LOOF
小説を書き始めて2作目です。
初めてのホラー。人を怖がらせるコツがいまいちつかめませんが、ストーリー性には自信があります。
どうか最後まで読んでください。
クライマックスが一番の自信です。
事件
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「え〜、こちらは事件が発生した滝の水中学の校舎前です。われわれ報道陣の人数とその他外部者の人数が凄い数です。それだけ、事件の大きさが改めて実感します。」
「今朝、7時ごろ、意識不明の生徒5人と、1人の生徒が教室内で発見されました。教室には全窓鍵が掛かっており、警察は集団心中事件として捜査しています。ただいま1人の生徒を警察に保護し、生徒の安定を待ち次第、事情聴取を行う予定です。」
滝の水中学で起きた集団心中事件。警察は、生徒になんらかのトラブルがあり、夜に教室で集団心中を図ったとして調査した。完全な密室、無事保護された生徒の発言も的確なものではないと判断され、この事件は生徒6人による、集団心中と判決がおりた。
しかし、この事件、不可解な点が何点もある。
一つはこの生徒6人に身元で何かトラブルがあるか調べたところ、6人とも家庭や塾、学校など、身の回りではトラブル、事件は何も見つからなかった。
もう一つは、少年の発言。警察は少年の発言に的確性、そして、事件の衝動から来た現実味のない発言として、少年の発言を闇に消した。
暇つぶし。
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「なんか暇だな。」
「あぁ。」
高校2年の初学期の期末テストも終わり、後は夏休みを待つだけだった。俺と俊也は、部活や習い事は大して習っておらず、毎日、バイトで、遊ぶ金を作り、過ごしていた。
「京一、今日俺んちくるだろ?泊まってけよ。」
「そうだな。やる事もないしな。明日学校ってどっか行くか。」
「いいねぇ。」
京一と俊也は学年でふたりとも常にトップクラスの順位だった。特に俊也はIT企業からスカウトが来るぐらいのパソコンオタク。だから少し授業をサボったぐらい、なんともなかった。たまにこうして、2人は学校をサボり、出かけたりする。
梅雨も終わり、蒸し暑い日々が続いた。日が暮れるのも遅く、京一と俊也は毎日楽しい事を探していた。
俊也の趣味はネットサーフィン。様々な掲示板、ブログで人と知り合いネットの中じゃ、かなりの顔を持っていた。
その日は珍しく雨が降った。何日ぶりだろう。ずっと晴天だったから、今の強い雨が嘘のようだった。まだ夏の5時だと言うのにあたりは雲で真っ黒に染まっていた。
俊也はある掲示板から、怪談話というジャンルを見つけ出した。別にただの一般サイト。ただなんとなくサーフィンしてるだけで、別に特別な感情、嬉しさや楽しさは感じなかった。
ただなんとなく。
そんな気持ちで俊也は怪談話のジャンルを見渡しているとあるスレッドが立っていた。
「なんだこれ。」
興味
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夏休み前で学校は半日授業に入った。一日3時間の授業。ほとんど成績は期末試験で決まってるから、こんな短縮授業なんてただ出席してるだけでよかった。
2時間目の放課の時に京一は俊也に呼び出された。
「面白そうなの発見したぜ。」
「ほぉ」
「怪談話しない?」
「はぁ?」
京一は俊也の発言に愛想をつかした。何言ってんだこいつ。
「あほか。」
「怪談って言っても話するだけじゃつまんないだろ?ゲームなんだよ。」
「ゲーム?」
「そうそう。こっくりさん知ってるよな?そんな感じのゲームなんだよ。」
京一は少し興味を持ち始めた。ばかばかしいという気持ち反面、暇で何でもいいから快楽が欲しいという気持ちも半面。京一は少し耳を貸す事にした。
「どんなのだよ。」
「まぁ、あとで話すから参加したそうな奴集めようぜ。」
