第二章 ― 1― 5 ※835文字
○セーブ先
・頭:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日。
・左肘:能力に目覚めた日の夕方。四月第二週の火曜日。霧島が上野で殺人事件を起こした事を、テレビで知った直後に保存。
・左膝:平石行方不明ルート。放課後より前。四月第三週の火曜日。田中に平石がどうして来ていないのか聞くために、D組の前で保存。
・右つま先:一回目の高校卒業式後に保存。
・左つま先:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日昼休み。コンビニには行かず、寝て学校に来て直哉に平石を知っていると答えた後で保存。
・右肘:平石行方不明ルート。四月第三週の木曜日の朝。平石が車に乗って帰ったのを直哉が見た日。この日以降、平石は学校に来ていない。
・右膝:平石行方不明ルート。四月第三週の木曜日の放課後。校舎の屋上。平石に質問をする直前。
※基本的に何月何週は便宜上つけているだけで、作中では触れていない。
真っ先に本題に入りたがるのは、俺の悪い癖なのだろうか、良い所なのだろうか判断に悩むところだが、どうしても車の事を置いておく気にはならなかった。この時点で平石が車の事を知らない可能性もあるにはあったが、そこは話してみれば分かるだろうと割り切った。
「ところでさ、平石。あそこに見慣れない車が止まってるんだけど……」
俺は、注意深く平石の様子を見ながら話しかけた。
「えっ、……あっ、うん」
咄嗟に聞かれたためか、平石は戸惑ったように見えたが、何を言っているのか分からないといったようではない。明らかに、あれが何かを知っていて、何でそんな質問をしてくるのだろうといった感じだ。それが証拠に、彼女の目は一瞬、車を見てから、宙をさまよっていった。
「お前んちの車か?」
とりあえず平石の反応が見たかったので、適当な言葉を後に続けてみた。
「違うよ……。うちのは白だよ。あんな車知らない」
最初のほうは聞き取りづらい小声だった。どうも歯切れの悪い返事だなと思う。
「そうか。お前があれに乗っていなくならなければ、それでいいんだ」
誰が聞いても意味不明な会話だろう。こんな支離滅裂な会話の展開で意味が分かるってなら、それは思い当たる節がある人間か、一を聞いて十を知る以上の天才だ。
「……何意味わかんないこと言っているの。ほんとわけ分からない。いい加減にしてよ。先に部室に戻る」
本当に意味不明なことを聞かされて怒ってしまったのか、図星だったので怒ったのか分からないが、平石は、先に階段を降りていってしまった。
怒らせてしまったことに少し、いや、かなりの罪悪感を感じてしまう。というか、平石には何度謝っても謝り足りない気さえする。しかし、ここは仕方ないと考えるべきだ。俺は、自分に言い聞かせる。
次いこう、次。
俺は右膝を押さえて『ロード』と、……唱える前に、車のバックナンバーをこのまま調べにいけばいいかと思い当たり、角まで走って車のナンバーを覚える。今度こそ本当に右膝を押さえて選択肢の場面を『ロード』した。