表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壊れた世界  作者: kill
4/7

第三話 冷殺

人はなぜ戦うのか?

それは全て自分のため

土地が欲しい、名誉が欲しい、全て欲しい

そう思っていない人までも巻き込んでしまうのが何よりも醜い証拠

今は戦っている国は少なくなったが

更に醜い方法で全てを求める者がいる

これなら昔戦っていた時代のほうがまだ良かった

なぜ気付かないのだろう?

求めれば求めるほど

自分を壊して、殺して、消している事に

ここはどこかの国

次のミッションは戦争をとめる、というものだったらしい

報酬金もそれなりに高く、組織の人間を十人ほど送るらしい

十人、というのは凄い珍しい事だ

それほどまでに金が高かったのか

戦場につくと、二手に別れて戦争してる相手を潰す、との事

殺す、という事には変わりはないが

「おい」

片目に傷をつけた男が話しかけてくる

「なんだ」

「やりすぎるなよ」

「…」

相手の本部らしき所にまで着く

そこで、通路が別れているので、さらに二手に別れる事になった

「なら、俺が一人で行こう」

「…お前、今回の任務は」

「分かってるさ、じゃ」

コートを着た男は相手の返事も待たずに片方の道を通る

その道を先に行った所には扉があった

プラスチックで出来たもろい扉

中から会話が聞こえる

「俺が出ればあんな奴等瞬殺なのに…」

「奴等倒したら俺たちにはどんな報酬が…」

醜い…

その扉を普通に開け、中を見る

中には戦争に出ていない兵士がいたようだ

男達はコートの男を見ると、すぐに銃を構え、撃つ

男は、扉をとじ、弾を回避する

だが、扉は銃によって壊れたらしい

コートの男は中に入る

相手は多数、自分ひとりの中で絶体絶命の中、男は

笑っていた

口角は三日月のように上がり

心臓はバクバクと動いて

脳はまだかまだかと心待ちにしている

男は、銃を取り出し、敵に向けて撃つ

人が死んだ事によって吐き出す物、更に撃ってくる物が出る

撃ってくる奴はこんなのなれている奴

吐いている奴は慣れずにここにいる奴

男は更に銃で撃ちまくる

頭を正確に

体には絶対に当てず

頭だけを狙う

撃たれた者は血を流しながら倒れ

辺り一面は血だらけになる

外に逃げようとする奴がいるのなら

そいつを真っ先に撃つ

撃って

弾がなくなれば死んだ奴から銃を奪い取り

それでさらに撃つ

相手も銃を撃ってくるが

死体が増えれば増えるほど盾は出来る

敵を撃ち

なくなれば敵の銃を奪い

それでまた敵を撃ち

それの繰り返し

辺りは血の匂い以外になにもしなくなる

それだけで最高に幸せな気分になれる

だが

まだだ

まだやっていない事がある

それをやってこそ、気分ではなく本当になれる

そして、最後の一人になったという時

あえて撃たずにゆっくりと近づく

その男は震えていた

まだなってからそんなにたってないのか?

そんな人、殺したら罪悪感でいっぱいになるだろう

震えている男は銃で撃つ

その弾は腕に当たる

男は、その腕の撃たれた場所を触る

いままで他人の血しか見ていない

自分の血を見るのは久しぶりだ

震えている男の近くまで来て肩に手を置く

そして、男に言う

「こんな事になってしまったのは自分のせい」

震えている男の足を撃つ

叫ぶ

助けを求め

のたうちまわる

男はそれを見ていて

まだ物足りないと思い

手を撃った

叫び声がより一層大きくなる

駄目だ、銃で撃っていちゃ幸せになれない

男は叫んでいる男に近づき

ナイフで腹を斬る

その腹を切り取って

中身を取る

取って

よく見て

斬って

中を見て

そしてまた中身を取って

今度は目を取る

男はもう叫んでいない

死んだ?

