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夢者  作者: 高島 良
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魔獣ハンターとして21

 村を見渡せる高台まで移動して、しゃがみ込んで村を確認する。少しだけ目を望遠モードに切り替える、久々にやったが、片方だけとか訓練すればなるんだろうか、とにかく探すのに手間取る。

 やっと村長を発見、近くには軽鎧の集団が見える。村長でも俺より頭半分ぐらい背が高いのに、その村長よりもさらにデカいムキムキの男達、なんとなく荷馬車の前に立ってるのがリーダーっぽい、全部で6人、やばそうだ、やっぱり逃げるしかないか。

 村長が何を言っているのか分からないが、傭兵達の詰め寄りぐらいからして誤魔化しているようだ。さくらの姿が見えないが、あの後ダウンしてしまったのだろうか、今はその方がいいだろう。起きてたら切りかかったりしそうだが、さすがにあれは相手にできないだろう。とりあえず弓を組み立てる、使わないに越した事はないが、世話になった村に迷惑をかけるわけにはいかない、これ以上あばれるなら使わざるえない。

 しばらく見ていたが、何を言ったのか、ついに村長が胸ぐらを掴まれる。ライフルなら胸ぐら掴んだやつを撃つのだが、この距離では着弾までの時間を考えなければならず、離れて立っているリーダーに狙いをつける。

 迷っている暇はないはずなのだが、矢はその男の頭上数センチ上、荷馬車にささって止まる。何やら傭兵達は騒ぎだし、大きな盾で隠れながら近づいてくる、見えてはいないだろうが方角はわかっただろう。まだぼやける目で林を走る、さくらの言葉か、他に原因があるのか、さっきの一撃は外れないはずだった、自信がないが俺がわざと外したのだ、もしかしてもう、人は殺せないのだろうか。


 傭兵達が森に入って2時間、予想に反してバイキングが持ってそうな大きな丸い盾を6枚並べてゆっくりと進んでくる、慣れてはいないようで、たまに転んで丸見えになっていたりと、なんかほほえましい。しかし、きちんと足跡を消しているにも関わらず、まっすぐに距離をつめてくる、遊んではいられない。実際のところ木の盾では魔力を送った矢は防げない、向こうはそれを知らないので、ダンゴムシで近づいてくる、矢があっさり盾を貫き、並みの木を貫通すると分かれば、一斉に走ってくるだろう。それはこまるので、切り札にとっておき、削る作戦にでる。

 足跡は消さずに後ろに回り込む、リーダーから潰すべきだが、マッチョ達は見分けがつかないので、隅からつぶす。魔力を込めた矢は、右太ももをあっさりと貫き、森に悲鳴がとどろく。一瞬慌てた傭兵達も、すぐに持ち直しけが人を二人がかりで持ち上げ、近場の木の影へと移動する。残酷なようだが、盾をすてただの的となった二人の足も打ち抜く。残り3人は、木の影から様子をうかがっている。

 傭兵団の結束がどれほどかわからないが、流石に助けないわけにはいかないだろう、スナイパーの鉄則だとなんかで見たような気がする。しかし、隠れた3人は動かない、全滅が見えたのか、なかなか思い通りにはいかない。

 しばらくして、予想に反して白い布を振り、両手を上げて3人が出てくる。


「降参、降参! もう追わない、武器はすべてここに置いていくから、助けてくれ!!」


 でかい声だ、かなり距離があるはずなのに、しっかりと聞こえる。すごいな、傭兵達の間では意外と騎士道精神というか戦闘協定的な物があるようだ、ちょっと感心してしまう。そんな大声の大男も、わき腹に穴が空き、悲鳴を上げる、悲鳴も大きい。散々文句を言っていたが、そんな体力も無くなったのか静かになる。お前が交渉しようとした相手は、正々堂々なんて言葉を理解するやつじゃないし、慈悲はない。

 残り二人、やっと二手に分かれて挟み込む作戦にでる、最初にやられていたら、たぶん負けていた。しかも、俺はすでに回り込んで横からそれを見ている、なんども来た森の中、見えないように移動するのはそんなに難しくはない。大男が倒れる、矢に気が付いたのか当たる直前に盾をこちらに向けた、しかも悲鳴が聞こえない、盾の下に血が見える、外してはいないようだが浅かったか。

 残り一人、貫かれた木の盾を見たのか、剣を振り回して藪を切り払い、左右に体を移動させながら近づいてくる。狼達と戦った時は障害となった藪が、逃げるのには都合がいい。あっさりと相手を見失い、剣を上段に構えあたりを見回す、なかなか上は見ないものだ、木の上からでも、距離が近ければ外さない。片足を撃ち抜かれ、恐怖の顔を見せながら、座ったまま必死に後ろにさがっていく、見下ろす俺は悪魔に見えるのだろうか、声もださない。片手を力なく上げて、なにか言うのかと少し待っていたが、突然体中の力が抜けたように倒れる。首に指をあててみるも脈が無い、さくらとの約束は守れなかったようだ、努力はしたんだって言っても、許してはくれないだろう。


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