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PC版ギャルゲーを思い浮かべながら、書きました。

「一つの壮大な物語」ではなく「一つの冒険」として書いていきます。


作者がキャラになりきって楽しむものです。





「ああ、貴方が勇者様ですね」


目の前の幼女ーー背中に羽根が付いていて、物凄く小さいーーから、突如そんな事を言われた。

首を傾げて、疑問をぶつける。

すると、幼女(というか、妖精っぽい)は上に指差す。

それを追うように、視線を上に移す。

白い。

ただ白い空だ。

上も右も左も下もーーただ白色の空間が広がっている。


「ご理解頂けましたか? ここが貴方にとって、知らない所であることを」


自分が頷くと、幼女は満足したのか、微笑む。

しばらくしてから咳払いして。


「では、何故こうなったのか。それを説明させて頂きます」


丁寧な口調で話を切り出した。


「自己紹介が遅れましたね。私はティア。神々を統べる王ーーだった者です」


ティアーー(妖精っぽい)幼女ーーの言葉に、眉が潜める。

しかし、彼女の顔は曇り一つも無く堂々している。


「私は、とある世界を運営していました。しかし、邪神と争いを続けている途中、腹心の味方が裏切ったのです」


ティアは長いため息を吐き。


「神々を統べる王の座に追われ、力もほとんど失いました。それでも私は信じれません。味方だった人はあんな事をするような者ではありません」


拳を握り締め、わなわなと震える。

何かを決意したような鋭い目つきになり。


「彼女は恐らく邪神に妄言を仕込まれたのでしょう。きっと間違いません。私は諦めません。必ず邪神を倒して、世界を取り戻してみせます」


ティアはすうっと自分に近づき、凜とした声で呼び掛ける。


「そこで残り僅かな私の力を以て、天に祈りを捧げ、召喚術を発動させました。そして、現れたのが、貴方です。かつて言い伝えに、召喚術に現れし者が勇者であると言われています」


上目遣いになり、何かを言いたいような顔つきで。


「勇者様。貴方は今の状況に惑っています。ですが、どうか、今一度私に力を貸してくれませんか?」



ーーーー



脳裏に台詞の選択肢が思い浮かんだ。


A:「協力する」

B:「断る」



”自分”はB:「断る』を選んだ。



ーーーー



「何でですか!? あっしの言葉が間違っていたっすか!?」


自分の台詞に、叫ぶように場違いな言葉がティアから漏れる。

直後、ティアは青醒め、口を押さえる。


「その・・・・・。違いますよ? 私は私ですよ? 決して、三下キャラではありませんよ? あっ、何ですか、その目。いいっすか!? あっしは元女神! いやぁ、女神らしくしないと威厳がぁああああーーーーーー!!!」


遂にティアは狂ったように叫び始めた。

自分は頭を抱えた。

ティアが王の座を追われた理由が分かったような気がした。


数分経った頃、落ち着きを取り戻したティアが咳払いをする。


「えー。ごほん。もう一度言いますね。私は貴方の力が欲しいです。今は弱いでしょうが、いずれ、世界を代表する英雄になる素質が貴方の中に秘めています。これも縁の一つ。どうか、私に力を貸してくれませんか?」


自分は少し考えた後、様々な疑問をティアに尋ねた。

元の世界の帰還方法は?

何かチートは貰えないか?

そもそも、英雄になれるのか?


その全ての疑問は、ティアのたった一言によって片付けられる。



「根性と気合いで何とかしましょう!!」



自分はティアに腹パンしたくなった。

思いっきり強く。

しかし、ティアを良く観察すると、彼女は可愛い。

緑色の服。ふわふわのツインテール。所々におしゃれに気を遣っている。

身長が普通だったら、結婚したいほど。

よって、腹パンはしせず、しばらくシカトする事にした。




よし。”自分”の名前を決めよう。


『ゼロ』にした。





「では、ゼロさん。これから、私の転移魔法陣で、かつて運営していた世界へ行きます。覚悟はいいですか?」


ティアに問いかけられ、自分ーーゼロは頷いた。


「それじゃ、レッツゴーです!」


足元に、紫色の魔法陣の形が成す。

直後、視界が紫色に満たされたーー。



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