そうして、京一と俊也は怪談話に参加したそうな人間。というよりは暇そうな人間を探した。
授業後京一と俊也を入れて6人で教室に残った。俊也が5人に、ゲームの話をした。
「・・・ってなわけなんだよ。」
「へぇ。」
「面白そうじゃん。」
大輔が話に載ってきた。
「暇つぶしにはいいかもな。」
「ただの怪談話だしな。」
「いいよ。参加してやるよ。」
この怪談ゲームをやる事になった。実行日は明後日の夜9時に校舎前。俊也が教室の窓を細工してあけておいてくれるらしい。
ただの暇つぶし。みんながそう思っていた。
笑顔
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俊也が京一を家に呼んだ。
「京一。面白そうなの見つけたんだよ。ちょっと見てみろよ。
」珍しく俊也が嬉しそうだ。そんな俊也の笑顔を見るのはいつ振りだろうな。
「ちょっと見せてみろよ。」
そして京一は明日やる怪談ゲームの詳細が載ったサイトを見せてもらった。
【LOOF】
〔ルール〕
・ゲームの司会者が話の進行を初めて、5分以上進行話を聞くと、そのゲームは強制参加になる。
・その進行中に話を抜けると、身に危険がふりかかる。
また進行中にふざけたり、進行の妨げになると、身に危険が降りかかる。
・話の内容は頭でイメージを抱きながら、聞く。そうしないとゲームに失敗しやすい。
・進行の話が終わったら、手をつなぎ、LOOFを3回みんなで唱える。ちゃんと合唱する。しないとゲームに参加できず、
身に危険がふりかかる。
LOOFのルールを見て、これは少しばかり本格的なゲームかもと、少し期待を胸に寄せた。
「まぁこのゲームの趣旨である進行は俺がするから。進行内容はちょっと訳あって見せれないな。というかそう書いてあるし。」
「何か本格的だな。ただの暇つぶしじゃないのか?」
「まぁまぁそう言わずにさ、ただの暇つぶしでも楽しく工夫すれば面白くもなるぜ。」
そういうと少しばかり俊也は顔色を変えた。真剣なまなざしだ。ただの暇つぶしじゃないのか。突っ込みたくなった。
「そんな事より本題はこの先のサイトにあるんだ。ある不可解な事件情報についての、少しばかり裏の人間が経営している掲示板を見つけてな。いろんな情報を見つけたんだ。これを京一には見てほしいんだ。」
俊也は真剣だった。バカらしい。暑さで馬鹿になったのか?
子供だましに。でも無理に突っ込みを入れて俊也が怒るかもしれないと思い、京一は俊也の言ってた不可解な事件の掲示板を覗いた。
〜ゲームの内容〜
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〜重要〜
これはLOOFの進行者がゲームを進める上でのルールである。このルールを破れば、身に危険が降りかかる。
・この後に記された進行内容をゲーム開始前に参加者に伝えるもしくは読まれて内容を把握された場合は、身に危険が降りかかる。
・ゲーム進行に失敗し、ゲーム参加者に間違った内容の認識をされたら、身に危険が降りかかる。
・この後に記された進行内容を読んだ場合は5日以内にゲームを開始しなければ身に危険が降りかかる。
・ゲーム実行は第三者に見られない場所で行わなければならない。見られた場合は身に危険が降りかかる。
では、これから、LOOFのゲームの内容を記する。
「目が覚めると、一人の少女が倒れている。その少女は全身やけどを負っている。少女は激しい剣幕で助けを求めている。少女の横を通りすぎると、一軒の小屋が見えてくる。この小屋にはいろいろなものが置いてある。この小屋から、「ピンセット、塗り薬、包帯」を持ちだし、来た道を戻り、少女の手当てをする。手当ての進行順番はこの記の通り。(ピンセットで蛆虫を取る。→塗り薬を全身に塗る。→包帯を全身に巻く。)
そして、手当てを終えたら、傷の癒えた少女は穏やかになる。そこへ交渉をする。「元の世界へ戻してください」と。
すると。現実に戻れる。
