魔獣ハンターとして27
しばらくして、サオリが寝たようななので、全裸で少し離れたトイレに行く。浴衣とかこの世界にはないのだろうか、家の人にみつからないかとドキドキしながら、部屋に戻る。シーツをまいて、少しうつむき気味にベッドにすわる細身の美女が、差し込む月明かりに照らされている。絵になるとは、こんな光景を言うのだろう、高いカメラがあれば俺でもこの感動を残しておけるのだろうか。
しかし、明るい人が少し涙をみせたり、うつむいたりしただけでこんなにも心が動くものだろうか、俺は遊ばれているいい客なのだろうか。
「どうしたの?」
「ヒロ……、なんかペット飼ったことある?」
「ないかな。」
「そっか。前にね、お得意さんの商人が、最後になるからって、綺麗な鳥かごと小鳥をくれたの。羽を切れば手乗りになるから、こまめに切るようにって。私は、羽も切らず、名前もつけず、逃がしてあげることもせず、その小鳥を飼った。ある朝、動かなくなっていて、手に乗せると冷たくて、なんで逃がしてあげなかったんだろうって、すごく後悔した。目が覚めてヒロがいなくて、すこし寒かった、温めてくれる人がいないと、私だめなのかもしれないって……。」
もうそれが演技かどうかなんて考えは無くなっていて、ひたすらに愛おしい、こんな俺でも独占欲が芽生えてしまうほど。キスをすると、すこし胸を押して、恨めしそうに上目遣いに睨む。
「なんか、ちょっと、キスのあと余裕ありすぎて。」
「そうでもないぞ。」
「私だけすごいフワフワしてるみたいで、……キス禁止。」
一瞬ドキッとしたが、これはさくらが気絶しかけたやつ同様、毒の症状なのでは? フワフワの正体は生命の危機的なやつで吊り橋効果と勘違いしている気がしてならない。恋愛なんて勘違いからというが、俺は危険な惚れ薬製造機なのか? あんまりうれしくない、しかし散々キスしたアンは、……もしかして三日置きに来てたのは、これが原因だったのか! いや、わからんけど、可愛いからとやたらキスするとまずいのは間違いないのだろう、自粛しよう。
しかし、なぜかダメと言われると、すごくしたくなる。
「ごめん、お客さんなのに、なんでも好きにしていいよ。」
「それじゃ、添い寝して。」
「なんでもっていったら、もっかいってことでしょ!」
「わかりずらい!」
結局、痛みを抱えた股関節にさらなるダメージを蓄積し、心地よい眠りにつく。さほど自分の命を大事にはおもっていないが、今なら死んでもいい!




