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夢者  作者: 高島 良
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魔獣ハンターとして19

 平和な日々が続く、のどかな風景と俺を慕ってくれる少女との生活、すこし退屈だと思った時もあったが、それにも慣れてくる。毎日森に入り、獲物を探し歩く、足跡から追跡して、余裕があれば村の近くまで誘導して仕留める。一度猪の突撃で吹き飛ばれたが、地面を転がって川に落ちただけで、数日で回復した。


「ヒロ、明日から町いってくるね。」

「そうか。」


 めずらしい、町への穀物の運搬と必要な物の仕入れは、村長と誰か一人が行っていた。俺がくるまでは、さくらが一緒にいっていたようだが、一人で残していくには危険な男がいるらしい。


「武器仕入れに行くから、私も行かないといけないのよ。さみしいだろうけど、がまんしてね。」

「そうか防衛担当だもんね……。」


 いまだに、普通にしていれば小学生の女の子にしか見えないのだが、村で一番の剣士、訓練と武器の目利きは当然彼女の担当だ。滅多に出番はない、そんな平和な村なのだ。

 そして最近では、朝は村長が朝食を食べにくる、娘が帰ってこないので親が来るのだ。さっぱり家によりつかなくなった娘が、手際よく食器をかたずけていく、そんな後ろ姿をみながら村長が口を開く。


「ヒロすまないな、町の酒場に手配書が張ってあるから、しばらくは町には連れていけない。」

「いや大丈夫、しばらく留守番してますから村長。」

「そろそろ、お父さんと呼んでくれてもいいんじゃないかなぁ。」


 最近ではお約束となった、呼び方の変更依頼をさらっとかわす。手配書って、交番とかに張ってあるあれだろうか、今までは手配書より先を逃げていたが、これからは町にはちかよれない。しばらくといっていたが、時間がたてば無くなる物なのだろうか、内容が気になるが詳細をさくらに知られる訳にはいかないので、深堀はやめておこう。

 さくらがもどってきて当たり前よのよう膝に座ってほうにキスをする、父親の前でわざわざしなくてもいいのだが、止めると機嫌が悪くなるので俺もかえす。


「ヒロ、明日から一人でさみしいだろうから、今夜しちゃう?」

「な! なにいってんの! お父さんいるのに、しかも、死んじゃうんじゃなかったっけ?」

「うーん、朝のおっきいのは無理だけど、小さくなってる時のなら大丈夫だと思う。」


 それは無理だが、どうやって説明するべきだろうかと悩んでいると、苦笑いして村長が去っていく。お父さん! 助けて!


「そんな器用な人はないんじゃ……大丈夫、待つから。そっちの不安もあるだろうけど、しばらく森で過ごすよ。たまには遠出して、獲物さがさないと、ここいらいの動物いなくなってしまうだろ。」

「そっか、わかった。」


 やけに素直な回答がかえってきて拍子抜けする、浮気しちゃだめ! と言われるより、信用してると態度で示されるほうが、効果があるのかもしれない。もちろん、ばれた時の恐怖は体に染み込んでいる。


 翌朝、さくらと村長を見送り、俺も森へと向かう。事前に教えてもらった、休憩用の川の中州や、洞窟で夜を明かし5日間歩きまわったが、獲物を見つけるも矢を外す。さくらにさぼってたと言われそうで怖いが、地面で寝るにも限界がある為、村に戻り久々にベッドで寝る。

 ベッドで起きて、部屋に誰もいない、少し前まではそれが当たり前だったのに、今はこの静けさが胸をしめつける。明日には、さくらも戻ってくる、部屋を掃除して、午後から弓の練習をする。止まっている的なら外さないのだが、足場が安定しない場所ではかなり外れる。やはり俺の弓は競技用だ、映画のように前方宙返りしながら撃ったりはできない、いそもそも宙返りなど出来ない。

 夜になると、一人の女性が訪ねてくる。村長の妹さん、さくらのおばに当たる人だが、一緒にお酒のんだりすると、とても色っぽく見える。積極的に攻めてはこない人だったのと、日中の宙返り失敗の痛みが腰に残り、なんとか耐えた!

 翌朝、窓を開け全力で掃除する、かえって綺麗すぎで怪しまれるような気がする、わざと土で汚した靴で歩き回ったりしてよごして、やりすぎたと掃除する。なんの目的で掃除しているのかわすれかけたころ、さくらが帰ってくる。


「ヒロ、すぐにげて!」

「はい?」



 

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