20 ボーリングデート-紗良-
花の様子がランチからおかしい…
どうしたんだろう?
今はボーリングの受付を終えて、
レーンの椅子に座って名前を登録したりしている。
その間も花が北条くんの方を見ようとしないのだ。
話していたと思ったら下を向いて目線を合わせようとしない。
まさか…北条くんの気持ちに気づいてとか!?
嘘!?なんで!?きっかけは!?
あー話を聞きたい!
湊
「とりあえず、グループ戦してみるか?せっかくダブルデートだし。」
堤、ナイス!
紗良
「そうだね!あたしは堤と組むから。花は北条くんと組みなよ?」
花
「え?あ、あたしは…」
紗良
「組みなよ?」
花
「は、はい…」
なんとか2人にしていい感じしなきゃ!
それでより気づきが強固なものに…
紗良
「ふふふっ…」
湊
「やっちゃん…顔怖いよ…」
紗良
「うるさい。」
とりあえずチームが決まったようだ。
陽太
「よろしくな?松見?」
花
「あ、う、うん…久しぶりだからちゃんとできるかわかんないけど…」
陽太
「大丈夫。とりあえず楽しめばいいから。」
花
「そうだね。」
花が少しだけ照れているのすっごく新鮮。
てかこのこと、北条くんは気づいてるのかな?
いや、気づいてないな…
花の鈍感な発言をよく聞いてるから
あんまり過度な期待をしなくなってるんだろうな…
陽太
「なぁ!ゲーム始まる前にちょっと飲み物だけ買ってきていいか?みんなの分も買ってくるから。」
湊
「マジで!サンキュー!俺コーラで!」
紗良
「あたしジンジャエールにしようかな」
陽太
「了解。なぁ、松見?ちょっと飲み物持つの手伝ってくれないか?」
花
「え!?」
北条くんが自分から珍しく仕掛けている。
今まではなかなか自分で行かなかったのに。
陽太
「俺だけじゃ持ちきれなくてさ」
花
「う、うん…」
2人は飲み物を買いに席を立った。
湊
「なぁ、やっちゃん?」
紗良
「わぁ!な、なに!?」
堤があたしの顔を覗き込んできた。
湊
「2人のことが心配なのはわかるけど、こっちにも構ってほしいなー?」
紗良
「はぁ?なに気持ちの悪いこと言ってんの?」
湊
「うわー傷つくなー」
と堤は悲しんだフリをする。
紗良
「わざとらし!」
湊
「はは、ひどいな!」
紗良
「そんなおちゃらけて言われてもねー?説得力ないよ」
あたしはいつものように対応した。
ところがいつもの返しが来ない?
あれ?堤の方を見ると下を向いている。
紗良
「堤?」
湊
「俺だって傷ついたり、寂しいと思うことくらいあるんだよ」
紗良
「え?」
堤が急に真剣になるからあたしは動揺を隠せなかった。
堤は畳み掛けるように言った。
湊
「まして、自分が気になる子に言われた言葉ならなおさら」
紗良
「な、なにそれ…」
いや、気づいているはずだよ、堤の気持ちには。
湊
「俺…」
あ、や、やめて!言わないで…
湊
「俺、やっちゃんのこと…」
だめーー!!!!!
陽太
「ただいまー遅くなってごめんな?」
飲み物を買いに行っていた北条くんと花が帰ってきた。
た、助かったー!!
堤は少し残念そうな顔をした後いつもの笑顔に戻った。
湊
「ありがとー!コーラは?」
陽太
「これ!で、ジンジャエールがこれ!」
北条くんがあたしにジンジャエールを渡してきた。
あたしは北条くんの顔を見ながら
北条くんの手から飲み物を受け取る。
紗良
「…ありがと」
飲み物を配り終える頃、堤があたしの隣に座って
周りに聞こえないような声で言った。
湊
「帰り際ちょっと話があるから」
驚いたあたしは堤の方を見ると堤もこちらを見ていたようでバチっと目があった。
堤はよろしくというようにウィンクをした。
あたしは思わず目を逸らした。
心臓の音が近くに聞こえた。




