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君色プライド  作者: あるみ
高校1年生
12/42

12 回想-紗良-


なんであたし今更昔の呼び方なんて…


-------------



あたしと陽太は幼馴染みだ。家が隣同士で家族ぐるみでも仲がいい。


小さい頃は本当によく遊んだ。

公園に行ったり、家族ぐるみで遊園地に行ったり

そんな風だから、小学校の頃はよく同級生にからかわれた。


同級生A

「お前ら付き合ってんだろー」


同級生B

「遊園地デートしてたって聞いたぞー」


紗良

「違うよ!ただの友達!変なこと言わないでよ!」


そんなこともあったせいで、小学6年生になった頃にはあたしは陽太を避けるようになった。


ある日見かねた陽太があたしに問い詰めた。


陽太

「紗良!お前なんで俺のこと避けてんの?」


紗良

「なんでもいいでしょ!?」


あたしは下を向きながら答えた。


陽太

「よくねーから、聞いてんだろ?俺なんかしたか?」


紗良

「違う!」


陽太はあたしの大きな声に一瞬びっくりしたようだった。


紗良

「違うよ…」


陽太

「ならなんだよ…」


紗良

「周りにいろいろ言われるから嫌なの。陽太も嫌だろうし」


陽太

「誰が嫌だって言ったよ?」


紗良

「え?それって…」


あたしは下を向いていた顔を上げ、陽太の顔を見た。


陽太

「お前は俺があんな噂程度で仲良くしたくなくなると思ったのかよ。」


あれ?


陽太

「俺はお前と友達やめるつもりねーよ?」


その言葉はあたしを落胆させるのに十分だった。

もちろん、陽太の優しさは嬉しかった。でも、それと同時にあたしは自分の気持ちに気づいてしまったんだ。


あたしの初めての失恋だった。



中学へ上がったあたしは極力噂話になるようなことからは避けてきた。



呼び方も陽太から北条くんへ

休日に遊びに行くなんてもってのほか。

隣へ行くのもお母さんからのおすそ分けを渡すくらいで、自分から行くことはほとんどなくなった。

噂話をしそうな同級生とは極力関わらないように、でも人当たりのいい距離感を探った。



北条くんも紗良から八束へ呼び方が変わっていた。

でも北条くんは呼び方だけだった。それ以外のあたしに対する態度はほとんど変わらなかった。



教室でも挨拶するし、先生に頼まれた荷物を運ぶの手伝ってくれるし、あたしが体調悪い時はすぐに気づくし…


本当に嫌いにさせてくれない。


でもあたしはわかっていた。北条くんは誰にでもそうなのだ。無表情でぶっきらぼうだけど誰にでも優しい。


それがあたしの大好きな幼馴染み。



高校生になってもこの関係は変わらないと思った。

でも違った。


花と出会ってしまったんだ。

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