盗賊狩り15
グランドに団員が集められ、団長から通達が告げられる。今後は、俺も戦闘に参加し、攻撃の柱として戦略を立てていくこと。それに伴って、隠していくのは困難になることから、常に3名の護衛を付けること。今迄見送ってきた、困難な場所も攻略対象とすること。
先輩方々の反応は特にこれといって無い、予想していたのだろう。ヒナは少し不満そうに見える、まだこの二日の事を話していない、会議だったで乗り切りのか? 顔にでやすいと言われたばかりだし、特にヒナには隠し事は難しい気がする。
ヒナを含む5名が交代で護衛として、移動中含め常に張り付く事となり、簡単な説明を受ける。みな医療テントで対応したメンバーばかりで、少しは気が楽だが、やはりヒナの機嫌が悪い、いつもよりすこし早口な気がする。
「ヒナ、ちょっと待って。」
さっさと出ていこうとするヒナの腕を掴むと、他のメンバーは気をつかって出ていく。
「なんで怒ってるのか、聞いてもいいか?」
「……わからない。」
「せめてヒントぐらい……。」
「わからない、だから余計にイライラする。……これからは、ヒロの部屋も別になるし、交代の時は別行動だし、戦闘に一緒に出れるのは嬉しいけど、ヒロがケガしたらいやだし、活躍したら今より離れていっちゃうし、今でさえ高額の賞金首なのに、恨みを買って狙われるようになるし……。」
「……早口だな今日は……。」
「それに、二日も居なくて、私に悪いなみたいな顔して帰ってくるし、もう色々すぎて、わかんない。」
「……そんなに顔にでるのか……。」
「隠すなら、もっと上手にやってよ、ほんとイライラする。」
「……別に今までと変わらないよ、戦闘班ではなく、協力者のままだし。女性隊員って事になってるんだから、ヒナの部屋で寝てもいいだろう?」
「……先輩が扉の外にいたら、余計に何もできないね。今まで通り、なんだ。」
すこし笑ってキスをすると、いつもと味が違うと一言いって、正面から抱きしめる。相変わらず強力な締め付けだが、筋力がもどってきたからか、呼吸はできる。色々な想いの強さだと思うと、この痛みも嬉しく思える、しかし、それを利用していると思うと胸が痛い。
翌朝から、護衛の為の模擬戦闘を行う。俺もそうだが、接近武器と遠距離武器での連携経験などない。みんな護衛の経験はあり、救出された子供や要人を守る為に、盾を構え槍で突破したりするそうだが、こうなると前が見えず、弓も構える事ができない。とりあえず屋内ではお荷物になる事がわかったので、グランドで試してみる、100m以上接近されると、練習用の木の矢だが、盾で防がれてしまう。手練れの先輩達は、飛んでくる方向が分かれば防げるようだ。その為、護衛3に対して攻撃4であっさりと槍が俺に届いてしまう、乱戦時に矢を使えば当然仲間にも当たる、何度かやってみたが、結果として不意打ちぐらいしか使いどころが無い、メイルはそれでも十分と言ってくれたが、護衛班は少し気まずい表情で訓練を終えた。
その後も色々検討してみたものの、これといった打開策もなく、戦闘時の護衛は二人に変更、見張りや逃亡する者への攻撃へと特化、それ以外は仕事が無い。そんな中途半端な状態のまま、次の遠征が決まり、また荷馬車の旅が始まる。