記の進行を5分以内にこなさなければ、現実の世界に戻れず、やけどを負った少女と幻の世界で永遠にさまよい続けるだろう。
匿名
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京一はその不可解な掲示板を見た。今までただのLOOFを暇つぶしとしか考えてなかった京一が思わず、ぞっとするような内容が書かれていた。
「2002年11月、滝の水中学で生徒の集団心中か。意識不明者5人。意識不明者いまだ意識戻らず!」
100.匿名
「(生存者一人は意識が回復し、警察は事件の聴取をしたところ、少年は【ゲームをやった。名前はLOOF。】としか言わなかった。)だってさ。」
101.匿名
「この少年病気かww」
102.匿名
「密室での心中か。。そそられるね。」
103.匿名
「LOOFか。。」
104.匿名
「LOOF検索しました。何か怪談のゲームって出たよwwそんなんで人が危めれるかって話。」
105.匿名
「だね。」
106.匿名
「でも怖いね。。」
107.匿名
「この生きてた少年は、聴取で心中とは言ってないんだよね。」
108.匿名
「だろ。「LOOF」って言葉しか聴取できなかったんだもんな。」
109.匿名
「じゃあ本当にゲームで意識不明になったりしてね。。」
110.匿名
「www」
何だこれ。数年前の集団心中の話は聞いた頃があった。ある中学校の教室内で生徒数人が集団心中したって。この事件にLOOFが関連してる?そんな馬鹿な話が。作り話に決まってる。
京一は掲示板の内容をまるで信じようとはしなかった。
「作り話だね。」
「だよな。ちょっと心配しちゃったよ。」
「そうだよ。ただの怪談でばかばかしい。」
京一は最後まで信じようとはしなかった。そして明日はその怪談ゲームを実行する日。
教室
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暗い夜道を歩き始めた。街頭に蛾やら、虫やらが集っている。歩く足音が大きく響く。コツコツコツコツ。。今夜は満月だ。月の光が綺麗に町並みを照らし出している。少し歩いたら大きな門が見えてきた。
そこには数人の若者が立っていた。俊也たちだ。
「京一来たか。」
「まぁ暇だしな。みんな来たか?」
「ああ。お前が最後だ。」
そういうと俊也は歩き出した。校門を飛びあがって入る。少しスリリングの進入だ。俊也に付いてくと、トイレの裏口が開いていた。この裏口から校舎内に入れるらしい。少し臭いは気になったが、誰も文句を言わず裏口を抜けて校舎内に入った。
そして廊下を少し歩いて階段を上ると、京一たちの教室にたどり着いた。トビラの鍵は閉まってる。
「こっちだ。こっち。」
俊也はそういうと、下の小さな窓が一つかぎが開いていた。
そこからくぐって教室内に進入した。
「なんかドキドキしたな。」
「あぁ。」
「これからもっとドキドキするぜ」
「くだらないな。。」
「もりさげるなよ京一!」
「ごめんよ。」
そういうと俊也たちは机を端にずらし真ん中に空間を作った。ちょうど6人が丸まって集まれる程度に。
「さぁはじめるか。」
「うん。」
真ん中の空間に6人が集まった。
「まず輪になれ。」
みんなは言われたとおり輪になった。
「今からルールを説明する。」
俊也はルールを全部説明した。
「抜けるなら今だぜ。」
・・・・・
「全員参加だな。ここから先は抜けれないぜ。5分立ったからな。」
「ばかばかしい。」
直樹が言った。
「おいふざけんな!」
「はいはい。」
「じゃあ本題に入るからな。」
俊也は話し始めた。上手く話せてるか心配だった。俊也は京一にバカにされながらもあの掲示板の記事が嘘には見えなかっただから本当に信じた。みんなにちゃんと伝わるだろうか。緊張の面持ちで話を続けていると直樹が立ち上がった。
「やめたぜ。かったりぃ。」
「やめろって。直樹。」
「なんか雰囲気がダサいよ。ただの怪談で。」
そして直樹は教室を出ようとしたとき、
ドサッ・・・
うおぉぉ!!!!
