神々のミーティング
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「あー、もう、ほんとありえねえよヤハ田の野郎!」
「どうしたの?」
いつになく声を荒げるユピ川に、アフラ沢はあまり気乗りしないながらもそう尋ねた。
「どうしたもこうしたもあるか、何だよ10マナ12/12貫通打撃持ちって! それが5ターンで出るって!」
「つまり、また負けたのね」
アフラ沢はそう言って苦笑する。一体何でそんなに怒っているのかと言えば何のことはない、今彼らの間で流行っているカードゲームの話だ。
「あんな化け物、倒せる訳ないだろ!」
「そうでもないと思うけどなあ」
確かに、攻撃力、防御力ともに12というのはかなりの驚異だ。単独で勝てるカードなど殆どない。
「単独で倒せないなら、複数でかかればいいじゃない」
「それが、あの野郎、そいつに『先制攻撃』と『決闘』もかけやがったんだよ!」
「そりゃ酷い」
カードゲームのルールとして通常、攻撃は同時に行われる。敵の攻撃に耐えられなくとも、こちらも相手を倒せれば相打ちですむ。ところが『先制攻撃』を持っているとなれば話は別だ。とにもかくにも相手の攻撃を一撃耐えないことには、こちらから攻撃すら出来ない。
そして更に厄介なのが『決闘』だ。これがついていると、一対一で戦わなくてはいけない。つまり、単純に相手より強いカードが必要なのだ。
「そんなんに勝てるカードなんて、俺のデッキには入ってねえよ……」
「うーん……」
アフラ沢は正直どうでも良いと思ったが、何度戦ってもヤハ田に勝てないユピ川の事は少し哀れに思った。
「シルヴァなら、勝てるかもしれないな」
「シルヴァ? なんだそれ?」
聞きなれない名前に、ユピ川は首を傾げる。
「これだよ」
「2マナ1/1? 雑魚じゃねえか!」
そして見せられたカードを、ユピ川は即座に地面にたたきつけた。
「酷いなあ。よく見てよ。こいつは能力が肝心なんだよ」
「能力ぅ?」
床に落ちたカードを拾い上げ、ユピ川は疑わしげな表情で目を走らせる。
「全てのシルヴァは能力を共有する……なんだそれ」
「シルヴァには色んな種類があるんだ」
例えばこれ。と、アフラ沢は一枚引いて見せる。
「女シルヴァ……1マナでシルヴァを一体増やす? 雑魚を増やしてどうするってんだ。だいたいこんなの、ただの繁殖能力だろ、珍しくもない」
「まあね。じゃあ、これは?」
「体育シルヴァ……全てのシルヴァを+1/+1する、か。まあまあだな。女シルヴァで6体まで増やせば……いや、駄目だ。『先制攻撃』で皆ぶっ殺されるし、そもそも『決闘』があるんだっての!」
「でも、時間稼ぎにはなるでしょ? それにシルヴァはまだまだあるんだよ」
ぽいぽいと、アフラ沢はカードを出していく。
「農耕シルヴァ。女シルヴァが生むシルヴァの量を倍にする。
武器職人シルヴァ。全てのシルヴァを+2/+0する。
防具職人シルヴァは+0/+2。そしてこの鉄器シルヴァを出せば、武器職人と防具職人の能力はさらに倍になる。馬使役シルヴァを出すと更に+2/+2で、体育シルヴァを入れて8/8。後は君お得意の『英雄化』でもかけてあげれば、13/13のシルヴァが出来るだろ」
「……すげえな……」
「ま、『火薬シルヴァ』『銃火器シルヴァ』『核兵器シルヴァ』まで出せれば英雄化なんてなくても普通にどんなのが相手でも勝てるけど、そこまでやるのはこのターン数じゃ辛いかな」
「待て待て待て。それ、『全てのシルヴァが同じ能力を持つ』んだろ……? 一匹一匹が、そんな化け物を超えた化け物になっちまうってのか?」
「そう」
アフラ沢はカードで口元を隠し、薄く笑む。
「そんな化け物に、なっちゃったのさ、彼らは」
※自動翻訳ここまで
かくして神によって産み育てられた英雄パーキュースは、二人の鍛冶師によって作られた剣と盾とを携え、海の怪物ラーケヌを見事打ち倒した。そして彼の作った国ルメスは、長く長く繁栄を遂げる事となった。