魔獣ハンターとして12
温泉と、半日の睡眠で体は元通りに、そう、元に戻っただけだ、レベルアップのファンファーレも、スキル取得音も無い。本当にゲームだったらすぐに捨ててやる! しかし、今は村人Aから再スタートである。
毎朝恒例のさくらの飛び込みで目覚め、朝ご飯を食べ外にでる。
「さくら、村人として俺はまずクワの使い方から教わらなければ、ならない!」
「いや、槍でしょ。」
「やり? たしかにみんな、そういえば女の人も持ってたね狼きたとき。よく見れば、どの家にも立て掛けてあるけどね。」
「剣下手だし、槍の特訓!」
いつ、下手だとばれたのか分からないが、昼までみっちりさくら先生による、槍指導。
「だめだね、まったく上達する気配すらない。腰が入ってないよ、夜も期待できないね。」
「夜は関係ない……、しかし気配もないて、ひどいな、どうせなら数分で見切りつけてほしかった。弓もないし、次の戦闘発生時は裏方でお願いします。」
「なんでよ、また弓つかってよ。」
「いや、弓壊されちゃったし、自分で作れる気がしないし。」
「もうなおしたよ。」
「なに! そんな簡単になおせるのか!」
さくらに、ずっと目の前にあったと言われ、小屋にもどると確かに壁にかけてある。なんだろう、完全に部屋の景色に同化して、見つからないってあれだろうか、とりあえず弓は完璧に復活している。さくらに聞くと、村長らが小型の狼らと一緒に回収、上部のリムが割れていたが、町の馬車屋に持ち込んで作ってもらったらしい。なぜ馬車とおもったが、木製のサスペンションを使っており、しなる木を張り合わせて使う技術はかなり発達しているようで、リムだけならあっさりと作れるようだ。
武器は使用者の血が染み込むと壊れにくくなるらしく、確かに下側のリムは問題なし。そして上側のリムだけ色違い、丈夫かどうを置いておいてもこれは流石にかっこ悪い、自分の血でコーティング。綺麗な木目が不自然なほど早く血を吸い込んで黒く変色していく、不気味すぎる、目とか出てきそうだが、そんな気配はない。そして恐ろしく手に馴染む、本来リムは上下一緒ではないので、しっくりこなかったが血を吸ったせいか、まるで手足のように扱える気がする、強くなった気がする! いやたぶん気のせい。
「ありがとう……もう二度と矢を撃てないと思ってたよ。しかし、弓あってもそんなに魔物こないでしょ? 仕事無いよね?」
「狼は滅多にいないけど、猪とかシカなら魔物仕留めたから戻ってきてるよ。かわいい新妻のために、お肉とってきて!」
「新妻って……。肉って、牛とか豚とか育てたり、罠で捕まえたりではないの?」
「牧場は魔物が寄ってくるから、かなりの兵隊がいないと無理なんだなぁ。罠は滅多にかからないし、鮮度が落ちるしね。」
なるほど、確かに一度の間に町の酒場で食べた肉料理は、かなり高かった、アンの所をでてからステーキなんて食ってないな。
「魔物の肉も食べれるの?」
「もちろん! 普通のお肉よりおいしいよ。でも高く売れるから、村では食べないよ、こないだのも売ってしまったしね。」
「そういえば、魔物売れるって言ってたけど、少しは俺にもくれるのかな。」
さくらが、びっくりしてベッド脇の机を指す。小さな麻袋が置いてある、中をみると、かなりのコインが、俺はなぜ気がつかないだろうか、弓といい目がおかしいのか?
「全部あるよ。」
「ん! 全部って、少しぐらい抜いてもきずかないでしょ。」
「そうなんだけど、お父さんすっごい弱気というか、信心深いっていうか。分不相応なお金を持っても、争いを生むだけだぁー。とか言うんだよ、ヒロはそんなこと言わないよね、ね。私にかわいい服買ってくれても、いいんだよ。」
「いいね、買ってきたら。」
袋をさくらに渡すと、明らかに怒らせたようだ、睨まれる。
「ヒロってば、女の人怒らせるの得意そう。」
「原因はよくわからないが、さらっと過去の傷をえぐるでない……。」
「妻としてお金の管理をすべて任せると言うのであれば……。」
「やめときます、お金は必要な時の為にとっときます。ではさくら先生、次は獲物の探し方を教えてくれ。」
「ヒロ、今までどうやって生きてたの?」
少女の本気で心配そうな目線が突き刺さる、俺には眩しすぎる。本当の事を話すと刃物が飛んできそうなので、笑って誤魔化す。昼からは、さくらの指導で猪を発見、あっさりと仕留めたが、近寄ってみると思っていたよりかなり大きく、軽自動車ほどもある、この世界はサイズがおかしい、通常は男衆総出での狩りとなる獲物で、重症者がでるのも覚悟でやるものらしい。村長に話して村へと運び、これはみんなで食べようと提案すると、村人達が集まり正式に紹介され、新村人の歓迎会となった。みなが謝罪と感謝を伝え、酒を注ぎ名前を言っていくのだが、一人も思い出せないない。明日からどうしよう、名札とか付けてくれないだろうか。