直樹が急に倒れだした。何があったんだ。みんなはいっせいに叫んだ。中心で出来た輪が崩れ始める。
「おいだまれ!」
俊也が叫んだ。
「もうゲームは始まってるんだ。これでもうこのゲームが本物だってわかったろ?あいつはゲームを馬鹿にして、抜けよう
としたからな。」
「もう抜けれないんだな。」
京一が言った。京一は直樹が倒れてこのゲームを信じた。俊也が真剣なのも今になったら理解できた。
「さぁ再開するぜ。」
闇の中へ。
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俊也が話し始めて何分が立っただろうか。ふざけ気味だった夜の教室の雰囲気が今では冷や汗をかき、酸素さえ生ぬるく感じる、そういう行き詰った雰囲気になっていた。みなが真剣に話しを聞き、質問を繰り返し、していた。
「これで話は以上だ。」
ようやく話が終わった。
「これからが本番だぜ。」
「そうだな。」
「怖いよ。。。俺。」
「俺も。」
みんなの恐怖の声が教室に響き渡る。
「さぁ呪文を唱えようぜ。」
みんなは手をつなぎ始めた。
「みんなでいっせいに唱えるんだ。」
「いくぞ。」
「L・O・O・F・L・O・O・F・・・・」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・暗い。闇だ。
どこだここは。怖い。誰かいないのか。何も見えない。
・・・・・ん
京一は目が覚めた。ここはどこだ。あれ、みんなは?ほんとに来てしまったのか。幻想の世界へ。信じられない。本当にあの内容どおりなら、この先に全身火傷の少女がいるはずだ。制限時間5分ってのを思い出した。
少し早歩きで目の前の一本の道を歩き始めた。
少女
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一本の白い道が真っ直ぐにつづいている。その道の周りには草原が広がっている。果てしないように広く。空は薄暗く光はない。空気はなま暖かく、肌寒く感じる。歩いても同じ風景が続く。
しばらく歩いていると京一は周りの空気、雰囲気の異変を感じた。すると目の前に少女が倒れているのが見えて来た…。京一は恐怖を覚えた。
「マジかよ…。いたよ本当に…。」京一は少女に近づいた…。少女は体中皮膚が爛れていて頭部の損失は一番酷い…。異臭を漂わせ、体中に膿や蛆虫が張り付いている。
京一は目を覆った…。酷かった。何でこんな…。京一は吐き気を感じ、横の草むらで吐いた…。
少女は京一を見つけだした。目が合い京一はほんの一瞬金縛りにあったような感覚に襲われた。
助け、て、お兄ちゃん…。痛いよ…。痛いよ…。
京一は恐怖に脅えた…。怖い…。今にも襲ってきそうだ…。それよりまず早くて当てをしなければ、
殺される。
恐怖
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京一は少女を横切り、俊也の話に出てきた通り、倉庫を目指した。道を歩き始めた京一。
ヒトッッ。。。
・・・うわ。。京一は即座に後ろを向いた。何か手みたいなものに触られた感触が首筋に残る。なんだったんだ。気味悪さが残る。そして前を向きなおした。そこにあったのは皮膚が悲惨に破れている男の顔だった。
うわぁぁぁ。。。
なんだお前!
京一は腰を抜かした。そこには
少女と動揺全身火傷だらけの少年だった。
京一は立ちなおし、男を振り切って走った。
息が切れたのか、京一は止まった。もうここまで逃げれば問題ないだろう。ここは、あの少女以外にも化け物が出るのか。。不安や恐怖が京一を襲う。
・・・助けて。痛いよ。。
声に驚いて下を見た。
うわぁぁぁ、
下は真っ赤に血で染まっていた。その地面から真っ赤な腕が出ていて京一の足をつかんでる。話せよ!!!
なんだよこれ。京一は再び走り出した。無我夢中で走った。
倉庫
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ようやく倉庫が見えてきた。あれか。京一は気が東天していた。
倉庫に隠れるようにして、入った。
なんだここ・・・・
人間の一部であろう異物が入ったビンがずらりとならんであったり、京一は初めて見るようなものばかりだ。
京一はピンセットと塗り薬と包帯を探した。
どこにある・・・焦りが京一を襲う。
助けて。。。
突然首をつかまれた!
あぁぁぁぁあああ。
手を振りほどいて後ろを向いた。そこには誰もいなかった。
しかし、首には血がべっとりついていた。。
ここも駄目なのか。。
探し回っていると、目の前に救急箱らしきものを発見した。
あった。包帯と、ピンセットと塗り薬。火傷用と書いてある。
少し安心して、小屋を出ようとした。・・・しまってる。。
焦りと緊張が走る。
・・・ドアの取っ手から手が離れない。。というか体が動かない。京一は生まれて初めて第六巻が働いて後ろをみた。
お前は帰れない。。
うわぁぁ。。。皮膚がただれた、男性が立っていた。こっちへ近づいてくる。くるな!!!
