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第二章 ― 1― 4 ※999文字

○セーブ先

・頭:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日。

・左肘:能力に目覚めた日の夕方。四月第二週の火曜日。霧島が上野で殺人事件を起こした事を、テレビで知った直後に保存。

・左膝:平石行方不明ルート。放課後より前。四月第三週の火曜日。田中に平石がどうして来ていないのか聞くために、D組の前で保存。

・右つま先:一回目の高校卒業式後に保存。

・左つま先:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日昼休み。コンビニには行かず、寝て学校に来て直哉に平石を知っていると答えた後で保存。

・右肘:平石行方不明ルート。四月第三週の木曜日の朝。平石が車に乗って帰ったのを直哉が見た日。この日以降、平石は学校に来ていない。


※基本的に何月何週は便宜上つけているだけで、作中では触れていない。

廊下で平石と鉢合わせするかなと少し緊張をしていたが、そんなことも無く、階段くんだりまで行き着いてしまった。特に目的があったわけでもなく出てきたので、行き先に悩むところだが、階段を下りれば、それこそ平石に会う気がして、それを避けるように階段を上った。それにしても、さっきから平石、平石と意識しすぎだなと少々、我ながら呆れつつ、屋上へと出た。


 眼前には狭い校庭とその周りの住宅街が広がる、ビルも散見し、決して見晴らしのいい立地とはいえない。カーンと金属バットに白球が当たった音が響いてくる。今日は野球部がグラウンドを使う日で、サッカー部は体育館で筋トレなどをしているはずだ。もちろん内の体育館だって普通の公立校のそれと同じくらいの大きさだ。そこにバスケ部とバレー部にまざって野球部も運動しているんだから、さぞ暑苦しいことだろう。

 さて、何の目的も無くあがってきたわけだが、何もしないと言うのももったいない気がする。というわけで、直哉が言った平石が背広の男と消え去ったと言う角を確認しておいた。まだ車は着ていない……といいたかったのだが、それらしき車があった。灰色の普通の乗用車なので確証は無いが、もしかしたらとは思う。とりあえず、バックナンバーくらい抑えておくべきかもしれない。それを抑えたところで刑事でもない俺がどうにかできるとも思えないが。俺は、急いで階段を下りようと振り返った。

「きゃっ!」

 途端に目の前で悲鳴が上がる。こっちも、驚いてうわっと叫ぶ。

「びっくりするじゃない」

 平石が三歩前で抗議の声を上げていた。

「俺のほうがびっくりするわ! なんだ、この間合いは、俺を驚かそうとして近寄ってただろ」

 明らかに不自然な間合いだ。普通もっと後ろから声をかけるべきで、こんな近寄るから驚くのだ。つまり自業自得である。

「さぁね。そんなことより、部長に呼んで来てって頼まれたから探してただけよ」

 そういった、平石の声はどこと無く暗く思えた。それを見て俺の脳内に二つの選択肢が浮かんだ。単刀直入にあの車の事を聞くか、そのままそ知らぬふりをして報道部に戻るか、昨日のストーカの話を振るかの三択だった。いや、忘れていた。そのまま、何とか言いつくろって、別れて車のナンバーを調べに行くが四番目に入るはずだな……。

 ぶっちゃけると、そう対した問題でもない。右膝を抑える振りをして触ると音にもならない小声で、俺は言った。『セーブ』と。

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