大会後
大会が終わった翌日、俺は二日酔いに悩まされていた。
大会が終わり、そのまま俺はとある店に連行され
センカたちと楽しんだのだが……
「未成年だから」か、
「飲みすぎたから」
かわからないが、兎に角気分が悪い。
朝目覚めて海岸で寛いでいたが、その時何回嘔吐したことか……
『カズキはいるか』
「なんだよ……俺今気分が悪いんだ」
『薬持ってきたぞ』
「何!?」
俺は薬を受け取り、薬を飲み込む。其の後お礼を言い
今日やる予定の作業をすることにした。
今日やる予定の事柄は、
・海水を水へ変える簡単な装置を作る。
・魔結晶の実の補給を行う。
・家を拡張する。
海水を水へ変える装置は鉄とミスリルとゴム(この世界にもあった)で作ることにした。
まず、箱状のものを作り、上の方に水蒸気を出す穴を開けてゴムで別の箱へ接続する。
簡単に言えば、蒸溜だと思えばいいだろう。
ここで、なぜ蒸留をすることにしたか、説明しよう。
蒸留水の原料となる水には、様々な物質が混じっているのが普通である。
蒸留という操作は、外部から熱を加えて水を一旦沸騰させて水蒸気にし
その水蒸気を冷却して液化することに他ならない。
まず原料の水が加熱されると、一般に温度が上がると溶存しにくくなる二酸化炭素や酸素などの気体が、原料の水から追い出される。
沸騰する前に水の中に見られる気泡は、このようにして気体成分が水から追い出された結果現れるのである。
そしてさらに加熱されて原料の水が沸騰して気体の水蒸気になった時に、まだ液体のままの原料水の中に、
それまで溶かし込んでいたさまざまな溶質を残していってしまう。
もちろん水に不溶の微粒子も、液体のままの原料水の中に残される。
したがって、液体のままの原料の水の中には、それまで原料の水が含有していた水以外の成分のうち、
水よりも揮発しにくい成分が濃縮されて残される
(この液体のままの原料水が蒸留という方法を使った時に必ず出てしまう排水である)。
なお、蒸留水を作る場合、水蒸気が分解されるような高温にならないように留意する必要があることは言うまでもない。
原料の水から出た水蒸気は、蒸留器の上部から出て行き、その先で冷却することで再び液体の水に戻される。
こうして再び液体に戻された水が、蒸留水である。
この蒸留水を貯める容器は予めよく洗浄してあるので、蒸留水は原料の水に比べて、純度の高い水になることができるわけである。
もっとも、この後再び空気中の気体が溶け込んできたり、空気中を浮遊している微粒子が混入したりする恐れがあるので蒸留水の扱いには注意を払う必要がある。
ただし、海水を飲料水として利用するために作った蒸留水であれば、このようなことは通常問題にならない。
他にも、濾過という方法があったが、何度も繰り返した割りに水の純度は蒸溜水よりも低い。
また、濾過している最中、不純物が混じる可能性が高い。
「完成。貯める容器も作ったし、10㍑程生成しとくか」
俺は水を組み、簡易蒸溜装置に流し込み、熱を加える。この部分は鉄にしているため熱が伝わりやすい。
が、時が経つに連れ、錆びるのでちゃんと保護の魔法をかけている。
「さて、塩も出来たことだし、魚でも捕まえて塩焼きにでもしよう」
勢い良く海の中に飛び込み、魚がいるか確認する。
言っていなかったが、ここの海は人工物が全くなく、綺麗な海だ。珊瑚は勿論、色取り取りの魚が泳いでいる。
また、比較的浅く、波も穏やかだ。
それに、魔獣はおらずに普通の生き物が平穏に暮らしている。
この世界では珊瑚やこういった地形があるのは珍しいことだ。
人の暮らすところには港があり、川の流れも一部変えられているところがある。
何より下水処理能力が低いので、汚い水が海に流出している。
天敵がいなくて警戒心が低いのか……それはそれでいいが……面白みがない。
俺は手掴みで捕らえるのを諦め、砂浜に上がり、服を乾かす。