手よ!取っ手から離れろ!!
強く念じると体が自然に離れた。そうだこれは夢だ。いいイメージを抱け。絶対帰ってみせる。これは夢だ。京一は思い続けた。するとドアが開いた。
治療
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倉庫を出た京一は何も考えず、ただひたすらに少女の元へ走った。無我夢中で。疲れは感じない。必死に足を動かした。
お前は帰れない。。
お前は帰れない。。
お前は帰れない。。
声がどこからか聞こえる。しかし京一には届かない。少女の姿が見えた。。。
たすけてぇぇ。。
少女が今にも死にそうな形相で必死に訴えている。
今助けてやるよ。
そういうと、京一は少女の火傷場所に生える蛆虫を取った。蛆虫事態見るのは初めてで、はきそうになりながらも耐えた。次に塗り薬。指で焼けど場所を縫った。最後に包帯。火傷範囲が広かったせいか、かなり巻くのに苦労をした。
「ありがと、おにいちゃん。。。」
「俺を元の世界へ戻してくれ。」
取調べ。
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・・・・・(誰だ。。)
「京一君だね?目が覚めたかい?」
目の前には、少し歳がいってそうな中年の男性が2人立っていた。ふたりともスーツでびしっとととのえ、凛々しくそして、少しばかり怖かった。
「今自分がどこにいるかわかる?」
京一は首を横にふった。
「ここは一場学院大学の病院だよ。君は今朝、君が通ってる高校の教室で発見されたんだ。今は夕方だからずっと寝てたんだよ。」
・・・?
「なにがあったか説明できるかい?」
わからなかった。頭の整理が必要だ。まず、昨日の昨晩に教室で階段ゲームをした。
・・・忌々しい記憶のすべてを思い出した。鳥肌がたった。人生の中で一番の恐怖だろう。間違いなく。頭の整理は出来た。事情を話そう。
「あの、一緒にいた5人はどこいったんですか?」
「彼らは意識不明の重体だよ。」
・・・え?
「本当ですか?」
「ああ。君が発見された教室で一緒になって倒れてたんだ。意識が回復したのは君だけだ。」
みんな失敗したのか。。
「事情が話せるかい?」
「はい。」
京一は体験したすべてを話した。インターネットで得た知識、情報、俊也の事、あらいざらい話した。
「わかった。ありがとう。」
そういうと刑事は病室を出た。
闇へ消えた真実
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刑事に取り調べを受けた翌日、病室でニュースを見た。
「まるで4年前の惨劇を繰り返しているようです。今度は高校生6人が教室で集団心中か教室には4年前と同様、鍵が全部閉まっており、密室の状態。最近の学生の中で何かあるのでしょうか。警察は集団心中と判断しました。」
・・・集団心中?馬鹿な。荒いざらい話したじゃないか。あれはもみ消されたのか?
「少年の発言は現実味のない発言として、事件の参照にしない事を発表。よっぽどひどい心中事件だったのでしょう。今後、少年が精神的に回復をして次第、改めて聴取をする模様」
やっぱりもみ消された。当たり前か。こんな事警察が信じる分けない。京一はベットでゆっくり考えた。
(俊也たちはやっぱりゲームの失敗で取り残されたんだよな。
どうしようかこの先。またあの世界に入り込めば助けられるのか。・・・嫌だ!!!あんな怖い思いしたくない。でもほっといたらあいつらは一生帰ってこない。数年前のゲーム参加者のように。)
俊也はベットでゆっくり休む事が幸せに感じた。昨日まではあんなに暇だと言って、嘆いてたのに、今度はこの暇が幸福に感じる。その京一の様子がどれだけあのゲームの恐ろしさを物語っているかがわかる。
訪問
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「ありがと。またくるよ。」
