表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢者  作者: 高島 良
7/119

骨董屋へ

 商店街らしき場所に到着したが、どこも開いておらず、人もいない。何やら看板らしき板がそれぞれの掲げてあるが、字がよめない、あの記号みたいなのが、こっちの文字なのか、覚えるのめんどくさそう。

 ケンは一軒の店の前に止まると、扉を力任せに蹴る。借金取りかお前は。


「まずは、ノックとかしないの?」

「こんな時間に客が来たら、出てこないだろ、これぐらいでいいんだよ」


 なるほど、先輩の言うことは素直に聞いておこう。ケンの読み通り、しばらくしてドアが空き、強引に入っていく。明らかに困ってる店主をよそに、ケンは要望を伝えている、ような気がする。店主は諦めて奥に消えていき、その背中にケンは何やら叫んでいるようだ。店内を見回すと、ガラスケースに入った、やたら金やら宝石満載の剣や兜、ネックレスなどが並んでいる。なぜかダサいなと思ってしまうほど、成金臭がする。これは貧乏人のひがみと言うやつだろうか?

 しばらくして、店主が弓を持って来てくれたので、弦をはってひいてみるのだが。


「どれも軽すぎるな、これじゃ子供のおもちゃと変わらない」

「これで全部らしいぞ、式典とかで持つ用らししから、実用性はないわな」

「それで、この金ぴか仕様なのか、どっか弓作ってる人いないのか?」

「いないだろうね、使う人も買う人もいないだろうし自分で作れないの?」

「矢ならともかく、しなる木なんて、色々試してみないとわからんし、かなり金と時間かかると思う」

「金はいいとして時間はなんとかしろ、使えない剣かついで戦場で瞬殺されるぞ」

「それはやだな、この弓全部つぶしていいなら、しなるとこだけ切って張り合わせて、ハンドルを……」

「よし、それでいこう、ハンドルって何?」

「それは、しなる部分を、固定するところ」

「木か鉄か、どっちだ」

「木だろうね、鉄のが頑丈だと思うけど、重いし」


 ケンは、うなずくと、店主となにか話しているが、腰の日本刀をわかりやすく動かしている。コンビニに包丁もって買い物に行くって感じだな。

 かなり強引な交渉が終わったのか、ケンは困り顔の店主をよそに、弓の束を俺に渡し、店をでる。店主はなにかいいたげだが、あきらめの表情に変わる、一文無しの俺にできることはないので、ケンの後を追う。


「ちょっと、強引じゃないのか?」

「どうせ売れない弓なんかで、金とろうなんておかしいだろ」

「いやいや、ほら、向こうも商売なんだし、値切るぐらいでよかったのでは?」

「魔物の群れがくれば、力のあるやつが戦って守る、そこに金がどうとか関係なだろう。ほんの少しでも理屈が通れば、あとは力のあるやつの意見が通る、どこでも一緒だろうがいちいちイラつくこと言うな」


 その通り、刃物が役職や客先という立場に変わるだけか、向こうとなにも変わらない。出世して何でも思い通りになって、周りに怖がられる。それで幸せなんだろうか、君臨し愛想笑いに囲まれていた俺の上司は幸せだったんだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