《誰がために》
愛するとはどういうことだろうか。
損得勘定なく相手に尽くすことだとか、ただ相手の幸せを眺めているだけで幸せになれることだとか、見返りなど求めず心を注ぐことだとか、様々な形がある。
どれも他愛ない、愛という他ないものばかりだ。
なるほど、ただ相手のことを想い、相手の為に全てを捧げることを愛と呼ぶようだ。
ならば、僕には愛はないのだろう。
彼女が楽しそうにしていれば僕も楽しいし、彼女が困っていれば何かをしてあげたい。だけど、僕は彼女を理解出来ていなかった。分かっている気になって、彼女も僕と同じ気持ちでいてくれると勝手に思い込んでいた僕は何も分かっていなかった。
だから、彼女は去ってしまった。
そして僕は考える。他人の、彼女の気持ちを。
けれども答えは出ない。出るはずがない。僕は僕以外じゃあり得ないのだから。
結局、推測の域は出られない。正解は本人に答え合わせしてもらうしかないのだ。
彼女にはもう、答え合わせはしてもらえないけれど、新しい出逢いの際には、相手を想い想像しよう。もちろん、答え合わせも忘れずに。
そこまで考えて、ふと思う。
未だに彼女の事が忘れられず、何年経っても薄れる気配もないこの想いを持って、果たして他の誰かを愛せるのだろうかと。
消せないこの想いは何なのだろうかと。
単なる未練なのだろう。
独りよがりの想いなのだ。
不様なだけの感傷なのだ。
そんな僕が、どうしたら人を愛せるのだろうか。
考える。
答えはきっと見つからないだろう。
そもそも、考えるようなものではないのだから。
それでも、考えずにはいられない。
僕は考える。
なぜ?
僕は考える。
どうして?
僕は考える。
一体なにを、なんのために?
僕は、考える。
深夜の風呂にて着想。
ちょろっと書いてみたけど、黒歴史化する予感しかしない。
ちなみに「他愛ない」は字面からわざと誤用していマス。紛らわしい事をしてすいませんm(_ _)m
以上、拙作を御覧下さりありがとうございました。
心より御礼申し上げマス(*^^*)