今日も警察が聴取に来た。この頃毎日だ。あの事件の事は言っても信じてくれない、かといって嘘をつくわけもいかないから、この連動した動きは簡単には変わらないだろうなと京一は思った。
学校は事件のほとぼりが冷めるまで長期停学。出席日数が心配だが、学力的には問題がなかった。
俊也たちの体は一場学院が大切に保管してある。
さてこのあとどうするか。京一がふと思ったそのときだった。
「京!お客よ。お友達?」
誰だろうと、玄関へでた。そこに立っていたのは見覚えのない同級生ぐらいの男性だった。その男性のいった言葉に京一はすぐに男性が誰だか認識する。
「ゲーム参加者の京一君だね?」
京一はドクンと体が熱くなった。おそらく、あのゲームから離れたいという体が作った抵抗組織だろう。だからゲーム関係者や事件のニュースなどが流れたら、軽いめまいがするぐらいの緊張が走る。
「あがっていいかな?」
「どうぞ。」
京一の部屋へ招待した。
初めて顔を見る。名前も知らない。
「俺は、狭間隆二って言うんだ。ゲームの成功者だ。」
「知ってるよ。」
「あのゲームはどこで?」
「友達がインターネットで情報を入手した。」
「そのインターネット気になるな。俺みたいな奴らが増えるかもしれない。」
「裏サイトだとか言ってたけど。」
「まぁいい。ところで、率直に言おう。仲間を助けたくないか?」
過去
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京一と隆二は初対面だったが馬が合うのか、会話が弾んだ。お互いに体験したことや恐怖やゲーム内の様子など。
そして本題に入る。「それであいつらを助ける方法は?」
「それはもう一回ゲームに侵入して…。」隆二がそういった瞬間だった。
「イヤだ!それだけは嫌だ」京一は強く拒んだ。
「しかし、これしか方法はないんだ」
「じゃあおまえ1人で助けにいってくれよ…。」
「1人は無理なんだ…。だから俺は3年待って京一みたいなゲームの成功者を待ったんだ。」
「どういうことだ?」
隆二は今まで調べた事を洗いざらい話した。
「このゲームの内容を話す。昔、戦争で亡くなった人たちの悲しみや憎しみが霊となって人の夢の中に入り込んで悪夢を見せてたんだ。しかしある寺の住職がその悪霊をある一つの言葉に封じ込めたんだ。それが「LOOF」なんだ。しかしこの言葉の封印を解く方法を見つけだした奴がいたんだ。
その方法とは他者の人とLOOFと少女を強く思い浮かべるというもの。」
「じゃあその封印を解いた奴を見つけ出せば、何とかなるかもな。」
「もういるぜそいつなら。」
「は?」
「それは俺なんだ。俺があのゲームを作った。」
「なんだって?」
京一は青ざめた。
「ある寺の住職から悪霊を閉じ込めた禁断の言葉とその様子を教えてもらったんだ。その住職は武勇伝を語る感じで語ってたよ。
そして、数人の仲間とLOOFを強く唱えて、火傷だらけの少女を思い浮かべたんだ。そうしたら夢に入り込んでしまって・・。」
「そんな・・・」
「俺はその時体験した状況をまとめてゲームにしたんだ。それをネットに流して、ゲームの体験者および成功者を3年待った。」
「それが俺だって事か。。。」
「そうだ。これは一人じゃ出来ないゲームなんだ。」
助ける
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「すまないな。」
「もういいんだ。苦しいのはお前も俺も一緒だ。」
京一は別に隆二を恨んではなかった。それより俊也たちを助けることで頭がいっぱいだった。
「助ける方法は見つけたんだろ?」
「ああ」
「その方法は?」
「それはな。俺はお前、お前は俺をゲーム内で強く思い続けるんだ。そうすると、ゲーム内で会える。そうして、あの少女を成仏させるんだ。」
「成仏って・・・」
「俺は3年何やってたと思う?ただのニートじゃないぜ?お寺でいろんな事を教わっててな、今じゃ霊を軽く成仏させるぐらい簡単な事さ。少々の霊感も持った、ちょっとした霊能力者って所かな。」
「じゃあ大丈夫だな。」
「あとはお前次第。」
