界生まれたときからずっと生きてきて、お互いを誰よりも知っていたはず。

なのに、安倍晴明のときでさえ、神後はこのように感情的な六合を見たことはなかった。

「あんた...?」

「夢瞬さんのどころに戻るから、これで。」

六合は再び感情を隠し、夢瞬のそばに飛んでいった。


六合のおかげで、十二月将は無事に邪神四凶を解決し、三途川を渡った。

「六合、ここから先が死者の世界なの?」

「その通り。」

「だったら、どうすれば安倍永望が見つけるの?」

「...!その場合なら、ハーデースさんに聞くのが一番早いと思う。」

「ハーデースさん...?どうして?」

「ハーデースさんは死者を天国や地獄に分類する人。死者なら全員ここに来るが、その先を決めるのがハーデースさんだ。」

「なるほど...!」

夢瞬は隣の光兎に微笑んだ。

「じゃあハーデースさんのどころに行こうか」

「うん!」




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