山小屋へ
誰かが右手を優しくマッサージしている、柔らかい暖かい女性の手、ここ数年触っていないが、懐かしい感触。いい記憶だけではない、どの女性も最後には、罵倒と共にほほに強烈に飛んでくるビンタで終わる、拳はあまりなかった気がする、あの拳はなんだったんだろう。
しばらくして目を開けると、優しい笑顔の女性がこちらを見ている、歳は20代後半ぐらい同じ歳ぐらいだろうか、ほほのふっくらした可愛らしい天使。起き上がると、手を離し、目を除いて近づいてくる、甘い女性の香り、近くでみるとそのふわふわとした空気が猫みたいだ、抱きしめたい衝動にかられる。左右に揺れながら、目を観察している、我慢できず抱きしめる、暖かい、人の温もりが伝わってくる。彼女はそっと頭をなでる、ここは天国か、羽は無いようだが、天使なんだろうか?
我に返り、彼女から離れる。どう考えても俺が天国に来るはずはない、すいませんと彼女に詫びても、首をかしげて反応が無い。彼女は何も話さない、なにも通じていないところを見るとまだ生きていて、魔力の存在する地獄にいるようだ。孤児院の美少女もそうだが、地獄にこんな可愛い人がいるのはおかしいな、やはりまだ存在すら知らなかったゲームの世界にいる気がする。
彼女は、なにか思い出したように、テーブルから小さなメモ紙をわたしてくれた、それはケンからの手紙というかメモだった。
ヒロへ、まだ会話できない時の為にメモを残す。なかなかの活躍だったな、軍から出た報酬は机の上に置いておく、骨董屋と大工への支払いは抜いてあるから気にするな。魔力はすぐ戻るが、筋肉へのダメージ回復はしばらくかかる、向こうにいた時よりも無理出来るから、筋力も最初はかなり付くはず、筋肉痛は倍以上くるからあんまりむちゃすんな。誘拐とかされてなければ、このメモを渡してくれた人はアンっていう、いわゆる整体師・治療師? みたいな人、ぜったいに手をださないほうがいい。
それから、しばらくは出歩かないほうがいい、鎌倉時代に高性能ライフル持ってるようなもんだから、間違いなく危険人物、仲間じゃないなら殺そうって奴がおおい世の中だから、しばらくはおとなしくしといて。
これだけか! 情報すくなすぎるだろう、ここ何処? 地名を聞いても、それは意味ないだろうが。あらためて見渡すと、小さな山小屋の様、まどの外は雄大な山々と草原に林、巨大ブランコで遊んでる少女の笑い声が聞こえてきそうな景色。そして手をだしてはいけない美女、やっぱり地獄か。