隆二は京一に強く問いかけた。
「一緒に仲間を助けよう。」
「・・・」
「仲間を助けるんだ。」
「・・・・わかったよ。」
再び
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ゲームは隆二が通っているお寺で行う事にした。その方が、ゲームの成功がしやすくなるらしい。
「もう俺達はゲームの内容を知ってるからもうLOOFを唱えるだけでいいんだ。」
「ああ」
「もう一度言うが、お互いに信じあい、ゲーム内で俺を強く思い浮かべるんだ。強くだ。ゲーム内は幻想だから、思いはかなう。だからゲームは成功する事と俺を強く思え。」
「俺も前、倉庫に閉じ込められたが、開けと強く願ったら開いた。」
「そんな感じだ。」
少し、緊張した空気が走った。そして再び隆二が口を開いた。
「やるか。。」
「ああ。。」
「怖いな。。」
「とてもな。」
そしてふたりはLOOFを唱えようと手をつないだ。。。
L・O・O・F・L・O・O・F・L・O・O・F・・・・・
・・・・闇だ。。またこの闇の中に入り込むとは。。悪夢だ。怖い。あぁぁぁ。。。隆二・・・隆二・・・
隆二
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・・・ここは・・・
京一は目が覚めた。そこには見覚えの風景が・・・・
ゲームの中に入り込んだんだ。。なら向こうに少女がいるはずだ・・・。
ゲームを遂行する前に京一は隆二の言葉を思い出した。
俺を強く思え・・・と
そして京一は隆二を強く思った。
「京一!」
後ろから声を掛けられた。すぐさま振り向いたら、見覚えのある顔が。。
「隆二!!」
京一は安心した。力強い味方が出来たと。
「よかった・・・本当に会えた・・」
「そうだな。それよりもうこんなゲームやめてこっち来いよ。」
「何言ってんだ。どこにだよ。」
「こっちだよこっち。」
京一は隆二に腕を引っ張られ、どこかに連れて行かれると思った。
「どうしたんだよ隆二!」
「お前は俺達と一緒にこの世界へすむんだよ!」
「おい隆二お前おかしいぞ!」
隆二は振り返った・・。
うわぁぁぁっぁあ
隆二の顔はただれてて、異常に醜くなっていた。火傷のあとが凄く、かつてゲーム内でみた人達を連想させてしまった。
すると・・
お前はここから出られない。。。
後ろに気配が。。すぐ振り向いたらただれた男性が立っていた。。
京一は恐怖におびえた。傷だらけの人間達に囲まれてしまった。。どうしたら。。気が東天した。。
隆二。。隆二はどこだよ。なんでいないんだよ。隆二〜〜〜
こっちこい!!
京一は腕をひっぱられ走らされた。
「大丈夫か?」
「ああ。助かった。。。隆二。」
「なかなか京一と出会えなくて探してたんだ。。そしたら一瞬だけ気を失った錯覚を覚えて、気がついたらお前がゾンビたちに囲まれていたんだ」
「怖かった。。。」
「ああ。もう大丈夫だ早くゲームを終わらせよう。
穢れた人達
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道を歩いていると前も見た少女が倒れている。恐ろしい。。なんて姿だ。。。
たすけてぇぇ・・・
「ほっとこう。成仏はゲームが終わった後だ。」
そういうと少女をすぐに横切ろうとしていた。
・・まってぇぇぇ・・
え?京一は隆二の姿を見失った。次の瞬間!!
・・逃がさないわよ・・
目の前には倒れていたはずの穢れた少女が京一の首を絞めていた。
うわぁぁぁ
はなせ!!!少女を突き飛ばした。。隆二はどこだよ!!
隆二!!!
いくら隆二を思い浮かべても隆二は現れない。また一人だ。。
俊也は走った。またあの倉庫へ。この前と一緒だ。。
倉庫が見える。。倉庫へ入った。
そしてすぐさま、ピンセット、塗り薬、包帯を探した。
前回と同じ場所で医療器具を見つけ、とろうとしたそのとき、
・・・逃げられないよ。。・・
後ろから首筋を噛み付かれた。。
あぁぁぁぁあああ
なんなんだよ!!
