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夢者  作者: 高島 良
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教会へ

 ケンと向かった先は、教会らしい建物。言ったら怒られそうだが、ケンと俺には一番似合わない建物だと思う。

 中に入ると、ケンがなにやら神父らしき人と話をしている。ケンはこちらを向くと、地球儀のようなガラス玉を指さし、手をかざせと言う。言われた通り手をかざすと、ほんの少し明るくなって、すぐに元にもどる。神父とケンがガラス玉をのぞき込み、二人とも驚いたような顔をして、なにか話している。

「ヒロ、もしかして弓道とかやってた?」

「いや、アーチェリーなら部活でやってたけど、そんなに上手くはないぞ」

「今からでも鍛えろ、たくさん殺せるぞ」

「目が怖いから、人は撃ったことないし、そもそも動く標的なんてあたらないぞ」

「鹿とかうさぎとか、撃たないのか?」

「日本では撃たないな。海外でも、即死させられなくて、色々問題になってるしな」

「そこも鍛えろ、うまくいけば出世して、夜は美少女はべらして、昼は趣味の人殺しがおもいのまま」

「鬼畜まっしぐらだな、俺そこまで出世欲も殺人欲もないんだけど」

「でもハーレムには、あこがれるでしょ」

「かなり!」

「よし、じゃ弓の修行しろ」

「修行してまで、ほしいものじゃないかなぁ……」


 ケンが、すごいにらみつけ、手は抜刀の構えに入る。

「いや、すごい頑張るよ、うんうん、頑張る」

「よし、弓買いにいくぞ」


 コンビニに買いに行くぐらいの勢いだが、ケンは神父に声をかけ頭を下げる。あれ、意外と礼儀ただしい?

「弓って、やっぱり武器屋?」

「なにテンション上がってるのかしらないけど、弓があるのは骨董屋ぐらいだな」

「それは、飛び道具は銃メインだから? でも、持ってる人みないけど」

「この世界に銃はない、詳しくはしらんが火薬自体が扱えないらしい、魔力で誘爆するとかでな。」

「ほう、いやいやだったら弓は基本職じゃないの。魔物狩りやら、戦争大好きやらの世界なのに、弓って骨董品?」

「うーん、いいかげん説明がちょっと面倒になってきたけどだな! 魔力込めないと、ダメージ通らないのは、さっき分かったよね!」

「質問ばかりで、申し訳ない、そこまでは分かった」

「まぁいいや、刃物に魔力を込めても、刃物から手を離すと、魔力は消える。飛び道具は特に魔法の守りが働くみたいで、投げナイフも小石あたったかも? ぐらいしか痛み感じないしダメージもほぼ無い」

「それで弓が骨董品、どこらへんがハーレムに近づく要素なの」

「例外があって、闇とか黒とか呼ばれてる魔力を持つ人は、飛び道具に魔力を込めて飛ばすことができる! そしてヒロ、がっつり闇だ、おめでとう!」

「おお、なにかこう反則すれすれな、楽して出世の匂いがプンプンする」

「期待させて悪いんだけど、使い物になる弓使いには会ったことがない」

「それは、やっぱり矢が当たらないってこと?」

「それもあるし、矢に魔力を込めるのはかなり燃費がわるいようでね、一日に2回ぐらいで、魔力が尽きるらしい」

「それは、運用が厳しい」

「普通はそうなるんだけど、ヒロすでに3発使ってるよね?」

「金的もいれると、確かに、魔力って回数で数える感じか」

「いや、回数では無くて量だな、一晩寝れば回復するんだけど。普通は素手で喧嘩したりしない。魔力をこぶしや、蹴りに乗せるとかなりの魔力をつかってしまうので、2発程度しか打てない」

「俺は、結構魔力が高いってことか」

「高いほうだと思う、夢者じゃなくても高い人間もいるから、無駄に喧嘩すんなよ」

「そんな武闘派ではないので、大丈夫」

「それと、武器は刃が当たる瞬間だけ魔力を込めることが出来るから、素手では相手にならない」

「結局、剣が使えないとだめなのか」

「そうでもないぞ、夢者なら、魔力が高いから数が撃てる。さらに、闇は守りの魔力を無視してダメージが通る」

「おぉー、弓最強だな」

「接近されなければな、連射できるか?」

「いや、アーチェリーは結構狙いに時間かかるよ」

「そこも鍛えろ!」

「また、それ」


 正直、そんなに出世にもハーレムにも興味はない。あっさり死ぬよりかはイケメンが出世して行くのを終わらせるのは楽しいかもしれない。無理に考えても、それぐらいしか前向きな思考が思いつかない、やる気ないな俺、ケンにはばれないように気をつけよう。

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