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夢者  作者: 高島 良
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盗賊狩り10

 腕立て3回から何とか10回上がるまでに、そしてかなり軽めに作ったもらった弓、まだ慣れていないが、なんとか結果を出さなければいけない。

 人目に付くわけにはいかないので、町では一回も撃てなかった。今回のお披露目は町から1時間ほど離れた草原、30m程の場所に板が立てられ、目印に卑猥な絵が描いてある、小学生かうちの副長は!

 手枷と鎖を手に嬉しそうにこちらを眺めている副長、やんちゃなのか冷静なのかわからない彼女から出された課題は、3本中一本でも中心をとらえればよし、テスト撃ちは無し。失敗した時のご馳走にあやかろうと、先輩達20人ほどと、アンとヒナが見守っている。緊張する、俺は本番に弱いのだ、すでに2本外した。2本ともかなり上に外れ、前方の山に飛んでいってしまった、回収は難しいだろう。そんな心配をしている場合ではない、最後の一本を構える。待てとアンが止め、歩いてくる。


「ヒロ、矢を貸せ。」


 そう言うと、ビンからオイルを出して少し矢にかけて指で伸ばす。先の2本と同じ様に撃てと指示をだすと、すたすたと小走りで戻っていく。

 今は信じるしかない、ここでいたずらとか無いだろう。矢をつがえて引き絞る、右手の指先が突然高熱の油にでも沈めたような熱さを感じ、それが全身に伝わる、これは赤目の肩を吹き飛ばした時と、似ているが早すぎる、狙いをなんとか合わせた所で意識が切れる。


 胸を締め付ける痛みで目が覚める、この痛みは覚えがある、胸の前に後ろから組まれた腕が、定期的に締め付ける、この腕の主はたぶんヒナだろう。見たところ、テントで横になっているようだが、次の遠征にでたのだろうか、確認しようにも俺ではこの腕はほどけない。しばらくすると、アンが入ってくる。


「お、今回は早かったね。」

「今回はって、まだ一日ぐらいですか?」

「そうだ、課題クリアから一日半かな、ちなみにまた遠征中。大丈夫?」

「とりあえず、胸が締め付けられて、すこし息苦しいですが。」

「それは、ヒナちゃんの愛だから、私の専門外だなぁ。どの辺まで覚えてる?」

「……矢を引いたところで意識が切れましたが、あの後どうなったんでしょうか?」

「なんか突然5mくらいの黒い煙みたいな球体に包まれて、それが凄い速度で前方に地面をも削りながら直進して的を吹き飛ばして少しずつ小さくなっていって、確認できた距離は342m。」

「測ったんですね……。」

「林の木も吹き飛ばされて、矢は348mの所で木に刺さっていた。失敗したな、金属の板も用意しておけば、損傷具合を確認できたのに。」

「研究っぽい感じでいいですが、あの矢に塗ったのは、何だったんですか?」

「あれは、光の属性100%のオイルだ、とんでもなく高価なんだが、研究の為にしかたなくだ。」

「いや値段の話は今はいいです、光の属性でなんであんな事になるんですか?」

「簡単に言えば反発だな、闇と光は正反対だから、おまえの属性の、しかもきっちり正反対の力をかけてやれば、反発して一度矢に送る魔力が押し戻される、そうすると勢いをつけて押し戻すというわけだ。なんとなく、そうなるかなと思っただけだ。」

「なんとなくで、実験しないでくださいよ。だから小走りで戻ったんですか?」

「どうなるか分からんかったから、距離はとったほうがいいかなと。」

「危ない実験するなら、もう少し準備してくださいよ、今回のは、前よりだいぶ威力が上がってて、みんなを吹き飛ばすとこだったじゃないですか!」

「おい、前にもやったのか、あれを?」

「……だいぶ前ですけど……。」


 今更なので、赤目の肩をふきとばした経緯などを説明する。


「面白いな! 4種類あるわけだな、直進のみ、貫通、大きな貫通と、さっきの大地をえぐる矢かぁ、実に面白い。」


 やばい人だ。さっきからすごいメモして、たまに叫び出す、逃げ出したいがヒナは耳元で寝息を立てるだけで、起きる気配がない。一週間ずっと早寝早起きで、夜中は一回目も目を覚まさない、たぶん朝までこのままだろう。


「あ、ごめん忘れてた、そういえばおまえの弓壊れてたぞ。」

「……俺がいること覚えてたんですね。折角つくったのに、もうダメか。もしかして、真ん中の部分は残って無かったですか?」

「あーそうだね、とりあえず木箱と一緒にそこに置いてあるから。」


 また見えない位置にあるが、とりあえずハンドルは残ったみたいだな、前の時は作り直してくれたのだろうか。そして、血を染み込ませた方のリムなら、あの一撃に耐えれるのだろうか。


「ヒロ、前の時は長い時間かけて魔力込めたって言ってたけど、直接血をつなげたわけじゃないのね?」

「血をつなぐって指切るやつですかね、あの時はまだ血が魔力を送るって知らなかったですから。」

「ふむ、血も光のオイルもなしでアレが出来るのか。やばいなおまえ、領主どころか国王にすら狙われるな。」

「国王って、それでも団で匿ってもらえるんですかね?」

「うーん、厳しいかな。とりあえず人前で弓禁止で、とくにあの破壊力あるやつは特に。」

「貴方がやらしたんでしょうが。」

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