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夢者  作者: 高島 良
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ビー玉へ

 ボロボロにされた三日後、やり過ぎたとアンからビー玉をもらった。不思議そうな顔してる俺に、使い方を説明してくれた、今まで紙に書いていた日記、まさにこの文章をビー玉に保存できるようだ。本人の魔力で書き込み、書いた人間の魔力で読む、その他の人間には見られることはないらしい、日記やメモぐらいにしか使わないらしいのだが、初めての魔道具にテンション上がって、とりあえず今までの日記をビー玉に移したが意外と疲れる、紙の議事録をテキスト入力するのと変わらない。よく考えれば、重力や風の影響を受けない矢も、魔道具なわけで、そんなに喜ぶようなことでもなかった。

 ヒモ生活とすっぱり受け入れ、日中の暇な時間は木刀を振り回し、その後弓の練習をする、正確には他にすることが無い。アンのサッパリした説明だと、魔力には火や水などさまざまな属性があり、黒や影と呼ばれる俺の属性は総じて剣が弱いらしい、遠回しに才能がないと言われているのかもしれない。それでも、死なない程度に鍛えなければいけないらしく、防御メインで練習しろと言われ、木の枝を複数ぶら下げて、避けたり剣ではじいたりと、アンに出された宿題をしてみるが、まったく面白くないので、数分で飽きてしまい、アンに上達しないと当たり前な事を言われたりする。

 弓はなぜかいくらやっても飽きない、アンが用意してくれた手袋のおかげで指の痛みもなく日に500本程度なら軽く撃てるし、30m程度ならドングリでも当たる、向こうの世界ならかなりの成績が出そうだが、動く的にはさっぱり当たらない。歩きながら撃ったりすると命中率がとんでもなく落ちる、魔法で誘導される矢とかないんだろうかとアンに聞いてみたが、可哀想な子みたいな目で見られた、こっちの常識が無いので、変な質問はしないほうがいいらしい。

 剣の練習や、弓の装備を支給されるということは、ただの愛人ではなく、アンは魔物の討伐や戦争で俺を使うつもりなんだろうか、その為の誘惑にしては色々とおかしい気もするが、アンがいないと生きていけないし、逃げ出すにもここがどこかも、どっちにいけば人に会えるのかもわからない、わかったとしても、今の生活を捨てるほどなにか目標があるわけでもない、人は楽なほうに流れていくものなのかもしれない。

 

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