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「到着です」
広い草原の真ん中に転移される。
空は快晴で、洗濯日和だ。
おやだかな風が吹き、気持ちが良い。
「この近くにルアン村が有りまして。かなり弱くなった私が身を寄せている所なんですよ。そこに武具と防具を隠してあります。取りに行きましょう。何も無いよりは有った方が良いですよ」
ティアに言われ、ルアン村へ赴く。
一時間弱、歩き続けた結果。
3軒しか建っていない小さな村に辿り着く。
「実はここ、誰1人も住んでいません。捨てられた村です。昔はもっと沢山居たんですが・・・・・。色々ありまして」
ティアは咳払いの後に、一軒の家を指差す。
「そこは私が勝手に使っている空き家です。先に武具と防具を確認しましょう」
*
家の中には掃除していて、綺麗に見えた。
灯りはランタン。
食料はティアが調達した物。
料理は手間が掛かった。そこら辺にある、木々の片きれを集めて、火を起こし。
その上で小さな鍋を載せて野菜などを焼いた。
外で料理した為、寒かった。
ただ、幸い、夜天に星が沢山輝いていたので、こういうのもいいと思った。
「いやー。手間を掛けて、作った料理は旨いですね!」
ティアは僅かな料理でも美味そうに食べる。
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脳裏に台詞の選択肢が思い浮かんだ。
A:「そうだな。美味い」
B:「ああ。早く故郷に戻りたい」
ゼロはA:「そうだな。美味い」を選んだ。
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「いやぁ、ゼロさんが頑張って作ったからですよ!」
ティアは笑顔でゼロの料理を褒めた。
その後、咳払いして、彼女はゼロの顔を見つめて、恐る恐る話し出した。
「ゼロさん。その・・・・これからの行動の話ですが・・・・。私はここを拠点にして、様々な所に行きたいと思っています。私はゼロさんから離れる事ができせん。無理矢理にはしません」
ティアの手が明らかに震えている。
「言葉の通り命がけの冒険です。嫌だったら、畑を掘って野菜を作って暮らす事も可能です。その時は私も精一杯働きます。ここの世界は死んだら蘇ったりはできません。それでも私に付いてきてくれますか?」
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脳裏に台詞の選択肢が思い浮かんだ。
A:「ここまで来たら、やるしかない」
B:「安全に暮らしそう」
ゼロはA:「ここまで来たら、やるしかない」を選んだ。
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「ゼロさん・・・・! ありがとうございます」
ティアは涙目になりながら、ゼロに感謝する。
「でも、無理に冒険はできません。まずは武具と防具に慣れてから、少しずつ行動範囲を広げましょう。それでいいですね? 幸い、ここは魔物の気配が居ません。なお、魔物という存在の説明は明日にします」
ゼロは頷いた。
ティアは安心したようにため息を吐き、星空を見上げる。
「私の我が儘に巻き込んですいません。いつか、ゼロさんが故郷に帰れるように、私も頑張りますね!」
その言葉を聞くと、体の中から熱い何かが沸いてくる。
拳を握り締め、これからの決意を固める。
すると、急に眠気に襲われる。
「そろそろ寝ましょうか。ちょっと寝づらいですが、我慢して下さい。すいません」
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脳裏に台詞の選択肢が思い浮かんだ。
A:「大丈夫。さあ、明日はどこに行こうか?」
B:「問題ない。寝れる」
ゼロはA:「大丈夫。さあ、明日はどこに行こうか?」を選んだ。
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「それは明日の朝で考えましょう」
ティアの苦笑いと言葉を聞いた後、空き家に入り。
すぐに床を転がり。
深い眠りについた。
打ち切りになりました。




