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第一章 ― 4― 2 ※814文字

○セーブ先

・頭:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日。

・左肘:能力に目覚めた日の夕方。四月第二週の火曜日。霧島が上野で殺人事件を起こした事を、テレビで知った直後に保存。

・左膝:平石行方不明ルート。放課後より前。四月第三週の火曜日。田中に平石がどうして来ていないのか聞くために、D組の前で保存。

・右つま先:一回目の高校卒業式後に保存。

・左つま先:能力に目覚めた日の朝。四月第二週の火曜日昼休み。コンビニには行かず、寝て学校に来て直哉に平石を知っていると答えた後で保存。


※基本的に何月何週は便宜上つけているだけで、作中では触れていない。

「いらっしゃい」

 先輩らしき女の人が声をかけてくる。何年生かどうかというのは、上履きの色を見ればすぐ分かる。

「えっと仮入部希望かな? 私は部長の三条雪。よろしく」

 ポニーテールの髪型とは裏腹に、男前と言う形容がぴったり来る先輩だ。

「はい。狭間と言います。よろしくお願いします」

「仮入部じゃなく、入部しちゃってよ。うち部員数やばくてさ、部員が四人きると休部になっちゃうんだ」

 大丈夫。平石がこの部に入って人員割れは回避できるはずだと、俺は内心で太鼓判を押す。

「今はとりあえず、保留で。それより、どんな活動をするか教えてください」

「残念。まぁ、しょうがないか。ほいほい、そこに座った、座った」

 単純明快、且つ、手身近に三条部長が説明しているのを横目に、俺は平石の様子をうかがっていた。

「はぁは~ん。目当てはそっちか」

「え、何が?」

「平石ちゃんの追っかけねぇ」

「そんなんじゃないです」

「いや、いいよ、いいよ。気にしなくて。入部の動機なんて、私は気にしていないから。この部がつぶれなければそれでいいのよ」

 と、一人早合点して、何かを考えている三条部長。そんなわけないだろと言いたいのをぐっとこらえて、成り行きを見守る俺。

「うん、こうしよう。今入部してくれたら、平石ちゃんの情報をあげよう」

「個人情報の扱いには気をつけなくて、いいんですか、先輩?」

「何おう。知りたくないのか。ゆかりんっちの身長、体重からはじまって家族構成からペットの名前まで。しかも、今なら、なんとっ! 大きな声では言えない…サイズも教えちゃうよ」

 呆気にとられてため息も出ない。少ししてから俺は答えた。

「ゆかりんて、平石さんの幼馴染かなんかですか、先輩は?」

 ちょっと、難しい顔をしようとして諦めながら三条部長は思わせぶりに言った。

「全然、昨日入部してくれたときに聞いた話」

「そうですか……」

 何か平石のためにとはいえ、こんないい加減な部長のいる部に入るのはどうかと、俺は悩み始めていた。

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