19 ランチ-花-
私たちはイートインコーナーで軽食を食べながら談笑していた。
紗良を見るといつも通りに戻っていた。
よかった。
堤くんがなんとかしてくれたんだね…
でも、私は少しいつも通りではなかった。
あの時北条くんに触れられた手の感触。
ゴツゴツしていて男子という感じだった。
いや、もちろん男子なんだけどもそういうことではなくて…
少しだけドキドキした。
ふと昨日の紗良との会話を思い出した。
『今回のデートで北条くんが言った意味を考えな?』
北条くんが言ってた意味…
男としてどう思うか…
どう思う…
だめだ!わからない…
紗良
「ねぇ、花?」
花
「うっぐ…」
紗良に話しかけられて少し驚いてしまった。
口に含んでいたジュースを吐き出さないように
飲み込んだ。
紗良
「花!?大丈夫!?」
花
「だ、大丈夫。ちょっとむせただけ。」
紗良
「ごめん、急に話しかけて。花ボーっとしてるから大丈夫かと思って。」
ちょっと頭冷やしてこようかな…
花
「大丈夫だよ。私ちょっとトイレ行ってくるね…」
私は席を立ってトイレに向かった。
はぁ…今は楽しまないとね!
せっかく遊びにきているんだから!
よし!
なんとか気持ちを切り替えて
トイレから出ると近くの陰で男女が口論をしているようだった。
男子
「いや、あの子はただの友達だから、本当だから!」
女子
「あなたはそう思ってるかもだけどあっちは絶対に違う!!男を見る目だった!だからあの子には近づかないで!」
男子
「そんなことねーよ!もしそうだとしても、ちゃんと俺断るから!俺を信じてくれよ!」
女子
「もちろん、あなたはのことは信じてるけど…」
男子
「はぁ…わかった…あの子とは関わらないようにするから」
女子
「ごめん、ありがとう…」
男子
「好きなのはお前だよ」
なんとか丸く治ったようだ。
ホッとして席に戻ろうとした時、あの女子の言葉が頭に浮かんだ。
『男を見る目だった。』
男の人を見る時はもちろん男の人として見てるもの…
だけど、そういう意味でないことくらい私にもわかる。
つまり
"そういう関係になりたい"
と思ってということ。
ということは昨日の北条くんの
"俺を男としてどう思うか"
の質問の意味は…
私は一気に顔が熱くなるのを感じた。
いや、いやいやいや!
そんな意味なわけ…
紗良
「花、おかえりー!」
花
「あ、え、ただいま。」
考えがまとまらないうちに席に戻ってきてしまったようだ。
湊
「おかえりーまっちゃん!この後は約束してたボーリング行こうよ。」
花
「うん。いいよ!楽しみ!」
なんとかいつも通りのフリをしないと!
陽太
「とりあえず、全員食事は終わったしそろそろ行くか?」
北条くんが私に顔を向けた。
花
「あ、あ…うん…そうだね…」
どうしよう。
絶対そんな意味なわけないってわかってるのに
意識してしまっている。
でも、もし私の考えが当たっていたとき、
私はそのときどんな答えを出せばいいの…?




