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もう一度失う  作者: 雨上がり
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五つ目の忘れの朝

「そういえば...」

「うん?」

「勾陣、この間のこと忘れたよね?十干のこと。」

「そういえばそうか。」

勾陣は窓際にいる夢瞬の隣に来て、庭にいる天将たちを見る。

食事を用意してる朱雀と騰蛇以外の天将たちは遊んで…賭けをしていた。


「夢瞬さんは十干のこと、覚えてるよね?」

「うん。」

「二つずつ分けたら、五組だよね?」

「うん。」

「その五組が五行。金木水火土。」

「一つの…元素?に、二人で担当するの?」

「そう。その二人は兄弟、あるいは、陰陽と分ける。」

「天道!」

「ふふ、連想が早いだね。夢瞬さん、そちらを。」

勾陣は、腕力を比べてる青龍と六合に指を指す。

「あの二人は木将。青龍は甲、陽の木。六合は乙、陰の木。」

「同じ木だったら、陰陽に差はあるの?」

「陽の木は、日当たりの植物。大きくなったり、増やしたりするので、青龍は金を担当している。」

「なるほど。」

「陰の木は、日当たりのない植物。待つことと、穏やかさを表現してるので、六合は仲裁かかり。」

「性格にぴったりだね。」


「そういえば、朱雀と騰蛇が料理担当ってのは、火将だからだよね?」

「そうだけど、別に火将だからって火を上手に使えるわけじゃない。あれは永望の言い訳だ。」

「なるほど。」

「朱雀は丙、つまり陽の火。騰蛇は丁、つまろ陰の火。」

「あぁ...性格から見えるかも。朱雀の方が活発だけど、騰蛇はより照れ屋っていうか...むっつり。」

「ふふ。」

昼間で夢瞬を守るために、天将たちは常に夢瞬の声に耳を澄ましてる。

この会話を聞いてる騰蛇を想像すると、勾陣は不意と微笑む。


「でも...勾陣、ちょっと変かも。」

「どこが?」

「十二人いるでしょ?なのに十干じゃん。」

「あぁ、土に四人いるの。」

「土?」

「続きの戊と己に、それぞれ二人ってこと。四季も私たちの仕事でしょ?」

「うん。」

「この四人が、春分、夏至、秋分、冬至をそれぞれ担当するのだ。」

「...」

「そんな目で見るな。不公平だってことはわかる。」

勾陣はふと笑った。

「だから土将の四人は、それぞれ特別の任務があるんだ。私はここを守ること、貴人は天将の隊長になること、太裳は神たちの手伝いをすること、そして天空は...あの役目だからな。」

「騙すこと。」

「そう。」

料理の匂いは、二人の会話を中止した。

「一階へ行こう。」

「うん。」

「そうだ。夢瞬さんもすぐ中学二年だよね?」

「うん。」

「速いね...」

「しかし、今年ならみんなの仕事を少し分かるようになれる。」

「...お手伝いもできるかもね。」

勾陣は微笑んで、夢瞬の手を繋ぎ、一緒に階段を下りた。


食事が終わったころは、すてに黄昏。

夢瞬は能力を全部持たないのため、太陽が地平線の下に落ちた瞬間で眠りに落ちる。

同時に、もう一人が目覚める。

「天后、玄武。お疲れ様。」

夢瞬は珍しく台所に残る。

「いいえ。仕事なので。」

天后は、玄武が洗った皿を片付けながら、優しく言った。

「皿を洗うってのは、水将だから?」

「私に任せたいだろうけど、私は玄武に任した。」

「火将もそうだけど、お母さんはそういう言い訳を使って、君たちを扱いがちだね。」

「その方がいいかもしれないが。」

夢瞬は戸惑ったが、天后はそれ以上言わなかった。

「天后は陰と陽、どっち?」

「陰。残るものを片付けるのが私の役目。」

「じゃあ玄武が陽だね?」

「ええ、玄武の役目は、新しいものを作ること。」


「そういえば、勾陣は言ってた。十干は当年の課題を示すって。」

「そうね...夢瞬さんは永望の祈り言葉、覚えてる?」

「大抵。」

「戊は陽の土、植物を一番育てる状況。」

「多...分、わかる。」

「そして続きの己は陰の土。戊と違って、広がるより、この繁栄を維持するの。」

「だから、この繁栄を続く、と?」

天后は微笑んで頷く。

「お母さんは、それ全部覚えてるの?」

「毎年やってるし、もう慣れたじゃない?それに、十干ってのは日常にも繋がるから、永望にとって既に常識になったと思う。」

「なるほど。そういえば、何かを忘れたような...」

玄武が振り向いたら、夢瞬は既に眠っていた。

「おやすみなさい。」

天后は微笑んだ。

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