骨董屋へ
商店街らしき場所に到着したが、どこも開いておらず、人もいない。何やら看板らしき板がそれぞれの掲げてあるが、字がよめない、あの記号みたいなのが、こっちの文字なのか、覚えるのめんどくさそう。
ケンは一軒の店の前に止まると、扉を力任せに蹴る。借金取りかお前は。
「まずは、ノックとかしないの?」
「こんな時間に客が来たら、出てこないだろ、これぐらいでいいんだよ」
なるほど、先輩の言うことは素直に聞いておこう。ケンの読み通り、しばらくしてドアが空き、強引に入っていく。明らかに困ってる店主をよそに、ケンは要望を伝えている、ような気がする。店主は諦めて奥に消えていき、その背中にケンは何やら叫んでいるようだ。店内を見回すと、ガラスケースに入った、やたら金やら宝石満載の剣や兜、ネックレスなどが並んでいる。なぜかダサいなと思ってしまうほど、成金臭がする。これは貧乏人のひがみと言うやつだろうか?
しばらくして、店主が弓を持って来てくれたので、弦をはってひいてみるのだが。
「どれも軽すぎるな、これじゃ子供のおもちゃと変わらない」
「これで全部らしいぞ、式典とかで持つ用らししから、実用性はないわな」
「それで、この金ぴか仕様なのか、どっか弓作ってる人いないのか?」
「いないだろうね、使う人も買う人もいないだろうし自分で作れないの?」
「矢ならともかく、しなる木なんて、色々試してみないとわからんし、かなり金と時間かかると思う」
「金はいいとして時間はなんとかしろ、使えない剣かついで戦場で瞬殺されるぞ」
「それはやだな、この弓全部つぶしていいなら、しなるとこだけ切って張り合わせて、ハンドルを……」
「よし、それでいこう、ハンドルって何?」
「それは、しなる部分を、固定するところ」
「木か鉄か、どっちだ」
「木だろうね、鉄のが頑丈だと思うけど、重いし」
ケンは、うなずくと、店主となにか話しているが、腰の日本刀をわかりやすく動かしている。コンビニに包丁もって買い物に行くって感じだな。
かなり強引な交渉が終わったのか、ケンは困り顔の店主をよそに、弓の束を俺に渡し、店をでる。店主はなにかいいたげだが、あきらめの表情に変わる、一文無しの俺にできることはないので、ケンの後を追う。
「ちょっと、強引じゃないのか?」
「どうせ売れない弓なんかで、金とろうなんておかしいだろ」
「いやいや、ほら、向こうも商売なんだし、値切るぐらいでよかったのでは?」
「魔物の群れがくれば、力のあるやつが戦って守る、そこに金がどうとか関係なだろう。ほんの少しでも理屈が通れば、あとは力のあるやつの意見が通る、どこでも一緒だろうがいちいちイラつくこと言うな」
その通り、刃物が役職や客先という立場に変わるだけか、向こうとなにも変わらない。出世して何でも思い通りになって、周りに怖がられる。それで幸せなんだろうか、君臨し愛想笑いに囲まれていた俺の上司は幸せだったんだろうか。