そんなの関係ない

取った目を握る

べちゃ、と嫌な音がする

男はその音をもう一度

もう片方の目を取り

また握る

べちゃ、と同じ音がする

手につく血

それを目につける

痛い

痛さのあまり涙が出る

しかし、つけた血はとれない

視界は真っ赤

目の前にある生きていた何か

形なんて殆ど留めていない

それを見て男は思う

まだぐちゃぐちゃにしたい

脳みそを取って

斬って

手を斬った

腕に手を入れてみる

骨と筋肉と神経

全部取った

何かをする度に鼻につく血の匂い

忘れられない

止まらない

体の中にあるもの全部とって

自分の周りを見る

何かの中にあった何か

それがなんだったのか

知らない

忘れた

一瞬だけ

一瞬で冷めた

血の匂いに、腐ったような匂いが混じる

血の匂いはいいが、腐った匂いは好きではない

男は、その部屋を出て、あの分かれ道の所まで来る

そして、外へ出て、戦場へ行く

その時、自分の中でまた高揚感が溢れる

なんだ…まだいるじゃないか

殺す相手(玩具)なんて




どこかの国の勢力

二手に別れ、その国の戦争を止める

それが任務だった

そして、その勢力は国の中にあり

その城の中にあった

入り口は五つ

丁度よく、こちらにも五人いた

だから一人、ひとつの入り口に入った

そして、入り口に入ろうとした時、微かに血の匂いが漂ってきた

それを感じて、急いで奥へ走っていった

走るうちに血の匂いは濃くなっていく

そして、一番血の匂いが濃い扉の前に立つ

その扉を開ける

中には、ナイフを腕にさされた小さい子供と

その周りにいる男三人女三人

「あんただれ?」

女が聞いてきた

こたえる気はない

いや、ないと言ったら嘘になるだろう

返答しなければ

銃を構え質問してきた女を撃つ

女は心臓を撃たれ、しばらくうめき声を上げ死んだ

周りはその女を静かに見ていたが、死んだ瞬間に男達は恐怖に染まった顔になる

「てめ…何をしたのかわか」

「殺し」

最後まで言い切る前に返答をした

そして、息切れに言ってきた男を撃つ

他の奴等も逃げようとしていたのか、すでに扉を抜けていた

暫くしたら、爆音が聞こえてきた

「地雷も、こういう時には役に立つ」

恐怖が頭にある時、人間はまわりも見ず、逃げる事にだけ集中する

その下に最大の恐怖があるとも知らず

「おい」

子供のナイフを取り、無理矢理目を覚まさせる

「ここでいったい何があった」

聞かなくても分かる

知りたいのはそれをしていた理由

「い、いきなりあの人達が来て!僕をここに連れてきて!」

「そこはいい、どうしてこんな事されてたんだ」

「…あ、新しい兵を作る…て、あ、あの人達は…」

なるほど、そういう事か

一人で納得すると、子供に顔を近づけ

「情報提供ご苦労」

子供の額に銃を撃つ

子供はなぜ、という目で死んでいった

「御報美に教えてやろう、生きててもろくな事はないからだ」

部屋を出る

他には部屋はなさそうだ

通路を通る

生き物の焼ける匂い、血の匂いがする

それがどうしようもなく嫌いで

不愉快になる

早歩きで行っていたからか、すぐに外に着く

城の上の所を見る

煙が上がっている

という事は、こちらの任務は完了…

いや、今戦争に出向いてる人間を片付けに行かなければ




戦場には、死体が沢山あった

「これは…」

片目に傷をつけた人が、ぼそりと言う

「た、たすけ」

ふと、そんな声が聞こえてきた

その声がするほうへ、合流した九人で向かう

その場所へつくと、コートの男がひたすらに何かを滅茶苦茶にしている

そして、すぐに後ろを向く

血の匂いは苦手、だが

それをさらに好く人は、もっと苦手だ

何かを滅茶苦茶にしている人の顔はいったいどういう顔をしてたと思う?

あれは人間が出すような感情ではなく

悪魔が出すような、狂った笑み

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