表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう一度失う  作者: 雨上がり
15/61

七つ目の枯れの夜

「...」

目覚めた永望は、天将たちに声かける先に、部屋を観察している。

この部屋は、彼女が眠りにつくまでと、少し違うのような気がする。

「永望、まだ起きていないか?」

「ううん。起きました。」

扉をゆっくりと開く太裳は、月明かりに照らされ、柔らかな雰囲気をもたらす。

「どうしたの?」

「私が眠っている間に、誰かがこの部屋に入ったのですか?」

「ええ。」

永望は一瞬、驚いた目をした。

「どうしてですか?」

「夢瞬さんの指示で。」

「夢瞬?」

「ええ。その花を、君の元に置くように、と頼まれた。」

今になって、永望は自分の枕の隣に置いていた、枯れた花に気付いた。

鮮やかな紫はすでに褪せたが、花の名前くらいならわかる。

「朝顔...」

「ええ。この朝顔は、貴人が摘んで、夢瞬さんに送ったもの。そして彼女は、君に贈りたいと願う。」

「秋の七草として、朝で咲き、そして夜で枯れ...。」

夢瞬みたいな花。

永望は思わずそう考えた。


「永望、術式を使って喧嘩してる人がいる。」

永望が十二神將と合流したとき、勾陣はすぐ彼女に報告した。

「どこの人かはわかりますか?」

「藤原家と土御門だと思う。だが、家族ごとではなく、下の人が勝手に騒いでいるだけ。」

「...六合だけに任せてもいい場面ですか?」

六合は調和と平和の担当として、天将の中でも、常に関係性を調和してる役にあたる。

「一人だけじゃ厳しいと思う。」

「朱雀と騰蛇以外の方が良さそうですが…」

「同感。」

永望は周りを見て、そして天后と目が合った。

「天后、六合と一緒に来てもらえませんか?」

「わかった。」

「四象、太陰、勾陣。位置についてください。」

「はぁ!」

「天空、騰蛇、太裳、貴人。今日の見回りを頼みます。」

「わかった。」

「天空、今日の護衛、お願いします。」

「任せろ。」


勾陣に位置を確かめた天后と六合は、争いの現場に向く。

「...吐けさせそうな息。」

天后は遠いところを見つめて、嫌な顔で語る。

一般な術式が使われている場合、天将たちは、力の流れを感じ取れるが、好みまでにはいかない。

しかし、邪道な術式が使われている場合、天将に嫌な感じをもたらす。

「藤原家ならともかく、土御門家の人がこのような術式を使ったら...」

六合はいつも無表情でいるが、言葉から本当の感情が満ちる。

安倍家の分家、土御門家に何があったら、必ず安倍家にも悪い影響をもたらすのだろう。

「急ごう。」

「ああ。」


二人が現場についたとき、両方の家族は呪詛で攻撃し合っていた

その上、呪詛の力に惹かれたお化けや魂が集まってきた。

「天后、このままだと、この力は悪鬼に利用される。」

「わかってる。どうする方がいいと思う?」

「君が暴れて、そして僕が場面を制する。」

「...なんかひどくない?この提案。」

「天后のオーラを信じてるからだよ?」

六合が微笑んで、天后も彼の提案に従うしかなく、戦場に突入して、両方の呪詛を返還した。

「...!」

急に乱入されて、両方とも思わず攻撃を一旦止めた。

「みなさん。我々は安倍家、安倍永望様の式である、十二天将の六合と天后。

「今すぐ争いを止めなさい。」

六合の冷たい口調は、断れる可能性すら与えてない。


「ここで止めるわけには...!」

「やめなさい!」

少女の声が現れたと同時に、土御門家の人たちは、誰も驚いた顔をした。

「申し訳ございません。安倍様にまで心配させてしまいまして。」

少女は頭を下げて、天后と六合に謝った。

「私は土御門家次の当主、土御門剎華と申します。この争いを知ったらすぐ駆けつけてきました。」

「君は...」

少女の顔に覚えがあった六合は、気付く途端に言い出すのを止めた。

「この人たちは、あとで私が処置します。こういうことが今後一切起こらないように、管理についても改めて見直します。安倍様に、申し訳ございませんと、代わりに伝わってもらえませんか。」

「そう伝う。」

「では、失礼します。」

「待って!」

少女は振り向いて、自分を呼び掛けた天后に見つめる。

「どうして自分の身分を明かさない?」

「彼女に、この世界に踏み込む意志がないのなら、私は友人だけでありたいです。彼女がこの世界に踏み込んだとき、私も彼女の忠犬となり、彼女に従います。」

微笑んでる少女は、部下たちを連れて去っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