そういうと京一は倉庫を出た。今回はすんなり出れたと思った。次の瞬間。
前方に穢れた人達数十人がこっちへ近づいている。進行方向をふさがれた。京一は万事休すだと思った。しかし、隆二の言葉を思い出した。いいイメージ、そして、成功を信じろと。
うおおお
京一は走った。こっちへ近づいてくる、肌がただれた穢れた人達の中へ飛び込むような形で。
帰れない。。お前は帰れない。。殺してやるぞ。。。とまれよ。。
恐々しい不気味な声が聞こえる。体をつかまれ、腕を引っ張られ、そいつらは京一を止めようとした。
しかし、京一は止まらなかった。そしてその群から抜け出した。
京一は走り続けた。
すると少女が見えてきた。
少女
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京一は少女へ近づいた。。
早く治療を開始させよう。もう隆二はいない。俺がこの子を成仏させて、みんなを助けないと。前回同様、ピンセットで全身の蛆虫を取り除き、塗り薬で火傷場所を塗り、包帯を全身に巻いた。
ありがとぉお兄ちゃん。
そして京一は口を開いた。
「お嬢ちゃんもう終わりにしよう。」
少女は無言だった。
京一は語り始めた。
「もう大丈夫だから。傷は治ったし、俺が君の分まで生きるから、もう成仏しようよ。」
うるさぃぃ・・・
京一は少女に首をつかまれた。。。苦しい。。。殺される。この恐ろしい少女に。しかし京一は語り続けた。
「もうこんな事は無意味なんだよ。これは夢だ。痛くも怖くもなんともない。早く成仏しろ。」
だまれぇぇ
さっきの穢れた人達がこっちへ向ってくる。
「怖くない。無駄だ。成仏しろ!そして、仲間を帰せ!お前の分まで生きてやる!」
私の気持ちがおまえにわかるか・・・
少女は語り始めた。
私は戦争中に家族を失い、路頭に迷って道で歩いていると光に覆われて、体が熱いと思った瞬間、全身がただれて、自分の体とは思えないほどの負傷を負ったんだ。。助けを求めても周りの人たちも私と同じように。。。だから私は一人孤独に、こんな悲惨な状態で死んでいったんだ。この気持ち、寂しさおまえにわかるか・・・
少女の言葉を聞いた京一は少女の気持ちを察した。このゲームは少女の悲惨さを物語り、もう2回もゲーム内の幻想に入り込んだのだから、京一は少女の有様、悲しさ、孤独さを少しばかり理解していた。
そして、少女の穢れた顔を見ながら京一は涙した。。。
涙。
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え?おにいちゃん泣いてるの?
怖かっただろうね。悲しかっただろうね。俺は君の辛さはよくわかるよ。
怖かった・・・
わかってるよ。俺もこの世界に入り込んで怖い思いはしてる。
わかってるよ。。
でもな、俺達は君と違う世界に生きてる。生きようとしているんだ。その命を奪ったら、あの戦争で君を苦しめた奴と同じことをしてる事になるんだ。
そんな・・・
俺達は生きなきゃいけない。君の分まで。だから助けてやってくれ。
わかったよ。お兄ちゃん。やさしいね。ありがと。。
・・・・
ここは・・・暖かい。。。ふとん?
先生!意識が回復しました。
「大丈夫か?」
「俊也!!お前!!」
「さっき目が覚めたんだ。」
「そうか!よかったな。」
久しぶりの友人との会話を楽しんだ後聞いた。
「あのさ、隆二って奴しらないか?」
「隆二?」
「あの過去のあのゲームの成功者だっていう・・・」
「過去の成功者は過去に死んでるぜ?」
「は?」
「なにいってんだ?その成功者
って狭間隆二のことか?そいつは確かに何年か前に自殺で死んでるよ。」
「・・・そうか。。。」
あいつは俺に最初からあの子を叙霊して欲しくてゲームに参加させたのか。自分自身が霊となって。あいつのおかげであの子を救う事ができた。。
隆二さんきゅうな。
ねぇ知ってる?LOOFっていう幻影の世界へ行けるゲームがあるんだけどね。それは幻影の中で少女を助けるゲームなんだって。そのゲームに失敗すると、幻想の世界でさまよい続けるんだって。
それで成功して幻影から抜け出して、この世界に戻ってきても、その幻影の中の少女に呪われ続けるんだって。そして少女は無理やり自分の世界へその人を引き釣り込むんだって。死の幻影の世界へ。
「おにいちゃん・・・一緒にいこ・・・・」
京一は1ヵ月後に謎の自殺を図
り死亡した。
読んでくれてありがとうございます。
自分の課題は誤字、脱字、そして、文章力です。
これを直して、よりよい小説を書きたいです。
どうか応援よろしくお願いします。