「先に魔結晶の実を集めて釣竿を作るか。糸は……丈夫な木の枝を使うとしよう」
【漆黒の翼】を発動させ、森林の方へ向う。
「やっぱり飛んでいると気持ちがいいものだ。……この辺りだな」
静かに降下し、有る程度の高度に落とし、魔結晶を20個ほど鞄にしまい、地面に脚を付けた。
「これと…これを付けて……釣り針は……ミスリルでいいや……これで大丈夫かな?でも、今のうち鉱石、木材を採取しておいた方がいいか」
この後、俺は木材、鉱石を大量に採取し、家の前の砂浜に戻った。
「まずは掘削をするとしよう」
一部通路みたいなの作って遊戯室とか作ってやんよ。
魔獣とか銃撃出来るようにしたろうかな。
【賢者の知識】を使えばある程度は再現できるからな。流石に材料が手に入らない場合は無理だが。
だから、魔導銃を作るつもりだ。
「材料は……実験だから木材にするか……こんなもんか?」
木製なので、火気厳禁。
早速魔力を流し込み引き金を引いたその瞬間、木製の魔導銃は何らかの原因の爆発で焼失した。
「魔力流し込み過ぎたか……
でも……爆発するほど魔力流したってことは魔力銃弾はそれなりの威力を持って飛んで行ったんだよな……
近いところでも5000kmは離れているんだ。大丈夫、だよな……
何も見なかった。俺は何も見ないで釣り道具を作っていたんだ。うん」
俺は遠く彼方へ跳んで行った銃弾の方を暫く見続けたが
特に様子が変わったわけではないので釣り道具と橋を作るための木材を持ってほんの少し離れたところで作業を開始した。
「とりあえず支柱をミスリルにするか」
俺は第一の家から橋を別の巨大岩の手前まで掛けることにした。
後から聞いた話なのだが、俺の家があるところは昔、とてもおおきい一枚岩があったそうだ。
だが、波や潮風などによる浸食、風化で崖のようなものが出来
その崖に砂などが飛ばされ、積もったのが今の状態で、砂を全て取り除いたら下に岩と岩の亀裂が入っているのが見えるだとか。
一先ず、縦10メートル直径25センチメートルのを2本一組として3,5メートル置きに計20組を配置する。
また、家を作る時と同じ様に耐震化にするため、斜めのミスリル柱を交差させて設置した。
其の後、高さ2メートル置きに高さ6メートルまでミスリルの床、それ以上を木の床をそれぞれ接合し、木製の手摺り、高さ1メートルの壁を設置して一応完成した。残り1メートルほど巨大岩とは離れているが、掘削して空間を得ることができればちゃんとかけて結界を張るつもりだ。
「削れ水よ、高圧水」
高圧水により、岩の表面が削れて行く。
「やっぱり掘削機擬きを作った方が早いかな?いやでも数を増やせば大丈夫かな……どうだろ……
高圧水ってこう言った分野では鉄を切断するためにあるからなぁ……もっと圧力掛けるか」
高圧水を使用して3時間、奥行き2メートルほどの穴が出来ていた。
「後は炎上やら爆破やらでなんとかするか……にしても、何で疲れないんだろう……」
俺はそう言いながら結界を張る。不要な部分は張っていないが。
後奥行き8メートル高さ3メートルほどのが欲しいくらいだ。
「溶かせ炎よ、火炎砲……こんなもんだな。橋を架けて、第二の家完成っと」
まだ完成したわけではないが。
支柱を立てて、耐震化して、魔石を使って、はい終了。
「さてと、釣りでもするか」
橋を架けた理由はいちいちしたを通って行くのが面倒だからのと、釣りの時に活用しようということで予め釣り道具を2階の真ん中に設置して置いたのだ。餌は第一の家の水溜りにいた海老を使っている。
「お、かかった!!」
でかい。名前はよくわからないが、人に害はないようだ。
俺はこの後、10匹ほど魚を釣り上げ、そのうちの3匹を塩焼きで頂き、6匹を保存、1匹は次の釣りの時の餌に使うことにした。
また、余談だが木製魔導銃から打ち出された魔弾は遥か5000キロほど離れたところにある、一つの港町に大打撃を与えたのだった。
そのことを和樹はまだ知らない。