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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

先輩と後輩。伝えられない想い。

後輩は、気づいてほしい

作者: moco
掲載日:2026/02/23

「え?一人暮らし、始めるの??」そう、先輩が私に返してきて。

「えぇ、そろそろ私も1人で生活しようかと。。。」

「だけど貴女、入社した時、実家から通いやすいからって、この職場にしたのよね??」不思議そうに首を傾げる先輩に、ちょっと可愛い、なんて思いながら。

「いえ、確かにそうなんです、そうなんですけど、やっぱり、そろそろ1人の生活をしてみるのも良いのかなって」実家からも遠くなくて、職場にも近い物件、探しました。って先輩に話して。

「そうなの??それなら、これから必要な一人暮らしの必需品、伝授しましょうか。」なんて、先輩の目がキラッと光って。イヤな予感、するなーって思っちゃった。

「まず、食料は絶やさないこと。これは絶対。体調悪くなった時に何もないって、目も当てられないわ。私がそうだったから。」実感のこもった頷きが周りからもチラホラ。いや、皆んな仕事してくださいよ。なんで急に、ノリノリに会話に入ってくるんですか?そして、「いや、それも大切だけど、常備薬もちゃんと用意してないと意味がない。」そう頷く同僚たち。どんだけ一人暮らしで体調悪くなってるの、ここの皆さん。。。「あと、スポーツドリンクも必要だよな。」ウンウン、って同意をしないで、皆さん。うちの職場、どれだけ体調悪い社畜しかいないの??え、ここそんなにブラックな職場だったの??なんて、驚いてしまう。

「まあ、確かに体調悪化の時困るのは、こんなところだけど、そんなことより、一人暮らしで最も必要なもの、あるわよ。」そう先輩がまとめ出す。え、体調悪化よりも、大事なことって、、、?

「防犯グッズ。」え?防犯グッズ??訝しんで首を傾げる私に、先輩が。

「ベッドや冷蔵庫、エアコンは絶対最初に揃えるでしょう?それに、食器だって。だけど、忘れがちなのはこれよね。女性の一人暮らし、何が起こるか分からないから。一人暮らしが不審者に分かると後をつけられたりなんてあり得るから。本当に、危険よ?だから1番手っ取り早いのは防犯ブザー。玄関に置いて鳴らすだけで周りが気づいてくれるから。あと、二重ロックは絶対。チェーンは、切られてしまうリスクもあるし、U字の方が私は好み。それと、カメラ付きインターホン。これも誰が来たか一目瞭然。あとは、窓については補助の錠をつけて、人感センサーも欲しいわね。対策は万全に。安全に、ね。」ニッコリする先輩。何故か先輩が私の一人暮らし対策を楽しんでる気がするんだけど、、、気のせいかな…?


せっかく、一人暮らしをする報告を先輩にしたのに。あわよくば、遊びに来てもらおう、なんて考えていたのに、先輩ったら。勝手に一人暮らしで大切なもの、って皆んなでワイワイ盛り上がりだしちゃって、私のことほったらかしになってる。。。まぁ、仕事中の雑談のつもりだったから、真剣に聞いてもらおうなんて思ってなかったのだけど、何で皆んなが私の一人暮らしにワクワクし出しているのかわからない、、、

この職場仲良いのか悪いのか、よくわからないところだと思う。まぁ、うちの部署は比較的皆んながフレンドリーで仲が良いから、まだまだ保っている所があるんだと思う。だけど、この話題で盛り上がり続けられるって、特殊な人たちだなって、思ったんだけど…まぁ、仕方ない、、、今は夜の8時を回ったところ。取引先のイレギュラーなオーダーが、私たちを縛り付けることになった結果。はぁ、とため息なんて出ちゃうから、先輩に声を掛けて息抜き、したかったのに。私を置いて皆んなが盛り上がるのか。解せない。はぁ、ってどちらにしてもため息が漏れた。

「先輩、一人暮らしの講座は良いんですけど、時間が大変、押し迫っております。。。続き、進めましょう??」そう先輩たちを促して。

「あら、ほんと。結構盛り上がったわね。」なんて、満足そうな先輩たち。とっても良い笑顔をする先輩が、やっぱり可愛いなんて、思ったりして。だけど良い大人が、なんという、息抜きをしているのか。。。しかも、当事者の私を放っといて。まぁ、先輩が、楽しかったのなら良いのだけど、まだまだ仕事、残ってるのに。私が先輩を家に招待したいなんて、邪なことまで考えてるのに、今日の先輩はいつにも増して呑気なものだと思っちゃった。本当に、先輩は私の気持ちになんか気づかないんだから。。。





あの子が、一人暮らしをするなんて、驚いた。だって、ずっと実家から通えるからって、話していたのに。そんな素振りを見せなかったのに、いつの間にか、自分でそんなこと、決めていて。

わかってる。私は、あの子の家族でもなければ仲のいい友人でもない。ましてや、恋人なんてこともないから。こんなこと知るはずもない。

だけど、動揺した私は、これ以上理由なんて聞きたくなくて。。。あの子に一人暮らしで大切なもの、なんて講釈を垂れてしまった。だけど、そんなものは本当に、どうでも良かった。だって、ほんとに気になったのは、何でこの時期に?急に一人暮らしなの??どうしてかしら??ってこと。だからワザとこんな話をして、そんな流れを逸らしてしまって、、、

勝手に思っただけで、1人で胸騒ぎを起こしてるだけかもしれない。けれどこれから、私は、知らないあの子を知ってしまう、そんな予感がしてしまったから。どうしよう??困った、もうこれは、後戻りが出来ないのではないかしら??これから、私は、どれだけあの子を思っても、思うことしか出来ないのではないか?私があの子の先輩である以上は、それ以上なんて、あるわけなくて。。。そう、思ってしまうから。グルグル回る感情が、私を締め付けた。


本当に、あの子は私に気づかない、、、

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